「もうひとつの夢幻鉄道」〜私はあなたで、あなたは私〜 ⑥

このnoteは、キングコング西野亮廣さん作「夢幻鉄道」の二次創作です。 *物語を書くのは初めてなので、拙い部分もございますが、私の頭に流れるフィクションの世界をお楽しみ頂けると幸いです。 

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「(。。。)」

「(ん?ん!?んん??)」

ふと目を開けると、そこはいつもの布団の上だった。

「(ん?夢?)」

さっきのは夢だったのだろうか?

ただのいつも見る"普通"の夢だったのだろうか?

それとはちょっと違うような気がした。。。

時計を見上げると、深夜2時だった。

「寝始めたのが確か11時だったから、あれから3時間か。。。)」


なんだか忘れたくなくて、私はいつものように印象的な夢はノートにメモをする事にした。

いつからか始まったこの癖は、夢日記と名付けていた。

私は昔から夢をよく見る子で、しかもその夢の印象が強く、友達に話していても、みんなの見る夢とはちょっと違った。

だからこそ、自分の中で、自分の見る夢の世界観を大切にするためにも、見た夢と対話するようにペンを握り、見たままを書き記すようになっていた。


「(一旦起きて忘れないうちに書いておこう。。。)」

布団から起き上がろうとした瞬間、何かがふわりと私の右手に触れた。

「(ん?何だろう?なんだか、ふわふわしてる。。。フワフワ?)」

手探りで触れてみる。

「(ま、ま、まさか!?)」

右手にそのままそれを握り、急いで電気を付けてみた。

カチャン。ピカッ。

「あ〜〜〜!!やっぱり〜!やっぱり、夢じゃなかった〜!!」

深夜にも関わらず、思わず声が出た。


母が少し起きてきた。

「コンコンコン。」扉を叩く音がした。

「何?こんな時間にどうしたの?」 

「あっ、ごめん。宿題やってないの、急に思い出して。」

「あら、そう。あんまり遅くならないように早く済ませて寝なさいね。」

「うん。ありがとう。おやすみ。」

「おやすみ。」

母が扉を閉めた。


私はなんだかとても嬉しかった。

興奮していた。

私の右手には、黄金の羽があった。

そう、チャッピーの羽だ。

さっき、チャッピーの背中に乗った時、抜け落ちた羽が一緒についてきたのだ。

それが確かな証拠だった。

「(私は確かに黄金の世界にいた!お姉さんと一緒に会話していたんだ!)」

そう思うととても嬉しくて、新しいノートを用意した。

記憶を隅々まで辿るように、初めから最後までを事細かに記した。


あの道で、また光に出合い電車に乗った事。

着いた世界は黄金の世界だった事。

なんだか言葉無く、会話が出来た事。

インスピレーションでの会話は人生で初めてだったから、思わず興奮し過ぎて、ペンが暴走して、ミミズがはったような字になってしまい、後から見直しても分かるように、一旦書き直した。

「(冷静に。)」自分で自分を落ち着けた。

一切の会話を飛ばす事もなく。

私の記憶は鮮明だった。

まるでまだ、あの世界に記憶だけは居るように。

そして、チャッピーの大きさも書いた。

お姉さんの雰囲気もイラスト入りで。

下手なイラストは充分承知の上で、腕を奮った。

「(こんなのは誰にも見せられない。。。)」

とても上手とは言い切れなかった。

ちなみに私の美術の通知表はいつも「3」だった。

可も無く、不可も無く。

だけど、絵の才能が無い事だけは、子供ながらにも気付いていた。

そんな私がわざわざイラストまで入れたのだから、この夢日記は尋常じゃないくらい、チカラが入っていた。

「(誰にも見せないから良いんだ。見られる事なんか意識せず、ありのままを書こう。あの世界でのありのままを。)」

私はそれを大切に綴った。

だけど、このイラストが後になって、深い意味を持って来る事を、この時の私は知らずにいた。。。


そして、そんな事はつゆ知らず、言われた一言一言が、書いていく毎に胸にしっかりと刻まれていく事が分かった。

「(なんだか気持ち良い。。。⭐︎)」

私は時間を忘れて、夢中で書いた。

ワクワクした。とても⭐︎

***

⑦へ続く。





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