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2021年に50周年を迎えるアルバム達を聴く〈3〉ザ・ローリング・ストーンズ/スティッキー・フィンガーズ

"2021年に50周年を迎えるアルバム"を聴くシリーズ。
今日は3枚目。

待ってました!
ザ・ローリング・ストーンズ「スティッキー・フィンガーズ」

まず私は'60sのまだブライアン・ジョーンズがいたデッカ時代のサウンドが結構好きです。
ビートルズの対抗馬として女子受けしなくちゃいけない使命を負わされて、やや無理してるかも...っていうアレンジが可愛いなあと思います。

が! ブライアンは死んじゃうんです。
1969年7月3日。彼はThe 27 クラブ、会員番号1番です。
第2回目のザ・ドアーズの時にも触れましたが、ジム・モリソンは(会員番号4番ね)奇しくも1971年、ブライアンと同日にバスタブにて永眠。ブライアンはその2年前の同日にプールの底で亡くなっているのを発見されます。未だ謎は全て解決したように思えませんが。

それでは。

全英全米共に1位、日本では9位でした。
そして今だにこのバンドのベスト・アルバムとの声高し。

このアルバムは、ブライアンのいない、初めての新レーベル第一作アルバムでございます。
心機一転、やや解脱感あり。

01. ブラウン・シュガー

典型的8ビートの重めなサザン・ロック。
代表曲で一気に気分も上がります。
ここまでできればアメリカ人受けするので大丈夫。
彼らがいかにブルース好きであるかが伝わってきます。ブルース好きなイギリス人は多いんだぞ。私もブルース好き。
泣き節サックスに絡む彼らの特徴的なコーラスとマラカスが良ーい。
軽快さと渋みを併せ持つわかりやすいサウンド。まさにストーンズ。
ダイヤモンドユカイ君もきっとこの曲好きなんだろうなぁ、と思う。

02. スウェイ

セクシー・ミック登場のミディアムナンバー。
あの大きな舌でベロンと舐められるような歌い方が彼の魅力か。それを撫でていくようなストリングスに駆け上がり付いていくようなピアノのとギター。
ラストにいくに従い絶頂を迎え、やがて息を整えるかのようにフェイドアウト。なんて官能的。

03. ワイルド・ホース

そしてその熱を覚ますように始まるのは繊細なギター。
それとは対照的なガッツリしたチャーリー・ワッツのリズム。
カントリーロックまんま。好きだわー。
これはアメリカ人好きでしょう。男っぽい世界だな。
イーグルスさえ彷彿とさせる。

04. キャン・ユー・ヒア・ミー・ノッキング

割とモッタリめで始まるロック。
うっすら聴こえるオルガンもう少し上げて、ボーカルをジムにしたら、ドアーズの曲でもいけそう。
カッコいいなー。
しかし中盤から小気味よいパーカッションとラテンなさじ加減のテナーサックス。『ラスト・タンゴ・イン・パリ』のガト・バルビエリみたいな。
更にこのギター、もうほとんどブルージーを通り越してジャジーな装い。

05.  ユー・ガッタ・ムーヴ

おぅ、めちゃプリミティブ。
まるでタイムスリップして、スワンプ(沼地)にはまってしまったような。
好きだわ。コーラス最高。
なぜか次の曲に期待を持たせる。

06. ビッチ

まあ、予想通り。なんてお下品な歌。
これはビートルズには真似できないわね。
"お前がオレの名前を呼ぶと
パブロフの犬のようにヨダレ垂らしちゃうよ"
ですって。
このテンポとホーンセクションが更に煽るわ。

07. アイ・ガット・ザ・ブルース

このバラードとてもいい曲。
ギターの切ないアルペジオに、スゴいブラックでファンキーなホーンセクションが被りグッときちゃう。
それに途中から来るオルガンもぐわ~んと上がってきて泣けるー。
これはミックの声じゃないとダメだ。

08. シスター・モーフィン

こりゃ、大変だ。
この不気味なスライドギターは、ライ・クーダー参加。さすが。吟遊ギター詩人。

09.  デッド・フラワーズ

ああ、良かった。爽やか系に帰ってきてくれて。
軽快カントリー調。
ローズピンクのキャデラック!?
ケンタッキー!?
よっぽどアメリカに憧れてたのかな。
サザンの桑田さんが好きそうな曲だな。何だか歌い方まで似ているように聴こえる。

10. ムーンライト・マイル

月を歌うストーンズ。
変拍子で始まるバラード。
まるでドビュッシーを思わせる東洋的旋律のピアノが神秘的。バスドラが心臓の鼓動のようだ。なんとなく土着インディアンも思わせる。豪華ストリングスが盛り上げるねー。
いいぞー、ミック。シャウトしろー。月に吠える。

ん~、コレはとても良い。大好き!
ちょっと前のブリティッシュ・サイケに終止符を打ち、アメリカン・ブルージーに染まってきたストーンズ。
ラストも素晴らしい終わりを迎えます。

ところで、やはり気になるジャケット。
"おぉ!"とか、"えー!"とか、"うわー..."とか色々かとは思いますが、こちらはアンディ・ウォーホルの作でございます。どなたの物かは存じ上げませんが。

とにかく全体的にとてもセクシーなアルバムであります。
どうぞ一度お手に。

そんなところで、それではまた。

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