「もうひとつの夢幻鉄道」〜私はあなたで、あなたは私〜 ⑨

このnoteは、キングコング西野亮廣さん作「夢幻鉄道」の二次創作です。 *物語を書くのは初めてなので、拙い部分もございますが、私の頭に流れるフィクションの世界をお楽しみ頂けると幸いです。

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「水、コレで良いですか?」

8cmのお姉さんには、どのカップで渡して良いものか、迷った挙句、ペットボトルの蓋にした。

ストローの代わりになるものは無かったので、そのままで渡した。

「ちょうど良いじゃない。よく考えたわね。良い事よ。」

「そうですか、良かったです。」

「うん、ありがとう。こういう事ってすごく大切なのよ。人間の知恵ね。みんな何か無いと、すぐに新しい物を用意したがるでしょ。有る物を使えば良いのよ。活かすの。そうする事によって、物がまた生きるし、無駄が無くなるわ。好きよ、こういうアイデア。一旦終わりを迎えた物達に、息吹を吹き込むのね。素敵よ。」

「嗚呼、良かったです。何が良いかなぁ〜って、お姉さんのサイズを想像してたら、ソレが浮かんで。」

「そう、そこなのよ、大切なのが。相手を想像しながら、思い浮かぶ。それがアイデアね!想像する事をやめてはいけない。コレから先も大切にしてちょうだい。」

「はい。。。良かった。初めてそんな事、褒められた気がします。」

「想像力がある人は良いわ。想像を創造出来るから。この世の中にあるものは全て、そこから始まったのよ。人間が考えた、"こんなのあったら良いな"。から。」

「はぁ。」

「些細な想像も大切にするの。人になんて言われようと自分を信じるの。人に無理と言われる事を、諦める必要は無い。好きと信じられる物事を信じて。」

「は、はい。"好き"を信じる??」

「そうよ!"好き"を信じるの。自分が良いと思った物事、好きと思う感性。誰にも否定される権利なんか無いわ。"好き"をひたすらに信じ、育むのよ。その先に明るい未来はあるから!」

「ありがとうございます。なんだか素敵ですね!」

「そうよ!人生は素敵なのよ。だから、自分の人生を輝かせるために"好き"を探し続けて。そこに大事なコトが全て詰まっているから。とにかく見つけたら今度は育むの。」

そう言って、お姉さんは美味しそうに、お水を飲み始めた。


***

⑩へ続く。

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