028 社会人に伝えたいお金の教養(多様な手助け健康保険)
皆さんこんにちはコバチバです。
前回は社会人に伝えたいお金の教養ということで、家計簿についての記事を掲載させて頂きました。今回は健康保険について記事を書きたいと思います。
私が教員ということもあり、公立学校共済組合をもとに記事を作成しています。
健康保険はライフプランや民間医療保険と深く係るもので、超少子高齢化の影響で制度の変更が随時行われる見込みなので、知っておくことはとても大切です。
健康保険とは
国民みんなでお金を出し合い、本来なら高額な医療費を低負担で医療を受けられる制度ですが、大きく2つの運営主体に分かれます。
健康保険組合
企業や同業種の企業同士が設立したそれぞれの健康保険の運営団体を健康保険組合といいます。規模の大きさや業界の給与水準などが異なることもあり、医療保険の受けられるサービスや内容に多少の違いが見られます。
全国健康保険協会
個人事業主や小企業などで、健康保険組合に加入できない人が対象となるのが全国健康保険協会です。
その他にも、公務員の「共済組合」や船乗り向けの「船員保険」75歳以上の高齢者が加入する「後期高齢者医療制度」があります。
海外では
イギリス、ドイツではかかりつけ医制度での医療費原則無料となっていますが、他の先進国と見劣りしない優れた医療保険制度となっています。
アメリカは国民皆保険ではなく、65歳以上の高齢者や障害者などを対象とする「メディケア」と、低所得者を対象とする「メディケイド」のみで、現役世代は民間医療保険に加入せざるを得ないため、高額な医療保険料を支払えない人は制度を利用できず、医療格差が広がっています。これに対応しようとしたオバマケアはまだ不十分であるといわれています。
日本も医療保険料を支払わないと、サービスを利用できないので注意が必要ではあります。
教員の健康保険
ここでは、私自身が加入する公立学校共済組合について記載していきたいと思います。
是非所属先の健康保険の運営元を調べる際に参考にしてください。
提供しているサービスはたくさんあり、
①短期給付事業(病気、負傷、出産、死亡、災害等に対して給付)
②長期給付事業(退職や障害の状態になった場合、死亡した場合に年金や手当金等の給付)
③保険事業(心と体の健康づくりのための事業として、人間ドックやメンタルヘルス相談)
④貸付け事業(家の購入、教育費、冠婚葬祭等、臨時に資金を必要とする場合の貸付け)
⑤宿泊事業(全国で宿泊施設「公立共済やすらぎの宿」を経営)
⑥医療事業(直営病院の運営や職域病院としてストレスチェック・メンタルヘルス相談や健康管理事業)
が挙げられます。
今回は①短期給付事業の保健給付となる10の制度を深ぼりしていきます。
①療養の給付・家族療養費
一般的に言われている自己負担3割で、自分や配偶者、扶養の子どもなどが治療が受けられる制度です。
就学時前の児童や15歳以下の子どもへの医療費の公的補助が充実している自治体は、さらに補助してくれる場合が多いです。最近のニュースだと2023年から東京都の高校生を含めた子供の医療費の無償化が話題になりました。
②高額療養費
他の健康保険組合や全国健康保険協会にある高額療養費制度と同種類の制度になります。高額な医療費がかかった場合に支援してくれる制度になります。民間の医療保険に加入する前にこちらの制度を理解したうえで契約をすることをお勧めします。
通常の高額療養費制度を、月に100万円の治療費がかかった場合で試算すると
治療費100万円が8万7430円となり、大部分を支援してもらいます。
これは大助かりですね!
さらにあらかじめ年内に高額な治療費がかかることが見込まれる場合に健康保険高額療養費支給申請書を提出しておくと、高額な治療費を立替払いすることなく制度を利用することができます。
公立学校共済組合HPをみると、限度額を超えた場合一部負担金払戻金・家族療養費附加金が支給されます。
公立学校共済組合の高額療養費制度は下の図のようになります。
③入院時食事療養費
公立学校共済組合HPから抜粋すると
組合員またはその被扶養者が入院時に食事療養の提供を受けたときには、一定の負担額(注記)を支払えば、残りの分は、組合員については「入院時食事療養費」として、被扶養者については「家族療養費」として、共済組合より医療機関へ支払われます。
注記:食事療養標準負担額。原則として1食につき360円(平成30年4月から原則として1食につき460円。)。
ということで入院した際の食事代も補助する制度があります。食事は実費の支払いになるようなので、ありがたいですね。
④入院時生活療養費
公立学校共済組合HPから抜粋すると
65歳以上の組合員またはその被扶養者が、療養病床(主に慢性期の療養のための病床)に入院し、生活療養(食事療養や、適切な療養環境をつくるための療養)の提供を受けたときには、一定の負担額を支払えば、残りの分は、組合員については「入院時生活療養費」として、被扶養者については「家族療養費」として、共済組合より医療機関へ支払われます。
65歳以上ということで、年齢に注意しなければいけませんが、公立学校共済組合に加入して65歳以上で入院して生活療養の提供を受けた場合は、補助の制度があります。老後の入院の備えになりますね。
⑤保険外併用療養費
公立学校共済組合HPから抜粋すると
組合員証が使える保険診療と全額自費となる保険外診療は併用して受けることはできませんが、次の療養(評価療養・患者申出療養・選定療養)については、例外的に併用が認められています。
この場合、保険診療と同様の基礎部分(診察、検査など)については、療養等に要した費用の7割に相当する額を共済組合から医療機関へ支払いますので、3割に相当する自己負担額を医療機関の窓口で支払うこととなります。
なお、基礎部分との差額(保険外の部分)については、全額組合員の負担となります。
評価療養
