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中米でカカオ農園見学、刺激的しあわせ(ラ•フォルチュナ/コスタリカ)

2023年11月14日、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。
パートナーと共にだいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。

世界一周旅を始めて150日以上たった。
パナマでカリブ海を楽しみ、コスタリカに移動。

コスタリカは日本の四国と九州を合わせたくらいの面積でそう大きくはない。
小さな国だが大自然に恵まれていて国土の四分の一が国立公園か自然保護区だ。
そして首都のサン•ホセを起点に放射線状に国立公園が点在していて観光がしやすい国。

まずはラ•フォルチュナに滞在。
ここはアレナル火山国立公園がある。
小さな街だが火山の熱で温泉が沸いていて温泉施設やリゾートホテルが数えきれないほどある。

お目当ての国立公園でのツアーを街で予約した際、カカオ農園見学ツアーというのが目に入った。
私はチョコレート好きでかつてローチョコケーキを製作し、宮古島に住んでいた頃バイト先のカフェで販売をしていた。
カカオ農園は初めて。心躍らせながらツアーに参加した。

ちなみに、ローチョコとは:
ローチョコレートのローは“生“という意味。
本来カカオにはカカオポリフェノールや、ビタミン、ミネラルなどの豊富な栄養素があり、いわばスーパーフード。
しかしチョコレートになる過程でカカオを加熱することによりそれらは失われてしまう。
ローチョコは48度以上の熱をかけずに作ることで栄養素を生きたまま摂取しようという魂胆のもと生まれた。
チョコレートは食べすぎると太ったり顔にブツブツができるイメージがあるけれどローチョコレートはそんな心配はない。
健康志向の人が好んで食べるのでお砂糖や乳製品、化学的な添加物も使わない。
なのでヴィーガンの人やアレルギーの人も美味しく食べられる。
植物性のシロップやフルーツで甘さを出しているのでしっかり甘く、だけどカカオ豆本来の味わいが楽しめるのが特徴。
個人的には罪悪感がないので食べ過ぎて苦しくなり、結局体に良くないのでは?となることもしばしば。

販売していたローチョコケーキ


さて、ワクワクしながらカカオ農園へ。
ガイドの方が説明をしながら案内してくれる。

カカオの分布と小さな年表

カカオ豆はブラジルのアマゾンが起源でカカオを食べた動物のフンなどで各地に広がっていったそう。
そしてカカオを加工してカカオパウダーができたのは1828年メキシコでの出来事らしい。
メキシコのイメージはなかったので意外だった。
その約20年後、チョコレートがベルギーとスイスで開発。
ここで初めてカカオにお砂糖を入れ始めたという。ある種の食文化革命だ。
現在はアフリカが1番カカオを栽培してるらしい。

カカオからチョコレートへの歴史は転々とした広がりがあって面白い。
各国多数の先人のおかげで世界中で愛される魅惑のチョコレートが完成したということか。神からのギフトとも言えるカカオを使った素晴らしすぎる開発。
頭が上がらないな。

カカオの実。木を植えてから3年で実がなり始める。
カカオの花。小さくてかわいい。
4色あるカカオの実

カカオは色は違えどどれも同じ木から採れる。
味も同じらしい。
農園には虫たちが花粉を運んでくれるように落ち葉や朽ちたカカオがそのままにされていた。
自然に近い環境で栽培されていて素敵な農園だと思った。

農園を周ったあとはカカオの実を割って中身を食べさせてくれた。
とても甘くてフルーティ。味はマンゴーに似ている。

人力で実を割る。壁にエイヤッ!
パカ。豆がたくさん詰まっている。
豆の周りのどろっとしている白い部分が美味しい。豆は苦くて食べれなかった。

中身を取り出した後の工程もナチュラルだった。
産業的なことはあんまり興味ないから工場ではなく農園内で行われているのが素朴で楽しかった。

カカオの実から中身を取り出し外で7日間発酵。
この土地は年中気温が安定していて発酵機などは必要ないそう。
発酵後、乾燥させるお部屋。
ここで2週間から4週間ほど乾燥。この状態でも食べられる。
皮をむくとこんなかんじ。
すごく香り高くで美味しかった。今が一番栄養価の高い状態でローチョコはここから作る。

このあとは焙煎、粉砕するとよく見るカカオパウダーの状態となる。

木の棒で砕く昔からあるスタイルで粉砕
けど、時間がかかりすぎるということで最後は現代の粉砕機でパウダーに。

もうすぐ試食だ!とわくわくしていたら最後の最後に大量のお砂糖が投下された。
パウダーを溶かし、溶けたチョコレートをスプーンで舐めさせてもらった。
正直これがちょっと残念だった。甘すぎるしせっかくのカカオの風味がお砂糖の味に支配されていた。
お砂糖が悪いってわけじゃないけど今回はもっとカカオが際立つような甘味を使うか、甘くなくてもいいから本来の味を楽しみたかった。

これはカカオ豆からカカオパウダーを作り出した時代に飲まれていたドリンク。
カカオパウダーとコーンパウダー、チリをお湯で溶かしたもの。
現代版という事でここに大量のお砂糖を入れたものを試飲。

美味しいけれど

でもやっぱり砂糖水を飲んでいる感覚があったから帰ったら自分流にアレンジしてみると楽しいかもしれない。
じわじわとお菓子作り欲が湧いてきた。

この農園で一連の流れを見てやっぱりカカオって魅力的と思った。
また一つ大好きなカカオの理解が深められて嬉しい。

他にも気になることが浮かんできた。
カカオバターを抽出するプロセスとかも知りたいし、チョコレートの製造過程も気になる。
ベルギーとかスイスで見れるだろうか。

今日はそんなにたくさんは食べていないけれどカカオは刺激的で胃が疲れた。
カフェインで頭が変な感じに冴えて気持ち悪い。

見学しているといろんなインスピレーションが浮かんできて販売していたローチョコケーキをまた作りたくなった。
日本に帰ったらいろんな試作をしてみたい。
世界中でいろんな農園に行って研究できたら相当楽しい人生になると思う。
かなり意義のある世界旅行になりそうだ。

チョコレートはしあわせの味。
小さな一粒が大きな幸福のひとときを作り出してくれる。
じわりと溶けて広がる甘さと鼻腔をくすぐるカカオの香り。
カフェインで脳が冴え、その美味しさを鮮やかに認知させられる。
刺激的だよね。
美味しいチョコレートを食べるならやっぱりヨーロッパだろうか。
いっぱい食べたい。今日の農園見学はヨーロッパへの前振りかも知れない。


プロフィール:

1996年、サブカルインドア人間として大阪にて誕生。
服飾専門学校卒業後テキスタイルデザイナーを務めるが都会的な暮らしや流行に嫌気がさし退職。
2021年、沖縄県の宮古島に移住。 趣味だったハンドメイドウィービングや料理の仕事に就く傍ら、フリーダビングにはまり毎日海で泳ぐ。
さらなる自然への興味と世界を深く解釈したい欲が矢を放ち、世界を駆ける。
ラジオとゲーム実況が好き。

良ければインスタグラムも覗いてみてください。 https://www.instagram.com/_maryo.san_

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