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【書籍】瑞原明奈のロジカル麻雀入門

私が麻雀と出会ったのは高校生のときであった。大学生の頃にはいわゆる「徹麻」(徹夜で麻雀)をしていたりしたが、今ではたまにゲームでする程度。時間があるときはAbemaの麻雀チャンネルをみたりもしている。というか、麻雀以外はほぼ見ていない気がする(笑)

2018年に発足した麻雀のプロリーグである「Mリーグ」。KADOKAWAサクラナイツの初優勝で幕を閉じたMリーグ2021-22シーズン。

総合順位は6位であったU-NEXT Piratesは、チーム編成ルールが適用され、来シーズンはメンバー変更を余儀なくされる。

本書はレギュラーシーズンで初のMVPに輝いた瑞原明奈プロによる、初の戦術書である。冷静な分析力に裏付けられた戦術には、どのような「ロジカル」があるのであろうか。

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実際の対局を通じて、なぜこの場面でこの牌を切ったのか。「麻雀はアガれなければ意味がない」と瑞原プロは言い切るように、アガルためにはどうするか、そしてアガれなかったとしてもいかにマイナスを最小限に食い止めるかが、勝敗を大きく左右する。

昨シーズンでの対局を教材に、選択したその理由とどのような展開を見越していたのか。とりわけ瑞原プロの対局をみていて思うのは、良形が多い点。受けが広く、打点も高め。本書を通じて最終形に行き着くまでの選択を覗きみれる。

感覚的ではなく、確率論的になにを切れば優位となるか。Mリーグをみていても長考は極めて少なく、瞬時のうちに選択するそのスピード感。

瑞原プロのロジック=選択の順位付けがまとめられた一冊ではあるが、記載のあったようにこれはあくまで「現時点」での選択の基準であり、今後その手法は変化していくに違いない。

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本書の序文で瑞原プロが書いているように、麻雀というゲームは「選択の連続」である。もちろん運的要因も多く含んではいるが、それ以上に選択によって結果が大きく左右される。つまり、その選択による結果は打ち手に委ねられているのである。

それは、麻雀は基本的に4人で打つゲームであるため、自身の選択だけではなく、他家との駆け引きによっても、その成行きは大きく左右されるからである。

そして何より、「麻雀は自由であることが前提」と瑞原氏はいうように、セオリーに縛られず、自由であることが瑞原プロの強さの秘訣なのかもしれない。

麻雀とは人生の縮図、と言っても言い過ぎではない、かもしれない。選択によって意図する結果が得られるか、回避したとしても違った結果が得られるか。はたまた、選択をミスして棒に振ってしまうのか。

なんらかの結果は得られるが、その結果に向かうプロセスを適宜選択しているにすぎない、ともいえるであろうか。その選択の方法に個性が垣間見える。

その選択のバリエーションを増やすために、人は日々学び、成功と失敗を繰り返しながら、経験という名の情報を蓄積していく。

そして、同様の場面が訪れたとき、最適な選択ができるようになるのではなかろうか。

たかがゲーム、されどゲーム。人生もまたある種のゲーム的要素があるが、勝つ=ゴールは千差万別である。勝ち負けに依存しない、というのも、ひとつの選択肢であるかと思う。

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