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illusions


2人で時間すら忘れ
蕩け落ちた日々

 
甘い蜜をとても美味しそうに
時に険しく瞳孔の開ききった眼で
涎を垂れ流し幼子の様に
両の手で掻き集め貪る姿がとっても
滑稽ではあったけれど


この特等席は私にのみ
与えられた
貴重で神聖な場所で
少し、、、いいえ
自惚れる程の優越感に
浸っていた



言い訳が許されるのならば
みんなが欲しがった人
倍率が高かったから
答えはそんな安価な物です



振り返る日々を今ならば
哀れにも思うのだけれど



でも その全てが間違いだと
気付かなかった訳ではなく
貴方の隣を独占したい
私の軽薄で歪みきった欲望が
モラルをも忘れさせ
理性を噛み砕いた



哀しいけれど
貴方が冷たく時に甘ったるく
私に囁き続けた言葉の中に
「真実」などは
1つも存在しなかった



ただ 貴方が笑う
声や肌や匂い、五感で感じる
その全てが
私には愛しすぎたから
何もわからないフリをして
嘘で自我を殺めた



本当の愛とは
平等でほろ苦く
たわいもないものなんだと
知っていたくせに










【ANSWER】



初めからなかったモノ
存在していなかったモノ
キミが私に擦り込みつづけた
数え切れない
無慈悲な優しさ


とても とても
冷たくて
体温を
感じなくて


時間が流れて
色んなモノが色褪せて
風化して
形を変えても


なかったモノの片付け方
その答えだけは
わからない




 

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