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あの鈴は、悪くない。

まだ半分寝ながら家を出た月曜の朝。
駅の改札を抜けると、突然、どこからともなく鈴の音が聞こえてきた。
ん?クリスマスソングか?
マライアキャリーのイントロかな?

鳴り止まない鈴の音。
どんどん近づいてくるではないか。
ふと後ろを振り返ると3歳くらいの女の子のリュックにダルマの形をした鈴が煌めいていた。
君か…
そしてほどなくして鈴の音が増えた。
後ろか兄らしき子が元気に走ってきたのだ。

シャンッシャンッシャンッシャンッシャンシャン!

ホーム中に響き渡る鈴の音は、月曜の朝というあー働きたくねぇなぁ、朝眠いなぁみたいな殺伐とした空気には少し呑気に聞こえてほっこりしていた。


ーー5分後ーー


鈴の音は止まることを知らず、鳴り響いていた。

ホームで聞くとほどよく響いていたが、電車内ではその高い音は少々耳に残った。
子供ってよく動くもんなぁとぼんやりウトウトしていても

シャンッシャシャンシャンシャン

シャンシャンシャンシャン


彼らが動くたびに響きわたる鈴の音。

「う、うるせぇ…」という感情が湧きそうになったが、子供達にはなんの罪もないので私は無になった。


……このなんとも言えない感情、最近もあったな。


先日同居人が【びっくりチキン】とゆう、音の鳴るおもちゃを使った演奏動画にハマっていて、ついにはそのおもちゃが欲しいと言い出したのでうっかりプレゼントしてしまったのが運の尽き、その日から声高なチキンくんの鳴き声が夜な夜な鳴き響く地獄のような時間が始まってしまったのである。
私がプレゼントしたからうるせぇやめてくれとも言いにくく、これまたなんとも言えない感情になったのである。
いや、これは私が悪いのか…?

とにかく、今は1日でも早く同居人がチキンくんでメロディーを奏でられるように願うしかない。

あとむちゃくちゃ余談だが、びっくりチキンくんのビリーアイリッシュはとてもカオスなので好きな方は是非聴いて欲しい。

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