プラスチックフィルムが眩しい(サンパウロ日本人街/ブラジル)
ブラジル滞在5日目。
私たちはイグアスからサンパウロへと向かった。
パートナーの同僚であるブラジル人のセルジオが住んでいるので会いに行くのが一番の目的。
あと日本人街があるのでそこで食料調達もしたい。
フォスドイグアスからバスで18時間。
フルフラットのシートを予約したのにまさかのフルフラットじゃなかった。
そんなにリクライニングできないし狭めのシート。居心地の悪い移動だった。
バスの窓には黒いシートが貼られていて外が見えなかったので
朝、サンパウロに着いた時も気づかなくてしばらく車内でボーっとしていた。
ふと周りを見ると誰もいなかった。
もしかして到着したのかと思いパートナーに見にいってもらった。
そして車内にすぐ戻ってきたパートナーは「サンパウロ到着してた!しかもセルジオも居た!」と私を呼びにきた。
セルジオとはサンパウロのバス停で待ち合わせしていたけれどWifiもないしどうやって集合しようと思っていたが私たちのバスを探し出し待っていてくれていたらしい。
バスは1時間ほど遅れての到着だったので申し訳なかった。けどありがたい。
サンパウロは治安が悪い。
スリ、ひったくりはもちろんだが調べていると殺人が多い。
日本の外務省のニュースを確認してみるとほぼ毎日殺人事件が起きている。
被害者は一般人で、殺してから金品を盗るというやり口が多いそうだ。
怖い。金品を渡したら助かるというわけではなさそう。
行くのをやめようかと思ったがパートナーはセルジオに会いに行きたいという。
地元の人と歩き、危険な場所に近づかなければ十分観光を楽しめるとのことで、セルジオを頼りにサンパウロを訪れた。
頼むぞセルジオと思っていたがバスの目の前まで迎えにきてくれている時点ですでに安心感、信頼の心でセルジオと対面。
ニコニコしながらペコリ、とても優しそうな人。
3日間一緒にサンパウロを案内してもらう。楽しくなりそうだ。
不安な気持ちが晴れて滞在に少し胸が躍った。
ふとセルジオのTシャツに目が行く。
漢字が書いてあるな。
脳内でズコーーっと横転。着るの絶対今日じゃない!
笑っちゃうって。
後から聞いたけど無責任の意味は知らないらしい。
多分私たちを意識して今日は日本語Tシャツにしたんだと思う。
お茶目で可愛らしい。
背中には「全て気分ですが何か?」と書いてあった。
セルジオは無責任じゃなかった。むしろその逆を行く最高のおもてなしを施してくれた。
安全に配慮しつつ楽しくサンパウロの街を案内してくれた。
宿に荷物を置いてまずは日本人街、リベルダーデ地区へ。
何だか日本ぽいけど日本じゃない。
異国というよりかはパラレルワールドのように思えた。
日本の本が売ってる店やすき家、ダイソーがある。
看板に日本語が書かれているが、日本では看板にあんまり日本語は書かないので違和感がある。
このちょっとした違和感がパラレルワールド感を作り出しているのだと思う。
そしてお目当ての日本食が売っているスーパーマーケットへ。
ここが本当にテンション上がった。
日本のお菓子が陳列されている。
ぽたぽた焼き、雪の宿、ぱりんこ。
ポッキーとかいろんなのど飴、フエラムネやねるねるねるねも。
日本にいたら別に買わない、というか見向きもしないラインナップだが私たちは旅に出て4ヶ月以上たつ。
陳列棚から目を離せない。お菓子のフィルムが蛍光灯に照らされているだけなのに輝いて見える。
陳列棚を眺める私は幼少期のあの頃のまなざしだったと思う。
お菓子をいくつか手にとり、お味噌やふりかけもゲット。
もちろん日本米も。
そして切り干し大根とひじきも買った。
軽いし持ち運びやすい、南米で売っている野菜と一緒に料理できそうだ。
ディズニーランドにでも来たかのようなテンションの上がり方だった。
日本人街はブラジル人からも人気で日本でいう中華街のようなかんじ。
スーパーは平日でも賑わっていてレジが激混みだった。
けれど今の私に混雑などの関係ない。
レジに並んでいる間、切り干し大根の袋を鼻に押し付けてみた。
スーハー、スーハー。
この匂いが大好き。最高に幸せだ。
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