新卒デザイナーにやってほしい5つのこと
こんにちは、モリシゲです。Twitterで「新卒でデザイナーになる方にぜひやってほしいこと5選 」をツイートしたところ、500以上いいねをいただけたので、こちらのツイートもnoteに記事化させていただきました。
また本記事では先輩デザイナーの方、またはデザイナーを抱える組織のマネージャーや経営者の方の目線でも補足をいれています。
1on1や社員教育などのヒントになればと思います。
(前提の話)新卒デザイナーと受け入れる会社
新卒入社したデザイナーは「まったくもってデザインができない」という状態は珍しいかと思います。相当デザイナーに手厚い研修がある会社であっても、日頃からデザインの勉強や練習している新卒でないとデザイナー採用はされにくいかと思います。
会社側は「デザイナーとして成長するポテンシャルがある」と判断して採用しますが、デザイナーを育てる余力がない会社もほとんどなので、やはり「個人の成長意欲+上司のコーチング」で伸ばしていくのが主となると思います。
その前提で、「新卒デザイナー、そして彼らをマネジメントする人々がどうアクションしていけばいいのか」を一例として読んでいただきたいと思います。
1. デザインの引き出しを増やす
新卒デザイナーは仕事で嫌でも作るので、ビジュアルを作る力は自ずとついてくるものですが、バリエーションに富んだ表現ができるかはインプットや資料を増やすしかないので、読書なりスクラップなりを習慣にする必要があります。
私はこれが苦手でしたので、図鑑系の本を積読しておいて、必要になったタイミングで開くというような形で使っていました。
それを繰り返すうちに引き出しが増えていくかと思いますので、すぐ読まなくても資料として買い溜めておくのもいいと思っています。
マネージャーの方は、過去の経験から図書リストを作って共有するだけでもかなり良い動きになると思います。
2.ブランディングについて学ぶ
デザインは「直感的な選ばれやすさ」を作る要因になるため、ブランドについて知っておくと、高解像度でデザインを作れます。
『ブランディングの教科書』は内容難しいですが良書でした。 もっと優しい本もあるので1冊探して読むだけでもOKです。
個人的には『経営とデザインのかけ算』という本が読みやすかったです。
かいつまんで内容を列挙すると
海外の成長企業の経営者はデザインに精通していて、経営にデザインを取り入れることが当たり前になりつつあるよ
ブランド価値を継続させるには単発購入を狙ってはだめで、会社が発するメッセージに共感を得て指名買いしてくれることが大事だよ
デザイン思考には5つのステップがあって、ちゃんと実践すれば一喜一憂せずに真の問題を発見できて解決に向かうよ
1人でやらずに社内全体に浸透させて、インナーブランディングしていく必要があるよ
企業ブランディングとサービスブランディングはちゃんとやろうね〜相乗効果がでるよ
というようなことが書かれています。
ブランディングはみんなで作るものなので、新卒でもマネージャーでも知識があることに越したことはありません。
3. ポートフォリオサイトを作る
ポートフォリオを作るサービスは多数あるので、何でもいいから業務で作ったデザインを節目節目で格納しておく場所を作りましょう。
私の場合は会社への自己評価提出の期間のついでに行っていました。
ただ、いきなり「自分のサイトを作って…」とやり始めると心が折れやすいと思います。
サイトデザインが不要な、運用が最小限なサービスを使いましょう。
キャリアアップのために転職したいときに「マジでデータ格納しててよかった…」となるときが来ます。
私の場合は、社内限定でのアップロード場所も設けていて、週1の定例ミーティングでみんなで制作物を格納する時間をわざわざ設けてやっていました。
格納したデータをメンバーで見て、フィードバックもできるので、さまざまな観点も得られます。
4. 経産省「デザイン経営宣言」を読む
政策としてデザインをどう活用していくかが15ページに渡って簡潔に書かれています。デザイン経営とは何かも知れて、ブランディングの話も出てきますし、さくっと読めるので読んでない方は今すぐ読みましょう!
デザイナーという職業がなぜ必要なのか理解できて、自己肯定感も上がるのでぜひ読んでほしいです。
国内CDOの方と何名か面談したときにも「デザイン経営宣言って読んだことありますか?」と質問されたくらいなので、デザイナーなら必読といっても過言ではないかもしれません。
さきほど紹介した『経営とデザインのかけ算』でも紹介されています。
5. ブログを書く
会社でデザイナーブログを始めるもよし、個人でやるのもよしなので、学びをまとめる習慣をつくりましょう。
頻度は低くてもOKですので継続することが大事です。
なぜやっておくといいかというと、自分自身の転職、新しい仲間(デザイナー)の採用、頭の整理に役立つからです。
転職や独立で役立った経験談
以前チームメンバーでデザインブログを当番制で実施していましたが、メンバーが転職・独立した際に「このブログ書いてて本当によかった。実績として見せられるから仕事がもらえます」と言われました。
新しい仲間の採用で役立った経験談
過去のブログ読んで応募しました!と声をかけられることもありました。応募の入り口として機能していたのもありますし、こちらからスカウトする際には「私たちはこんなチームですよ」と紹介するのにも役立ちました。
頭の整理に役立った経験談
『デザイナーを8年やって気づいた「デザイナーの本質的な強み」』という記事にも書きましたが、具体と抽象の変換や情報整理はデザイナーにとって大事な要素です。
文章表現が必要なデザインはたくさんあるので、ふだんから文章書く癖をつけておくとコピーライティングのスキルも磨かれます。
「やるだけ得」なので新卒じゃなくても
ここまで紹介したことを継続するのは非常に面倒ではありますが、確実にデザイナーとしてのスキルアップや実績作りに役立ってくるのは自分でも実感があります。
新卒デザイナーに課題として行わせるのもいいですが、自分自身がまだできていないという方は今からでも遅くないので、1年だけでも継続してみてほしいです。
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