音楽の話

メロディ派か、詞派か。昔から音楽はもっぱらメロディ派だった。ダンスが好きだから体が反応する曲が好きというか、文章を書くことが好きなくせに、歌の中の言葉にはあまり注目したことがなかった。

大学3年生頃から、深夜に放送されているジャニーズの音楽番組を見始めた。音楽を専門的に分析する番組は、音楽の楽しみ方の幅をぐっと広げた。特にメロディ派だった自分は、歌詞の分析を聞くとなるほど、、と説得されるばかりで、ここまで深い意味があるのか、とか、この歌詞はこのメロディに乗るとさらに表現が広がるのか、とか、本当に深い世界だ。

私にとって日常のBGMだったものが、心の余裕があるときは、詩からいろんな感情や言葉を学ぶようになったり、たまには自分の思い出や感情に寄り添うものとなった。

最近1番わかりやすい経験をしたのが、Bruno Marsのライブに行った時。英語の曲は余計にBGMと化すことが多かったけれど、目の前に本人がいて、じっと曲に集中すると、”Just the way you are” と歌う声が頭に響いた。有名な曲で、ずっと知っていたはずなのに、号泣してしまった。ちょうどライブに行った時、自分ってどうあればいいのかな?とずっと悩んでた時期だったので、その言葉を体で受け止めたときに、なんだかほっとして泣いてしまったんだろうなと思う。

この曲自体は、男性が女性に捧ぐ熱烈で甘いラブソングなので、自分が置かれている状況は全く関係ないんだけど、その歌詞がその時の自分を救ったのは紛れもない事実だった。

昔から音楽は日常のBGMだったから、好きな曲はたくさんあっても、失恋の時に聴く曲、勇気づけられた曲とか、自分のキーソングとかはなかった。でも、こうやって詩が素敵な曲が自分を救ったのを考えると、BGMじゃなくて、歌に向き合う時間を作ってもいいなと思った。

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