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マノミコト

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こころのおくのほう。毎日更新。     マルハダカ。
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#夢

2021/10/19 「ロッソ・ノービレ」

私は何故、二年半続けていたアルバイトを突然辞めたのか。私はどうして、あの人のことを好きになったのか。それにはその時の、何かしらの理由がある。 しかし、一二年と年月を経て、その時にはなかったまた別の理由が、記憶の底から浮かび上がって来ることもあるようだ。それは何とも不思議な体験で、時を重ねてきたからこそ見られるある種の宝みたいな、パッとは手に入らない格別な貴重さを備えている。また何年後、下手すれば何十年後に。それでも出会えないかもしれないこの味を十分に堪能しておこう。 出会

2021/6/21 「なんでもない日」

なんでもない日、なんにもない日、毎日がどれも大切でどれも特別で素敵な日です。なんて言えません。 何にもない日は、ゆったりとしていて楽だなと思えたり、好きな動画を何時間もぶっ通しで観られたりと癒されることもたくさんありますが、その反面。何で生きてるんだろうなとか、これからあと60年もこうやって生きていくのかとか考えてしまう日でもあるのです。 どっちに転ぶのかはその日になってみないと分からないけど。こういう時は素敵な日だとは思えません。疲れてしまうし、しんどいから。 金閣寺

2021/6/8 「創作」

クララとお日さま。村上春樹。主人公と男の子が一緒につくる場面が好き。女の子は絵を描いて、リックがそこに言葉を添えるの。後者は絵を見て書くけれど、それがすごく難しそう。よく書ける時もあれば、そうでない時もあって、たまに困っている。 でも、ジョジーは、待っていて。言葉が書き足されていくことを心待ちにしている。何なら、言葉を添えてもらうために、絵を描いているんじゃないかと感じるくらいに、待っている。 2人での創作も光景も、こちらが見ると、お花畑に包まれる空間を見ているみたいに愛

2021/5/31 「叶えたい夢」

もし、自分が本当に夢を叶えたら。自分のやりたいことをやれるようになったら。誰か涙を流してくれるような人は目の前にいるのだろうか。ふとそんなことを考えてしまったわけである。そんな暇はないというのに。調子に乗ってしまっているのかもしれない。 これだけやってきて、やっと夢が叶うという時に、自分以外の人が一人も喜んでくれないかもしれないという光景を想像すると悲しくなった。想像できてしまったことが何より私を苦しめた。 もし本当に、つくることができて名前が載ることになって、本当にそれ

2021/5/23 「脳みそ出血」

これは昨日、文章を書き終えて、さぁ眠りに着こうとしていた矢先に起きた出来事である。些か珍しく、この先グロティスクな文体になってしまうことをここらへんでご了承いただき、先に進んでいただけるとありがたい。なお、そのグロティスクな文体にも、暖かさや、澄んでいる世界を。と思いつつ描いていこうとは思っているので、もしよければ、ここで終わらずに進んでもらえると幸いである。 早朝4時になっていたかもしれない時間帯だった。詳しくは覚えていないのだが、確かそのくらい、一瞬でも眠りにつけたのか

2021/5/17 「論理」

綺麗ごとばっかりいうよね。理想だけは高いよね。言われ続けた長い月日です。なんだかんだずっと夢を持ち続けて生きてきましたが、その時々でかけてもらった言葉たちに、今はもう、どれだけ本気で言ってくれてたのかなと疑いを持ってしまうような人間になりました。 自分でも、綺麗ごとだよなと疑い始め、前置きをするようになりました。それでも「そんなことないよ」って嘘つかれて、綺麗に打ち返されるよりはよっぽど信頼できたけど。綺麗ごとっていう人も、前置きをする自分のことも。 綺麗ごとだったのか、

2021/3/26 「初めて見る景色」

2021年3月25日、木曜日、昨日のこと。約1年越しに念願叶って、初めて、ロケ地というものに行って参りました。それも自分たちの運転で。久しぶりに感じるあたたかさでした。 この目の先には、どんなものが見えているんだろう。どんなものが映っていて、何を感じているんだろう。テレビや雑誌、配信アプリやDVD。様々な媒体を通してずっと見てきた中で、いつも思っていたこと。ずっと悩んで、ずっと涙してきたことでした。いくら考えてもわからなくて、重なることができなくて、いつまでたっても見られな

2021/3/20 「真美」

真美。これは私の名前です。 私の父と母の名前から一文字ずつ、もらったものです。「真実に美しく。」こう私は読むことにしています。 中学生の頃、自分のことが大嫌いでした。他の人になりたくてなりたくて、たまらなかった。だからこの名前すら嫌いで、他の人の名前に憧れていました。なんでこんな名前なんだろう。みんなみたいにもっとかわいい名前が欲しかった。そんなふうに思っていました。 高校生の頃、やっぱり自分のことが嫌いでした。でもこのころは、自分のことや周りの人のことを「嫌い」という

10/2 「愛のある場所」

なーんでこんなに幸せになれるんだろう。 心がねすっごくあったまるの。不思議なんだよなあ。 何なんだろうね。これね。 映像なのにさ、表象なのに、そのものでも、その人自体でもないのに 気が付いたら5人のつくる、世界に全身で触れてて。 ファンだけなのかな、これ感じてるの。 特別なんだよなぁ。 「ありがとう」を言わなきゃいけない回数は決まってるんだって。 そのうちの一回を僕に使ってくれたって。 良い言葉だなぁって思ったから、 皆さんにおすそ分けです。 愛で誰かのために何

2020/9/29 「母校」

母校を約6年ぶりくらいに訪れた。 不思議なもので、中学校時代を振り返るとずっと前のこと、ずいぶんと時間が経ってしまったと感じるのに、校舎に足を踏み入れてみるとつい最近のことのように中学生の感覚を覚えていた。 毎日のように使っていたテニス部の部室はなんら変わりがなかった。 段差に座って通学靴からシューズに履き替えていたことも、感覚として記憶していた。 でも、その頃、靴を履き替えていた当事者ではないからなのか、どうも感覚はあるのにしっくりこなかった。 上からなのか、なな