見出し画像

$KILT の初期Collator(コレーター)について調べてみた

KILTのステーキングが開始されましたが、デリゲート(委任)先の初期Collator(コレーター)について調べてみました。
ステーキング先のCollatorについて知ってもらうきっかけになれば幸いです。

ちなみに現在KILTのガバナンス投票にて、ステーキングの最小枚数が1000→20に変更する投票がはじまっています。

この提案が通ればステーキングの敷居が下がり、より多くのKILTホルダーがステーキングに参加できるようになります。
ちなみに現状反対投票0で、このままいくと賛成多数で提案通過しそうです。


↓↓↓KILTについて知りたい方向け↓↓↓

はじめに:Collatorとは

How Nominated Proof-of-Stake will work in Polkadot

Collatorとは各パラチェーンに存在する(フル)ノードです。
PolkadotやKusamaのパラチェーンスロットに接続されている個別チェーン内のノードだと考えてください。
Collatorは個別パラチェーンのトランザクションをブロックに詰めて、Polkadot/KusamaのValidatorに送る役割を持っています。
Kusamaのパラチェーンスロットを獲得した個別チェーンであるKILTのステーキングを行う場合は、このCollatorにトークンを委任(デリゲート)することになります。

1.BOTLabs GmbH:ドイツ

まず最初のCollatorはKILTの開発元会社であるBOTLabs GmbHです。
最近調べてる中で”GmbH”というワードを見かけるようになったのですが、ドイツ語で「Gesellschaft mit beschränkter Haftung」の略語で「有限責任会社」を意味するみたいです。英国のLtd.や米国のInc.に相当するものみたいです。

2.B.T.E BOTLabs Trusted Entity GmbH:ドイツ

2つ目のCollatorは、KILT開発会社であるBOTLabsの子会社にあたるB.T.E BOTLabs Trusted Entity GmbHです。
この子会社はKILTでデジタルクレデンシャルを管理するためのウォレットであるSporranWalletを開発している会社です。

3.Canontech:スイス

3つ目のCollatorは、スイスのステーキングリソースとインフラを提供しているCanontechです。
KILT以外にもPolkadot / Kusamaエコシステム内のValidator(バリデーター)/Nominator(ノミネーター)向けのツールを提供してます。

4.Cody King of Codenode:カナダ

4つ目のCollatorは北アメリカ大陸から唯一参加したカナダCodenodeのCody Kingさんです。
KusamaのロゴをAdobePhotoshopでリアルに表現したコレクティブNFTであるKu Collection™で活動したり、ミーム作ったりしているみたいです。

5.Dwellir AB:スウェーデン

5つ目のCollatorは、スウェーデンでバリデーター運用しているDwellir ABです。KusamaとPolkadotの両方でThousand Validator Programmeに参加しています。
Dwellir ABのインフラはプライベートかつセキュリティに高い仕様を持つデーターセンターで運用されているとのことで、一部はスウェーデンのストックホルムにある旧核シェルターのPionen(ピネオン)内にあるとのことです。
核戦争でも大丈夫なCollator運用に期待ですね 笑。

Pionen

Pionenは花崗岩の30メートル下の山の中に埋もれている施設で、厚さ40センチのドアで封じられているとのことです。データセンターは水素爆弾にも耐えられるようになっているらしいです。

6.galaniprojects GmbH: ドイツ

6つ目のCollatorはKILT認定のインテグレーターであるgalaniprojects GmbHです。
2005年にベルリンで設立された会社で複雑なソフトウェアシステムのプロジェクトマネジメントや品質保証を専門としている会社です。
顧客リストの中にドイツ銀行もありました。
KILT認定インテグレーターは、KILTを使ったブロックチェーンプロジェクトの立ち上げを支援していくプレイヤーです。
老舗のシステム会社が導入支援すすめることでAttester(アテスター)などKILTの重要なプレイヤーへの導入がスムーズに進んでいきそうですね。

https://galaniprojects.de/

7.Glacier Blockchain Technology Co., Ltd.:中国

7つ目のCollatorはアジア圏から唯一参加した中国のGlacier Blockchain Technology Co., Ltd.です。

Glacier Blockchain Technology Co., Ltd.は2018年に中国山東省煙台市で設立された会社で、「World of Trust」をビジョンに掲げ、DID・デジタルクレデンシャルの領域で活動している会社です。
データの主権をユーザーに持たすオープンで透明なネットワーク構築を支援する活動をしており、まさにKILTの目指す世界観と一致してますね。

