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コーヒー農園見学、ラピュタの好きなシーン(グアテマラ)

2023年11月、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。
パートナーと共にだいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。

※現在グアテマラの古都アンティグアにて2ヶ月間のスペイン語留学中である。


グアテマラと言えば何を思い浮かべるだろうか。

そう、それです。コーヒーです。
むしろそれ以外に何があるんだろう。
(ここに来る前はそう思っていた)

今日は日曜日。学校はお休み。
せっかくなのでコーヒー農園を覗いておこうと思った。
滞在するアンティグアから歩いて40分、
ホコテナンゴという街のコーヒー農園へ向かった。

コーヒー農園「Finca La Azotea」

農園は広くて敷地内にはレストランが2件、カフェが1件あった。
2時間後のガイドツアーを予約してとりあえずランチ。

農園内のレストラン
ピザを注文

不味いピザは存在しないと思っていたけれど、する。
南米を一周した時に確信したことだ。
ここのピザはまあ美味しかったけれど、やっぱりチーズが微妙だった。
油分が多くて胃もたれするしガムみたいな食感。

南米で出会ったフランスの旅人がみんな口を揃えてチーズが恋しいと言っていた。そして南米で食べる勇気がないとも。
そんなに違うの?って思っていたけれどじわじわと実感している。

現代、割と世界中で世界中のものが食べられる時代だと思う。
それでも当たり前に得意不得意がある。そりゃそうか。

コーヒーには期待できるだろう。(詳しくないので正直あんまり違いわからないけど。)


ガイドツアーはかなり面白かった。
参加者は私たちのみで居心地よく、ガイドの人とゆっくり話すことができた。
収穫から発酵、乾燥、焙煎の過程までを農園を周って説明してもらった。

コーヒーの木

木を植えて2年で実を収穫できるようになるそう。
この写真はまだ子ども。

大人になるまでは7年ぐらいかかるのでそれまでは肥料など栄養素を与えることが大切だそう。
栄養としてコーヒー豆の皮を発酵させたものと馬の糞を土に混ぜてミミズを豊富にさせてるらしい。

ナチュラルな肥料だ。
適材適所。育てやすい環境があると土が痩せるような農薬はいらないということが良くわかる。

中南米を旅していて思ったけれど、日本で育つ野菜の幅ってめちゃくちゃ広い。
農家さんたちの類まれなる経験、試行錯誤の上に成り立っているものだと思うけれど。

中には環境破壊にもなる強烈な農薬を使っている畑もあるだろう。
実際、農薬で畑が痩せ、土に含まれていたビタミンが消えて栄養価が下がった野菜もある。

日本のスーパーでは色や形、よりどりみどりの野菜が蛍光灯に照らされピカピカと清潔に光っている。
料理の幅は広がる、心もお腹も満たされるだろう。
けれどこれって本当に豊かなのだろうか。

昔友達が言っていた。
畑でトマトを食べた時、みずみずしくてそれでいて少し青臭くて、これが本来のトマトだと思ったと。
甘いフルーツのようなトマトが評価されているが、本来はどうだろうか。
野菜のおいしさについて今一度見直したいとも思う。
技術や科学の発展でおいしくなる野菜たち。素晴らしいとは思うけれど。

天空の城ラピュタのあるシーン、好きなセリフがある。
主人公パズーとともに冒険する少女シータの言葉だ。

「今は、ラピュタがなぜ滅びたのか、わたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの。

”土に根をおろし、風とともに生きよう。種とともに冬を越え、鳥とともに春を歌おう”。

どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」

その通りだ。
このセリフはファンタジーのお話だけに言えることではない。
この地球だって完璧な環境循環があって成り立っている。
いくら素晴らしい科学技術が発展しても循環を食い止めるようなことをしていれば豊かさとはかけ離れた事態になるだろう。

まあ、ちょっと大袈裟なことを書いちゃったけれど。

今思うのはグアテマラは土を守りつつ美味しいコーヒーを生産し続けているということ、
そして南米で美味しいチーズは諦めようということ。

適材適所。
無理に土壌を変えてまでおいしさを追求するのは難しいんだろうな。
(上手くやってる人たちもいっぱいいる。)


こんな話は長くなるし鬱陶しいので
ガイドツアーの話に戻そう。
コーヒー農園ではコーヒーの木を見たり豆を割って中身を見せてもらった。

赤茶の皮に包まれたコーヒー豆
皮を剥くと2つの豆が入っている。ちょっとぬるっとしている。

中に入っている2つ豆の組み合わせは2種類ありオスとメス。
もしくはメスとメスらしい。

オスが甘くてまろやか、カフェインが少ない。
メスは酸味があって強く、カフェインも多いらしい。
ここの農園では全てブレンドしてしまうそうだ。

メスとメスの組み合わせがあるってことはメスの数がかなり多いけど、
これでコーヒーの木の繁栄は最適化されいると思うと不思議だ。

収穫したら赤い皮を剥いて50度のお湯で3、4日発酵させる。
糖を分解させるらしい。
発酵が足りていないと甘いコーヒーに、
やりすぎると酸味のあるコーヒーになるからバランスが大事だと言っていた。

赤い皮を剥く機械
ここに豆とお湯を投入、発酵させる


その後広場に広げて乾燥させる。
収穫は11月から3月の乾季。
雨がほとんど降らない時期だからこそできることだ。

収穫の時期はこの広場に豆の丘ができる


最後、コーヒーの歴史や製造工程のパネルがある展示場に訪れた。

世界のミル
世界のコーヒースプーン。キラキラで乙女心がくすぐられる。
コーヒーのカフェイン含有量のパネル

このパネルで面白かったのはコーラのカフェインがコーヒーの二分の一ということだ。
デカフェを作るのに抽出したカフェインをコカコーラ社などに売ってるのが理由らしい。
ビジネスが回っている。

ツアーの最後、コーヒーを試飲した。ミディアムな味わいだよと言われた。
苦味はあるけどスッキリしていて酸味が少ないので好みではあった。
素人なのでもっとわかりやすく香り高いのがよかったかもしれない。
多分美味しい、と思う。

いや、飲み比べたらもっと味の面白さに気付けるかも。
詳しくないのでコーヒーの味を表す語彙がない。
しかも私はカフェイン耐性が弱く、カップ一杯飲むとドキドキしすぎて吐きそうになる。
半分ほど飲んでカップはパートナーに渡した。
味見だけで満足だ。

コスタリカのカカオ農園でも思ったけれど農園ツアーって面白い。
ここで知れることなんてものづくり表層の部分でしかないんだろうけど、
世界の農園を周ってみたら広く浅い知識が付くだろう。


身近だと思っていたものがどんなふうに生えているかすら知らなかったりする。

知らない人はぜひ、パイナップル農園の画像を検索してみてください。
お前そこに生えるんか!ってなるので。
カシューナッツ、アスパラもおすすめです。



プロフィール:

1996年、サブカルインドア人間として大阪にて誕生。
服飾専門学校卒業後テキスタイルデザイナーを務めるが都会的な暮らしや流行に嫌気がさし退職。
2021年、沖縄県の宮古島に移住。
趣味だったハンドメイドウィービングや料理の仕事に就く傍ら、フリーダビングにはまり毎日海で泳ぐ。
さらなる自然への興味と世界を深く解釈したい欲が矢を放ち、世界を駆ける。
ラジオとゲーム実況が好き。

良ければインスタグラムも覗いてみてください。
https://www.instagram.com/_maryo.san_

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