料理上手になった(?)話
隠居生活と言えばいいのか、しばらく家にこもっている状態を楽しんでいる。週に一回ぐらいの外出の他は食料の買い出しに近所に出かけるくらい。人に会うのも好きだが、ずっと一人でいるのも好きだ。
料理の話の前に、余計なものが入ってるのが嫌になったことを書かなければならない。
シャンプーやリンスの中に入っている何の成分なのかわからないモノ、どうしても吐き気をもよおす匂いがあった。耐えられないくらい強烈なものから、ほんのちょっとだけどやっぱり気持ち悪いというものまでいろいろ。程度によっては買ったばかりなのに捨てるということもしていた。結局今は余計なものが入っていない石鹸シャンプーに落ち着いた。
頭を洗うときの匂いでこれだけ具合が悪くなっているのに、食べ物に含まれる余計なものを意識しないでそのまま摂り続けて大丈夫か。
仕事で忙しかった時はいつも疲れている状態で、外食したり、出来合いのものを買ってきたり、調理の簡単な加工品など使うことが多かった。とにかく手間などかけてこれ以上疲れたくない、お腹が満たされればそれでよい、それだけだった。
引きこもることで時間に余裕ができたとき、ここから少しづつ食生活を変えようと決めた。余計なもの全部を避けることはできなくとも、なるべく避けるようにしてみよう。
そんな風に考えるようになった。
パンを自分で焼くようになった。ピザも生地から手作りするようになった。カレーはルーを使わずにスパイスで作るようにした。シチューもルーを使わずにホワイトソースとニンニク玉葱塩麹で作るようにした。おでんは昆布と鰹で出汁をとるようにした。ドレッシングも全部手作りにした。食事に関していろんなことが変わった。人によってはあたりまえのことかもしれないが、私にとっては大きな変化だ。
こもって時間があっても疲れるのは嫌なので、料理に手間はかけたくない。料理動画をいくつか見比べて、この人とあの人の作り方の手順をミックスすれば、それぞれの面倒なところは省けてより簡単に作れるかもしれない。この人の使ってる調味料を家にあるアレで代用できないかな。これとこれを使えば似たような美味しいものが出来るかも。
誰よりも簡単に作って美味しく食べよう、そういう考えでいつも料理している。今、パンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)を作ってる。塩と擦りこむハーブスパイスを変えたりして3回目を仕込んでるところ。寝かせておくのに1週間かかるが、とっても簡単に作れる。切って塩抜きして焼くだけでとっても美味しい。
晩御飯に明太子ピザを焼いた。フライパンで生地を焼き、裏返して具材をのせて少し蒸し焼き。そこからオーブンに移して生地をパリッとさせチーズに少し焦げ目をつける。邪道なつくり方かもしれないが、20分で美味しいピザが出来た。
時々可笑しくなる。「私の人生の中で料理上手になる設定は全くなかったのに」と。テキトーながらも着実に料理上手になりつつある自分が可笑しくてしょうがない。