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自分で服をつくる

私は自分でつくる事が好き。自分で作れそうかな?と思ったら作りたくなる。それが無いなら、手に届かないなら、自分で作ればいいんだ。それに作ることは楽しい、自分の好みに合った、たったひとつのものになる。料理、木工、洋裁。レシピ、設計図、パターン、そして素材があれば大抵のものは自分で作れる。

趣味ではない

これは趣味の話ではない。料理をつくる事も、棚をつくることも、服をつくることも、趣味ではなく、私にとって生活であり暮らしの活動のひとつなんだ。私のつくるものは大抵シンプル。細部に拘ったり、複雑な手順があったりするものを作ったりする事はほとんどない。それに「レシピ」がシンプルであれば、好みを自分に寄せるという事がやりやすい。自分の好みに合ったものを自分でつくる事ができたときの喜びは大きい。

身体に楽な服を着る

自分に子宮筋腫があるのが発覚した2年前からその前後、タイトな服が着れなくなった。お腹が腫瘍で圧迫され苦しくて気持ち悪くなるからだ。スキニーのジーンズなんてもう履けない。シンプルだけどタイトじゃないゆったりした服を着たいが近所ではそういう服が売ってない・・・あったとして、マタニティ用か大き目のサイズの自分に合わない服を着るしかないのか。

腫瘍が発覚する前、ミシンをもらってから、ずっと何か作りたいなあと思っていた。裁縫には興味があって手縫いでトートバッグをいくつか作ったことはあった。ミシンがあるのだから服もつくれるだろうか、と考えていたとき、見つけたWEBサイトが「yanのてづくり手帖」だ。

服のシルエットが自分好みのシンプルさ。パターンをみて見ると、なんとほとんど直線で縫える服ばかり。着用画像をみてみると、よさそうに思えるけど実際に縫って着てみるとどうなのか、全く想像がつかないけど、とりあえずやってみよう。選んだパターンがこちら

古着屋で買ったアンティーク(?)の布(ガーゼっぽい)で縫ってみた。面倒で生地への水通しはしなかった。作り方はシンプルだけど、はじめて服を縫うので襟と袖とギャザーの処理が少し難しかった。あと布が足りなくてスカートの丈が短くなってしまった。そして出来上がった、初めて自分で作ったワンピースがこれ。

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おおお?直線的でちょっと不思議、横幅が広く大きく感じるけど大丈夫かな?試着してみると、おおお!ゆったりしているけど着ると生地がストンと落ちてくるので、袖がちゃんと出てくる。軽くてらくちんでいい!失敗しても部屋着にすればいいか、と思っていたけど、ちゃんとかわいい!ベルトをすればシルエットがかわってメリハリがつく。自分で良い!と思える服がつくれてしまった!すっかり気に入ってこのワンピースはその夏何度も着た。(水通ししていなかったので洗濯後縮んでびっくりしたけど)それからもyanさんのパターンで色々な服をつくった。締め付けがなくゆったりしていて着ていてとても楽だからずっと着ていた。

誰でも楽しくおおらかに作ることができる簡単ソーイングを
提案していきたいです。
(yanのてづくり手帖)

と綴られているとおりyanさんのパターンはとにかくシンプル。だけどシルエットが良い。出来上がった時はサイズが大きいなあと思うけれど、ワンピースもブラウスもパンツも大体どんな体型の人でもゆったり着れるようになっている。体型に合った服を着るのではなく、服が体型に添うという感じがする。長袖の服も直線で縫うけど、仕上がりはドロップショルダーになりる。直線的な服なのに着ると馴染むところも不思議で面白い。シンプルなので他の服との親和性も高いし、yanさんのパターンの服同士での組み合わせも良い感じ。

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エプロンワンピース」と「直線ブラウス」、昔の農村の娘っぽさがあって楽しい。

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大人のナチュラルなワンピース 」魔女の宅急便のキキっぽさがある。選ぶ布や色にもよるけど、シンプルゆえにジブリっぽさがある服になるなと勝手に思っていて本当にたのしい。

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イラストの女の子たちに着用してもらった。ボトムスのパターンもあってスカートみたいなボリュームのパンツ「スカンツ」とかもかわいい。パンツは全部ウエストがゴムだから楽。防寒が必要な気温の時以外はyanさんのパターンで自分でつくった服で日常が事足りそう。筋腫を手術で取り除いた後もずっと作った服を着ている。数えてないけど10着以上はつくった。パターンがシンプルなので、裾を伸ばそうとか、丈を短くしようとか、ゴム袖じゃなくストレートにしようとか、そういう細かな変更も簡単に出来る。あとパターンにはポケットがついてないけど、私はワンピースとパンツにはポケットが無いと不安なので全てポケットをつけた。

近所には安価で布を購入できる生地屋がなく、貧乏なので、250*250cmのコットン100%のテーブルクロスを5€くらいで購入しワンピースを縫ったり、古着屋で購入した厚地のカーテンで「イージーパンツ」を縫ったり、ジャケットをつくったりした。ジャケットは「おしゃれ割烹着」を転用させてつくったのだけど、生地なのかボタンなのか、物語に出てくる魔法使いの衣装っぽくなって気に入ってる。つくった服が現代っぽくないところが私は特に気に入っているのかもしれない。(もちろん組み合わせによって現代ぽくなる)

服ってこんなにシンプルでいいんだ!という発見が面白いので服をつくった事が無い方にはyanさんのパターンで服をつくってみてほしい。女性と子供のパターンしかないけれど(華奢な男性だったら大丈夫かも)、最初の1着におすすめなのは直線ワンピース。

着物リメイクとありますが普通の布でできる。ミシンがなくても手縫いでもがんばればできると思う。「直線ブラウス」のほうが縫い目が少なくて簡単だけど、ぜひワンピースをつくってみてほしい。行程も少なくパターンも必要なく、計って断裁するだけであとは基本的にまっすぐ縫うだけ。仕上がりの形は長方形。服って布なんだなあ、と思う。着てみるとゆったりしたワンピースなんだけど、ベルトとか紐でウエストを縛るとかわいくなる。私は2cm幅くらいのワンピース用の紐をつくり、それを色んなワンピースに使っている。ウエストをしぼるだけでシルエットがこんなに変わるんだ!という驚きも体験してほしい。

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生活をするというのは

自分で何かを手作りする事で一番必要なのは「時間」だろう。大抵私達はそういった時間をお金で買ったりする訳だけれど、私の理想は何かを手作りしながら暮らしをする時間がある生活なのだな。

おいしいアイスクリームや、読んでみたい本を購入する事につかいます!