みと

自然のちかくにいること、つくることが好きです。

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  • おばけについて

    自分の体験についての思考

  • 自分でつくる

    つくったり、採ったり、試したりした記録

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おばけについて

私はなぜ おばけなのか気付いたときから私は、自分の存在というものに違和感を持っていた。 自分はこの社会という場所では価値の無い異物であり、ここに関わる事はできない。そんな風に感じていた。普通の人とは違い、決定的な何かが欠けている。自分に魂というものが無いような気がする。みんなと同じ場所に居るのに自分はそこには居ない、という感覚を、なんだかおばけみたいだなと思ったら、とても腑に落ちた。私はおばけだ。そういう風に言語化できたとき、すっきりした。 「欲しいものはない。やりたい事

    • 元に戻る世界と私

      フランスで外出禁止が解除されてから、もうすっかり元の世界に戻ってしまった(社会では様々な解決すべき問題はあるにせよ)。4月下旬から、元に戻る事に大きな不安感があり、また自分と身近な人との関係において解決しなければならない問題があり、5月中はほぼ憔悴しきっていた。 不安が大きくなり、悪夢、睡眠過多、目覚めが悪い、日中身体が怠い、気力がない、部屋が片付けられない、掃除ができない、料理ができない、運動ができない、抑うつ状態になる。希死念慮と共に現れるのが「自分は誰からも必要とされ

      • 自分で服をつくる

        私は自分でつくる事が好き。自分で作れそうかな?と思ったら作りたくなる。それが無いなら、手に届かないなら、自分で作ればいいんだ。それに作ることは楽しい、自分の好みに合った、たったひとつのものになる。料理、木工、洋裁。レシピ、設計図、パターン、そして素材があれば大抵のものは自分で作れる。 趣味ではないこれは趣味の話ではない。料理をつくる事も、棚をつくることも、服をつくることも、趣味ではなく、私にとって生活であり暮らしの活動のひとつなんだ。私のつくるものは大抵シンプル。細部に拘っ

        • おばけと創作

          物語の中の旅 自分が生涯必要ものは「非日常の世界」だ。 本とか音楽とか絵とか映画とか漫画とかアニメとかゲームとか、誰かの日記とか、誰かの思い出とか、誰かの古い写真とか、あるいは散歩とか旅とか山登りとか。あらゆる場所に物語への扉があって、それを見つけて覗く事が好き。この社会から、自分から、肩書から、切り離された場所で、ひとりきりになれる時だけ私は呼吸ができた。 *おばけについてはこちらの記事にて説明しています 空洞と模倣 自分でその物語をつくる事に憧れている。物心ついた頃か

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        • おばけについて
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        記事

          てまひまカリー

          こういう時だからこそ時間をかけてのんびり料理をする事もありじゃなかろうか。という事で手間も時間もかかるカレーのレシピの紹介です。 フランスに来てすぐの頃、カレーをつくりたくて、でもルーが手に入らなかったとき、カレー粉でできるカレーを作ろうと試行錯誤して幾度も失敗をしてようやく出来上がったカレーのレシピです。うちの近くにはインド料理屋もないし、カレーが食べられる場所がとにかく無い。フランス人にとっても「カレー味」ってあんまりポピュラーではないみたい。でもカレー粉は手に入る。な

          てまひまカリー

          タルティーヌで昼食を

          大体家にある食材で30分くらいで作れるタルティーヌのレシピを紹介します。難しくないよ。 このレシピはある日パンが無かった時に家にある食材で適当につくって生み出されたものなのですが、簡単でおいしくて気に入ったのでたまにつくるようになりました。 タルティーヌというのは広義でいえば「オープンサンド」です。スライスした固めのパンの上に野菜などサンドイッチの具をあれこれのせたものです。でもこの写真のタルティーヌってなんかパンではなくピザっぽいな?フランスのboulangerie(パ

          タルティーヌで昼食を

          家にたのしくこもる

          フランス政府により15日間の外出禁止令が敷かれ、今日で1週間。 正直、仕事・時間からのストレスが無い生活はとても快適だ。 フランス政府による外出禁止令とCOVID-19の規模 2020年3月17日の正午より出された外出禁止令により、仕事は休職扱いになったと連絡があり、最初に感じた事は「2週間働かなくていい真っ当な理由ができた」という事だった。 確かに私にとっても、コロナウィルスの感染拡大は政府によって声明が出されるまでは、どこか他人事だった。毎日どこかでニュースを見ても、

