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自分を愛そうとする人は、みんなのことも愛せる人だ _ (8)休職期間中に学んだこと・発火したこと

■読んでほしい人
・企業で管理監督者としてお仕事していて、家庭では家事・育児に奮闘している方

■このシリーズでいちばん伝えたいこと
・一番大切なのは、自分だ だからこそ家族や他者を大切にできる
・自分を愛そうとする人は、みんなのことも愛せる人だ

■読んだ後どうなってほしいか
・心軽く、心豊かに生活する工夫をみんなで楽しめるようになってほしい


>> fast alone, far together

こう言うと使い古された言い回しに感じるんだけど
9か月間のお休みで、自分に向き合うことの大切さを学んだ。

まだまだ結論めいたことにはたどり着いていないし、
何よりゴールがどこにあるのかもよくわかっていない。

でも、その旅に漕ぎ出でたということは確実であり、
進んでいるのは、どうやら、自分の好きな方向であることは間違いないようだ。

8月から休み始めて、12月の初旬に頭の中のキリが晴れて、
やっと本を読んで理解したり、人が話していることが分かったりするようになった。

気になっていたことを自分でストップをかけたりせずに飛び込んで勉強してみた。
そこから学んだことや気付いたことを列記してみる。

長い旅に出たように感じているが、同じようなことに関心を持った仲間とも出会え、自分のなかに改めて灯台を建てたようにも感じている。
仲間や自分のなかの灯とともに進んでいけると思っている。
この勉強期間に出合った”fast alone, far together”という言葉がオールの役目を果たしてくれているよ。

>> ぼくたちは何者かになるべきなのか?
コテンラジオ

毎日のように聞いていた音声コンテンツ。
樋口さん、深井さん、ヤンヤンさんの3人が歴史を題材に語り合っている。
他者の話しが理解できない状態が続いていたけど、それでもこの3人のやり取りはしっくりと頭に入ってきて、移動中も家事をしているときもずっと聞いていた。

このコンテンツでは「歴史思考」という思想が通底していた。
それに触れることで、ぼくには「何者かにならなくてはならない」という価値観があることに気付くことができた。この価値観があるから、例えば自分が出世したら嬉しいし他者が出世したら悔しいという感情が生まれる。これによって自分が鼓舞されたり、でも一方では苦しくなったりしていた。

しかし、自分の価値観から生まれる感情にあわせてあたふたと行動するよりも、自分がいまここでやりたいことに思いっきり集中して、やりすぎるくらいに取り組むことで、結果として自分は何者かになるんだな、と歴史を通して学ぶことができた。

何者かになりたくてなるんじゃない。
自分を突き詰めて、いまここで、やりすぎるくらいに取り組むことが
自分にとっても他者にとっても価値になる。
その結果、何者かになるんだろうと思えた。

>> 目的地と現在地をしっかりと言葉にすること
Gallup クリフトンストレングス_ストレングスコーチング

最初は「ストレングスファインダー」という言葉に出合った。
人の動機の源泉を34資質に分類。まずは、人それぞれによく使うもの・そうではないものの順位を判定して自己理解を深める。そして、コーチングを通して、理想の目的地と現在地とを明確にして、そのギャップも把握して施策を実践し、ゴールへ近づいていこうとするもの。

当初は、フォローしているビジネスパーソンたちが活用していて、やってるとかっこよさそうだからぼくもやってみた、というだけだった。
22年4月に資質判定して、22年10月にコーチングを受けて、そうしているうちにもっともっと深めたくなった。

資質の勉強とコーチングの勉強をするために、23年2月からセミナーを受講して勉強をはじめ、4月にGallupの認定コーチとなった。でもそれはスタートに過ぎず、コーチングはめちゃくちゃ奥が深くてどこまで行っても勉強が不十分だといつも感じている。
ぼくのセミナーを担当してくれたシニアコーチの「資質やコーチングが深いのではなく、人間が深いのだ」という言葉を灯台に、そして身近なみんなに貢献したいという気持ちを大切に、コーチングをさらに学んで実践していきたい。

これは後付けだけど、人の内面や、人と人とのつながりに強い関心があったぼくにとって、ストレングスファインダーやコーチングは、様々な事象を言語化していくにはうってつけの「知の体系」だった。

>> 自分も相手もOKであるために
アサーティブコミュニケーション

人と人とのつながりを考えてみたい。
いろんな視点でコミュニケーションを考えてみたいという気持ちに従って
このアサーティブコミュニケーションというものを勉強し始めた。

