『』

『果ての月』


いつから鈴虫が鳴かなくなったのか
冷えた空に回らない頭で考えてみる
どうせ明日も生きてくんだ 何も変わらない
痛みなんてとっくの前に死んだよ

白んだ夕焼けもう少し歩けば
総て解るくらい澄んだ夜になる

貴方を想って紡いだ歌ばかりだ
誰のためでもない私の歌なんだ
もうずっと解けないことばかりでさ
纏まらない言葉達も いつか遺していた傷も
どうか さようならばかりじゃ無いように


いつから貴方は笑わなくなったのか
本当はもうきっと諦めているんでしょう?
自己満足と空想で夢を縫い付けて
空だけが綺麗な世界を生きる

白に溢るる涙もうずっと痛いまま
全て透過して何も凪い朝焼けと

貴方が残した愛しい歌ばかりだ
誰のためでもない光のうたなんだ
もうずっとやりきれないことばかりでさ
貴方からの救いの灯火 弱くて脆くて温かい心
どうか 全てが嘘じゃないように


明くる日も明くる日も
貴方だけが浮かぶ
もう一度だけ、なんて
私のエゴだ
/
冴えた冬の空
月がひとつ
夜が果ててゆく


貴方を想って紡いだ歌ばかりだ
誰のためでもない私の歌なんだ
もうきっと何もかも終わるだろうけど
纏まらない言葉達も いつか遺していた傷も
どうか さようならばかりじゃ無いように

どうか さようならばかりじゃ無い様に。




果ての月、というのは十二月の意

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