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【企画参加】 令和版百人一首 恋の巻 〜 夏の部②

最近の姐さんのお気に入り。
三羽 烏さん企画の、

 「令和版百人一首」 恋の巻 


さて夏の恋はしっとり梅雨から始まりまして。
やはり恋とは憂いを含んだモノ。

お遊びが過ぎませんよう。




🍒 🍒 🍒 🍒 🍒




立ち葵 濡れて荒梅雨 みだれ髪
いま剥がされて 紅の裾


                三日月巴



「もっと、乱れていい。」
といつになく激しくその力強い腕で濡れた髪を弄りながら、荒梅雨に嬲られぴたりと付いた薄物までももどかしそうに飛っぱがす。
「徳さんっ」
と嫌がってはみるものの高鳴る胸の奥は言うことを効かず、赤く染まった桜ん坊が烏の濡れ羽に見え隠れして思わず啄みたくなる熟れ具合。濡れてぴんと天を向いた立葵の花をすっぽり手の中に包み込む文香の頬は血色が良くなり首筋から肩までも桜色。
 無表情な土壁にその肩を押し付けじりじりと細い両腕を持ち上げれば、観念したように唇を震わせる。その震えを受け止めるようにここもか、と啄めば待っていたとばかりに舌が絡みつく。
 ぴったりと白い太腿に張り付いた紅色のその裾を、膝頭で押分けながら奥まで入り込む。
「徳さんっ」
もう歯止めが効かぬ男の性は、荒梅雨の粒がトタンを打つかの如くバタバタと乱れ出す。文香の白い太腿を肩に担ぎ洞窟の先にある黄金を手に入れようと耳朶を噛んだ。




🍒 🍒 🍒 🍒 🍒



素晴らしい夜を。


あはん♥



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