自分もOK、相手や他者もOK。
そう思えていることが、
お互いのためになるコミュニケーションに欠かせないものだと学んだ。

まずは自分がOKになっていること。
これが一番大事。

自分がOKでないと、相手をOKとして捉えられなくて、相手に非があるようなコミュニケーションをとってしまう。それに自分のOKを求めて、相手からOKを奪おうとしてしまう。それは相手のリソースを搾取することになってしまい、お互いとって本当によいコミュニケーションとはならない。

そして、他者に対してはっきりと「NO」と言ってもいい。
一方で、本当は「NO」なんだけど、あえて「YES」と答えてもいい。

あくまでも自分本位に「あえて」選択することが大切。
同時に、お互いのOKを崩さないための表現を考えることも大切だ。

アサーティブとは積極的であること。

自分の本意(=OK)を大切にするために自分主体に言動して
そして同時に相手の気持ちも大切にしようとすること。
「大変かも知れないけど、一生懸命に」自分と相手のことを考えて
コミュニケーションしようとすることが、アサーティブコミュニケーションなんだと思う。

それに、ここから自己基盤の大切さに気付くことにつながった。
アサーティブコミュニケーションには、自己基盤を固めるためにも大切な「境界線を引く」という考え方も含まれていると思う。

自己基盤の強化はとても長い旅路だと感じているが、気付くことも本当に多い。
ぼくのなかで一番大きな発火だったと言っていい。

>> 否定も肯定もしない。まずは受容する
エールクラウドサポーター

普段の会話は「お互いに独り言を言い合っているだけ」かもしれない。
極端に言うと、こんなことに気が付いた。

話すことで気持ちが楽になったり思考が整理されたりする。
そのことで、スッキリと言動できるようになるし、
より心豊かに生活できるようになることもある。

これを立場を入れ替えて言うと、
わたしたちは「きく」ことで誰かのチカラになれるということだ。

エール株式会社では、オンライン上でそんな「きく」を提供している。
ぼくはその「きく」人になるべく、「きく」の勉強や練習をした。

誰かのチカラになる「きく」を実践するためにはどうすればいいか。
そこでぼくが気付いたのは、
普段通りに会話していては独り言のやり取りになってしまう、ということだった。
というのも、いつもの「話す・聞く」は、そのほとんどが自分のためのものだからだ。

自分のための会話では
自分の気の向くままに感想を述べたり、自分の気になったことを質問したりする。
でも、それによって話題が変わってしまって相手が本当に言い表したかったことに迫る機会を奪ったり、あるいはアウトプットして新しい気付きを得ることを妨げたりしてしまう。

感想を伝えることも質問をすることも、自分のために言葉を発していたのでは
相手の話しや思考を止めてしまう。言い換えれば、相手のためになっていない。

まずは、感想や質問を口にしたい気持ちをぐっとおさえて、
肯定も否定もせず、相手の話しを受け容れる。
そして相手をどこに導けば相手のためになる会話となるのか、
目を凝らすようにして文脈を追いかけて、問いを繰り出す。

ささやかに、ひっそりとではあるんだけど
こんなきき方をはじめることができた。

>> 思えば、サバティカルな日々だったんだな

これまで、いろいろな選択をしてきた。
でも自分の本意については無自覚だった。

大学3年生になったから就活して、決まった会社が東京だったから上京したし、部署にルールがあるからそれに合わせて仕事して、家事や育児をしないといけないから四苦八苦しながらもそれに向き合ってきた。

当然、自分にとって何がどうあれば理想なのかというような、自分の本意をきちんと言語化しておくなんてことはしてこなかった。
言語化は言葉を考えるだけでは成し得ない。まずは勉強して知識をつけて、実践して経験から学んで、自分のなかで自分が腹落ちしつつ使える語彙を体系化していく必要がある。

この9か月間のお休みは、少しでも関心が向くことに飛び込んでみることができ、またしっかりと学びや経験を自分自身の言葉で蓄積していくことができた。何より、それによって、自分の本意とはどんなものなのかを言語化するための時間があった。その姿勢を身に付けることができた。

休んで、学んで、考えて、漕ぎ出でた。

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ここまで読んでくれてありがとうございます。

これからこんなふうに続けていこうと思っています。
よければお付き合いください。
・(1)はじめに
・(2)診断・休職まで
・(3)休職のはじまり:しんどいよりも、痛くて重い
・(4)休職のはじまり:感情・思考の記録と、仕事・職場への思い
・(5)休職のはじまり:ぼくの前にも後ろにも
・(6)お仕事でのたくさんのコンフリクトたち
・(7)不調の原因は仕事とプライベートのコンフリクト、だけではなかった
・(8)休職期間中に学んだこと・発火したこと(この記事)
・(9)最後に

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