          家にたのしくこもる

          おしゃべりな森できのこに出会う

          夏から気温が少しずつ下がり、雨が沢山降るようになって秋が来ると、にぎやかになる場所がある。きのこたちがあちらこちらに生えてくる森だ。 フランスではきのこ狩りは秋のレジャーのひとつ。私の住む街には大きな森があって、秋になると人々はパニエというカゴと、ナイフを持って森へ出掛ける。 フランスに来てはじめてきのこ狩りに連れて行ってもらい、きのこを発見したときの驚き、そしてそれを持ち帰ってオムレツにして食べた時の感動。とても嬉しかった。生産されたものではなく、自然にあるものを収穫し

          おしゃべりな森できのこに出会う

          これは弔いなのだろうか

          ある朝散歩をしていたら、遠くに小動物の亡骸が見えた。 近づいてみるとリスだった。 そっか。死んでいるんだね。ふさふさのしっぽ。 まだそんなに時間は経っていないようだ。顔だけが潰れていた。車に轢かれた訳ではなさそう。鳥に突かれたのだろうか。ともかく、道の真ん中に放置する訳にはいかない。数メートル向こうの木のある場所へ運ぶことにした。 でも、どうやって運ぼうか。なんとなく、そのまま手に乗せる勇気がなかった。路肩に大きな葉っぱが生えているのを見つけ、それを何枚か千切ってきた。ここ

          これは弔いなのだろうか

          エルダーフラワーを飲んで初夏がくる

          5月下旬から6月にかけて咲き始めるこの小さなかわいい花が、エルダーフラワーという名であり、その花でシロップを作れる事を知ってからは毎年それを作って飲んでいる。エルダーとはヨーロッパではよくみかけられる低木で、そこに咲く花をエルダーフラワーと呼びます。 これがつぼみ。枝分かれのこの感じが幾何学的でとてもかわいい。 5月下旬ごろ、こんな感じで小さな小さなかわいい良い香りの花が咲く。この花の雰囲気がどことなく妖精とかエルフっぽさがある気がして、私は勝手にエルフって呼んでる。つぼ

          エルダーフラワーを飲んで初夏がくる

          花を食べる

          春先には新芽の葉っぱを色々食べたけど、新緑、初夏にかけて咲き始めた花を、今度は食べてみたい。食べられる花は、エディブルフラワーと呼ばれ、スーパーなどでもたまに見かける。料理に花を散らすときれいで楽しくなる。でもね、私はただの飾りとしてだけではなく、花も味わって食べたいんだ!もちろん自分で採集して料理して食べる! どんな花がおいしいのか? 食べられる花や食べられる草は色々あるけれど、「どれがおいしいのか」というのが私にとって効能より何より重要です。という訳で、身近で見つけられ

          花を食べる

          イラクサをフランス風に食べると行方不明になった

          春に色んな野草を食べてみた記事を公開したところ、「イラクサのスープについて書かれた本を思い出した」という声がありました。野草を食べたときもシンプルな調理しかしなかったので、今回フランス風の調理ということでイラクサでキッシュとスープをつくってみました。手袋をはめ、ペンチを使ってイラクサの若葉を近場でどっさり採集してきました。 イラクサのキッシュ キッシュっていうのはフランスのアルザス地方の郷土料理なんですね。フランスは料理に乳製品が使われる事が多い。牛乳、クリーム、バター、

          イラクサをフランス風に食べると行方不明になった

          春に野生をたべる

          山歩きをしていたら、植物の柔らかな新芽がそこらでみられ、美味しそうだなと思った。春だもんな。 日本で食べられる山菜をフランスで探してみた 日本では春になるとよく山菜を食べる。私はあの少し苦みがあったり滋味深い味がけっこう好きだ。ここフランスにもあるのかな?と思って日本で一般的によく食べられる、蕗の薹、タラの芽、コシアブラ、ウド、コゴミなどを、山や森で探すって事を春が来る度しているんだけど、見つけられない・・・ワラビはかなりどこでも沢山見つけられたのだけど、発がん物質が含有さ

          春に野生をたべる

          おばけについて を書いてみて

          この記事を書いた後に思ったこと 最初に、本を読んで得た気づきを形にしなければ、と思った。自身を客観的に眺めてみるために、人の目につくところで。客観的にわかりやすく書けたか、というと、細かく書きすぎたり、書かなさ過ぎてわかりにくい所もあるなあと思う。まだ過去になっていない事はここには書けていないしまだ文字に起こせない事もある。書けた事は、過去だと認識した事柄だ。自分がこうなのは、理由があったのだ、と思うと安堵する。だから苦しいんだ、と言いたかった。こんな自分が在ったのだ、と認

          おばけについて を書いてみて