高度先進医療、先進医療、医薬品の治験に係る診療、医療機器の治験に係る診療、医薬品の適応外使用など
患者申出療養
別に厚生労働大臣が定めるもの(当該療養を適切に実施できるものとして厚生労働大臣に個別に認められた病院又は診療所において行われるものに限る。)
選定療養
特別の療養環境の提供(個室等)、予約診療、時間外診療、前歯部の材料差額など
公立学校共済組合では、民間保険の提案でよく出てくる先進医療など、むしろそれ以上の治療に対して、7割の補助を行っています。通常の健康保険の補助にならない治療でも所属する健康保険組合によっては補助の対象になる場合があります。だいぶ公立学校共済組合は恵まれている部類のような気がしますが
⑥訪問看護療養費/家族訪問看護療養費・家族訪問看護療養費附加金
公立学校共済組合HPから抜粋すると
居宅において寝たきり等継続して療養を受ける状態にある組合員またはその被扶養者(主治医が必要と認めた)が、訪問看護事業者の訪問看護サービスを受けた場合に給付されます。
若人の組合員および被扶養者の場合は療養費の3割、高齢受給者の場合は原則2割を負担することになります。
なんと病院での治療だけではなく、訪問看護サービスも補助の対象になっています。自分の被扶養者も対象になるので、両親、祖父母、配偶者、子、孫も恩恵を受けることができます。ありがたいですね~
⑦移送費・家族移送費
公立学校共済組合HPから抜粋すると
組合員またはその被扶養者が、緊急やむを得ない場合等に診察・薬剤又は治療材料の支給等を受けるため、病院または診療所に移送された場合に給付されます。給付額は、最も経済的な通常の経路及び方法により算定した額になります。
こういった普段の生活では想像しにくい費用にも対応してくれてます。
⑧高額介護合算療養費
高額の医療費と介護費用を負担している世帯の負担を軽減するため、医療保険の自己負担と介護保険の利用者負担の年間合計額が一定の限度額を超えたとき、組合員からの請求により、その超えた額が高額介護合算療養費として払い戻されます。
毎年8月から翌年7月までの1年間の自己負担限度額を基準に算定されます。
医療費と介護費の負担を合わせてみて、高額の場合補助してくれる制度です。一定額の金額はHPを調べても分からなかったので、組合に直接尋ねたほうがいいかもですね。
⑨出産費・家族出産費/出産費附加金・家族出産費附加金
公立学校共済組合HPより抜粋
組合員またはその被扶養者が出産(注記)したときは、出産に伴う経済的負担を補うために出産費(被扶養者の方の場合は家族出産費)と出産費附加金(被扶養者の方の場合は家族出産費附加金)が給付されます。
また、1年以上組合員であった方が退職後6カ月以内に出産したときにも出産費は給付されます(出産費附加金、家族出産費および家族出産費附加金は給付されません。)。ただし、退職後、他の医療保険者から同様の給付を受ける場合は、給付されません。
ケガの治療だけでなく、出産祝いとしてのお金も健康保険組合や全国健康保険協会が支給してくれます。最近のニュースで増額することがほぼ決まったようなので、こちらも今後の動向を確認したいところですね。
⑩埋葬料・家族埋葬料/埋葬料附加金・家族埋葬料附加金
公立学校共済組合HPより抜粋
組合員が公務によらないで死亡したときは、埋葬に要する費用の一部を補填するために、その死亡時の被扶養者のうち埋葬を行うべき方に、埋葬料が給付されます(死亡時に被扶養者がいない場合には、本人との関係を問わず実際に埋葬を行った方に給付されます。
(扶養家族に対しても同様の制度があります)
埋葬料:50,000円
埋葬料附加金:25,000円
生まれて死ぬまで補助があると言わんばかりの制度ですね。ここまで補助があるのは自分自身最初読んだときは驚きました。
最後に
公立学校共済組合の短期給付事業の保健給付について記載させていただきました。(10の制度)
所属する健康保険協会や組合によって、内容が異なると思うので保険の契約、マイホームや車の購入、同居家族の見直しなど、ライフプランの転換期には一度調べて読み返すことをお勧めします。
特に保険では、様々な民間保険会社の営業マンが提案をしてくると思いますが、今すでに加入している保険である、健康保険についてまず理解をしてから検討をしてください。
小話ですが教員の業界では、「公益財団法人日本教育公務員弘済会」という団体があり、
ということで活動の1つに、教員専用の保険「教弘保険」があり、かつて日本教育公務員弘済会と提携していた協栄生命が販売していましたが、バブル期に高利回りの長期運用商品を販売してしまった痛手で倒産してしまいました。
その後アメリカ企業のプルデンシャル・ファイナンシャル傘下のジブラルタ生命が引き継いで日本教育公務員弘済会と提携して教弘保険の販売やジブラルタ生命の自社保険商品を営業販売しています。
学校にジブラルタ生命の営業マンが多いのはこのためです。
実際に自分自身もジブラルタ生命の営業マンの営業を何度か受けたことがありますが、厚生年金、ライフプラン、外貨建て保険など様々に教えてもらいました。(特に契約はしませんでしたが)
ちなみに教弘保険に加入すると弘済会(日教弘ライフサポートクラブ)の福利厚生・特典を受けられるそうです。
最初に記載しましたが、健康保険も超少子高齢化のため運用が年々厳しくなっているところが多く、制度が緩やかな改悪が見込まれますので、(緩やかであって欲しい)動向に注意してライフプランを考えてみて下さい。
とりあえずは、高額療養費制度の実費分の支払いに対応できるよう貯金することをオススメ致します。
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最後まで読んでくださってありがとうございました。
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