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伝統とは「愛の連鎖」(プーノ/ペルー)

2023年11月14日、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。だいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。

マチュピチュからクスコを経由して、プーノへと向かった。

リマからスタートしたペルーの旅もここが最後の街。
プーノはひんやりとした空気が街を包んでいて、ペルー旅の中でいちばん寒いとおもった。

夜、外気温は5度くらいだった。
シャワーはお湯が出ず凍えた。
お湯を沸かし、やかんをバスルームに持って行って足を温めた。

ベッドに入り、湯たんぽの上でじっとする。
とにかく寒いのが苦手。寒いと上手く寝れず寝不足になるのと、生理痛が酷くなるので湯たんぽはほんとうに持ってきて良かったとおもう。
旅に出る前にAmazonで買った。

シリコンなので小さく丸めれるしお便利。
どれも絶妙に微妙な絵柄ではあるけど選択肢がいろいろある。
(ちなみにわたしはゾウさん)

冷え性の人はわかるとおもうけれど、夏も冬も基本的に足先の感覚がない。
全身熱っていても末端だけは体内に保冷剤があるかのように芯が冷えていることが多い。
足の指に溶けかけたチョコを挟むと固まるとおもう。多分。



さて、プーノでのいちばんの目的はチチカカ湖の離島。

フェリーでロスウロス島へ。
小さいお家が4件ほどある浮島がいくつも点在している。これをまとめてロスウロス島と呼ぶらしい。

湖にはトトラという植物がわさわさと生えており、島自体がトトラで作られている。

トトラ
島も家もオブジェもトトラ


島の人たちが小さいレプリカで島や家の作り方を説明してくれたり、伝統の刺繍や織物を見せてくれた。
とても可愛らしい。
島のほとんどがトトラで作られている。
知恵と工夫を凝らして限られた資源の中で生活を成り立たせている。

レプリカもトトラで作られている。
刺繍。遠目でみるとジャガードのような密度。


よく見ると家にはソーラーパネルがあって案外近代化されている部分もある。
トイレも水洗で(多分湖に垂れ流しだろうが)綺麗に掃除されていた。

この小さな浮島に電気がやってきたとき、革命だったろうな。
わたしは生まれた瞬間から清潔で丈夫な家もトイレも暖かいお風呂もあった。
スマホは学生の時に普及したけど、
テレビがあったし、ゲームとかもしていたな。
これからどれだけ日本が栄えたとしてもこの上なく恵まれていると思える環境で育ったわたし。
もちろんロスウロス島に住む人たちが恵まれていないという意味ではないけど、どんなふうな生活をしているんだろう?と疑問に思った。


聞いてみると、食料は釣った魚や鳥。日持ちするように乾燥させたものもあった。
刺繍や織物などを作って生活しているらしい。
週に2,3日、観光ツアーがやってくるのが楽しみだと言っていた。
自分たちの暮らしを紹介して喜んでもらえるのが嬉しいらしい。
トトラで作っていたレプリカなんかもとても愛おしく思える。

わたしはわたしの豊かさを、
ロスウロス島に住む人たちもまたわたしたちとは違った豊かさを持っている。
日本でテクノロジーや整ったインフラに囲まれて暮らした私とは違い、守られた伝統がここにある。
変わらない土地、消えない現地の言葉、続く生活。

歌を歌ってくれた。美しい歌。
母から愛する子へと伝統が引き継がれていて、愛の連鎖とも思える。

わたしは自分のおばあちゃんが歌う歌を知らない。
家族に会いたいと思った。
世代を超えた愛着が赤の他人の私にまで暖かさをもたらすひとときだった。

暖かい歌


明日、ボリビアに移動する。どうもはじめまして。

世界一周旅行を踏み出した最初の国、ペルーにはさようなら。

正直、以前のわたしはペルーのイメージはほぼゼロに等しかった。
ナスカ、マチュピチュ、あーはいはい、知ってるよ〜。程度で。
今ではわかる。
広大な自然の内側に歴史が佇んでいること、磊落で朗らかな人々、気を衒わない美味しいご飯。
(いずれ全力の食レポを施したい)

第一歩目の国、もちろん旅の醍醐味であるカルチャーショックもたくさんあった。
しかし旅に必要なのは、異なる文化へのリスペクト。
それこそが旅を楽しむ核となる部分であるとおもう。

踏み出したペルーという自然と歴史のバランスが素晴らしい舞台。
旅の幕は上がりきった。照明が私の旅路を照らしていて眩しい。
未来も明るく光っているように見えるので、
とにかくジャーニーを続けよう。

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