Glacier Blockchain Technology Co., Ltd.のCEOであるXiao Zhangさんは、zCloak Networkのファウンダーも兼任しています。
zCloak NetworkはPolkadotをベースとしたプライバシー重視のコンピューティングプラットフォームを展開しているとのことで、仮想マシンzk-STARKを用いてWEB3.0のためのプライバシーを重視した計算環境を提供しています。
ゼロ知識証明を用いたサービスで、ユーザーがプライバシーを開示することなくNFTやDeFiへのアクセスできる環境を提供していくみたいです。

https://www.linkedin.com/in/xzhangcn/?originalSubdomain=cn

8.Martin:ドイツ

8つ目のCollatorは、KILTの公式TelegramとKILTのドイツ非公式Telegramの管理者をしているMartinさんです。
KILTの公式記事をすべてドイツ語に翻訳してKILTの情報を広めたり、ドイツ圏の人にKILTの啓蒙活動をされている方です。
IT企業に20年間勤め、データセンターの管理の仕事をしていたとのことで、Collatorを運用するためのサーバー知識も豊富そうです。

9.Pacobits of Stakely:スペイン

9つ目のCollatorはスペインのバリデーター組織であるStakely.ioです。
Fantom、Polkadot、Kusama、Terra、Cosmos、Avalanche、Ethereumなど様々なチェーンのバリデーター運用しています。
今後Solana、NEAR Protocol、Shiden Networkにも対応していくみたいです。

10.Petr of Polkadotters:チェコ共和国

10つ目のCollatorはチェコ共和国のPolkadottersのPetrさんです。
Polkadottersは2020年夏ごろからPolkadotで活動をはじめたチェコ共和国のチームです。Petr MensikとPavel Kahounの2人で活動しており、Polkadotにおける基本的な記事の翻訳から、ステーキング、オークション、クラウドローンの独自ガイドを執筆されています。
Substrateベースのブロックチェーンのためのバリデーター運用をしており、KILT以外にも、Polkadot、Kusama、Darwinia、Crab、HydraDX、StaFi、Centrifugeのバリデーター運用を行っています。

11.Shez of Staking4All:南アフリカ共和国

11つ目のCollatorはアフリカ大陸から唯一参加した南アフリカ共和国のShez of Staking4Allです。
Polygon、Polkadot、Kusama、Moonriver、Moonbeam、HydraXなど17チェーンのバリデーター運用を行っています。

12.Skedley:ドイツ

12つ目のCollatorはドイツのSkedleyです。
色々検索したのですが、正体が一切わかりませんでした。
どなたか情報お持ちの人がいましたら教えてください!

※2021年12月11日追記※
スペルの表記ミスがありましたSkudleyではなくSkedleyでした。
SkedleyさんはKILTチームのCROでデベロッパーです。
(zackyさん情報提供ありがとうございました!)

13.STAKENODE:ポーランド

13つ目のCollatorはポーランドのSTAKENODEです。
PolkadotのバリデーターやAstar NetworkのアンバサダーをやれれているJimmyTudeskiさんが運用されているみたいです。
Elevate Community Venturesというブロックチェーンのエコシステム投資やプロジェクトのインキュベーションやプロモーション、コミュニティ管理&開発を行うシードファンドのファウンダーもやられています。

14.Stakin:エストニア

14つ目のCollatorはエストニアのStakinです。
PoS向けのバリデーター提供している会社で、SolanaやNEAR Protocol、Cosmos、Polkadot、Kusama、Polkadex、Polygonなど20以上のチェーンのバリデーターを運用しています。

15.Tjwelde:ドイツ

15つ目のCollatorは、KILTのリードエンジニアであるTjwelde(Timo Welde)さんです。
オープンソースのCMS(コンテンツマネジメントシステム)であるDrupalのcommit履歴を見ると、GoogleMapやFacebookInstantArticle、AMPテーマ対応など様々なプロジェクトでの活動履歴がありました。
ドイツのThunder社に所属しているときにDrupalベースのCMSを開発していたみたいです。

16.Yarco Hayduk of Pragma Ventures:ウクライナ

16つ目、最後の初期CollatorはウクライナのPragma Ventures所属のYarco Haydukです。
Pragma Venturesはアーリーステージのブロックチェーンの投資に注力する分散型ファンドです。
2021年5月に設立されており、6名の多国籍デジタルノマドにて運営されています。
コンピューターサイエンス・分散システムの博士号2名と、アジアの一流VCの元パートナー3名、ベテランマーケター1名の6名で組成されています。

参考資料

・KILT Collator一覧

・KILT Steakboard

終わりに

こうやって改めてリサーチしてみるとヨーロッパが中心であるものの、各地域にCollatorを分散させていることでチェーン稼働のリスクを減らすようになっていることがわかりました。
また会社だけではなく個人、システム開発会社、VC、アンバサダーなど様々なエコシステムのプレイヤーをCollatorとしても巻き込んでいくことで、KILTProtocolの発展の布石になっているなと感じました。
今後Collatorも増加することでより分散化され、安定的なシステムになっていくことに期待です。
(初期Collatorは16つですが、徐々に増加していき最大同時稼働数は75つになる予定です)

最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?