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にんじん、食べる

食卓に人参が出ました。

正直一瞬、うわ…って思いました。

人参があまり得意ではないのです。

うわ…って思ったのと同時に、いかんこれじゃだめだったんだわたしはあの日誓いを立てたから人参も同様に食べなきゃいけない、とキャベツ農家さんのことを思いました。

そう、人参を食べなきゃと思って、とあるキャベツ農家さんのことを思い出したのです。

ついでに言うと、わたしはキャベツも不得意です。

とあるキャベツ農家さんというのは、今年の冬頃にテレビでたまたま観た、キャベツのみを品種違いでいくつも作っていらっしゃったキャベツ農家のおじいちゃんのことです。

笑顔がとっても素敵で、めちゃくちゃキャベツのことを愛していらして、キャベツのことになると話が止まらなくて、品種の違いを丁寧に教えてくれて、朗らかで、元気で、可愛くて、「お父さん、お母さんのことすごい好きやん!」とちょっかいをかけたくなるくらい奥さまのことを大事にされている、素敵なおじいちゃんでした。

手がとても綺麗で、普段からよく使われている素敵な手だなーなんておじいちゃんの手のアップを見ながら、ほっこりさせてもらったりして、家族とその番組を楽しく観ていました。

そんなおじいちゃんですが、このご時世でどうですか?と訊かれたときだけ、悲しそうな顔で大事なキャベツたちの値段がグッと下がって困っていると、わかりやすくしょんぼりされていて、それを見ていて、考えさせられるものもあり、わたしは思わず「ごめんねええ次からは付け合わせのキャベツ(とんかつの横の生キャベツ一番苦手)もちゃんと食べるねえええ」とテレビに向かって言っていました。

誓いとはこれのことです。

言っちゃったんですよね、食べるって。

おじいちゃんのしょんぼり顔に思わず言っちゃったんですよ。
しかも、家族に言質を取られている。
もうキャベツを食べる道しか残されていません。

以降、キャベツを見るたびに、あのおじいちゃんを思い出します。
そして、食べています。
今のところ、残さずにキャベツを食べています。


そう、それで話は本題の人参なんですけど、うわ…って思ったときに、人参もキャベツと一緒だって思ったんです。

きっと、わたしが知らないだけで、どこかでしょんぼりしている人参農家さんもいるんだって。

そう思ったら食べるしかないですよね。

はなから残す気はなかったのですが、自分の意志を持って「この人参を食べよう」とそう心に決めて、いただきますと食事を始めました。

もう一口目から人参を取りました。

鮮やかなオレンジ色です。

とっても綺麗なオレンジ色を口の中に放り込みました。



それは、パプリカでした。

若干眠かったせいか、頭があまり働いていなかったせいか、目がシパシパしていたせいか、鮮やかなオレンジ色だけで人参と判断してしまっていたそれは、パプリカでした。

よく炒まった、しなしなの、パプリカでした。


パプリカは大好きだよ。

あの意を決したわたしの気持ちはどこへ。

大好きなパプリカでも、苦手なキャベツでも人参でも、残さずに食べるようにこれからも立ち向かいたいと思います。

久しぶりに脳裏にキャベツ農家のおじいちゃんを思い出せてほっこりしたのでよかったです。


なんの話だ、これは。



あるさんの企画『あほあほ祭り』に参加しようと思い、書きました。

このnoteを読んで、「あほになれるって一種の才能だぞ!?わたしに出来なさそうだなあ」とかぼんやり思っていたら1時間も経たないうちに、パプリカと人参を間違えました。
そのことに一番「うわ…」でした。

これに参加していいってことだなって思ったので、勢いのまま失礼します!

あるさんの求めていた「あほ」はこれでよかったのかな?笑


いつも優しく接してくださるあるさんへ、ありがとうも込めて。

まるすけ

ぽかぽかします。