物事の本質を捉えるために逆さまにしてみる。「文化」の反対を考える。

※2019年6月に書いたものをnoteに移植したものです。

物事の本質や価値を考えるとき、その物事を逆さまにして考えると理解が進みやすい。
逆さまにするとは、言葉自体の対義語を探したり、感じ取ったことの逆の感情を考えたりすることだ。
この物事を逆さまに捉えるアプローチを取ることで、対面にある観察対象の本質や価値が際立ち理解しやすくなる。

文化を逆さまにすると

例えば、今日は企業文化の必要性について考えることがあったが、その時には「文化」の対義語について調べていた。
どうやら「文明」と「自然」という言葉が「文化」の対義語にあたるらしい。
今回のケースでは自分は「自然」という対義語から思考する方が企業文化の必要性について考えやすかった。

文化とは本来的に「不自然」なものだと考えるとしっくりきた。
企業でもチームでも人が集まるところには、その人数だけの考え方だったり思考があり、そのベクトルは様々な方向を向いている。
その多様性がある「自然」な状況に対して、ビジョンであったり目的を明示することで個々人のベクトルの向き先を収束化させるのが「文化」だ。

なんとなく企業文化と呼ばれるものは自然発生的にその企業の雰囲気として育まれる印象があった。
例えば若い人が集まってれば自然発生的に「元気」な雰囲気になることもある、という感じだ。
しかし本来文化とは自然発生するものではないので、ほっておいても企業文化は醸成されない。
だからこそ、企業はそのビジョンに向かって最適な文化を言語化し、人手を使ってテコ入れをし続けなければならないのである。

※もちろん母集団を形成するときに「元気」な人だけを集めていたら自然発生的に会社は元気になるかもしれない。(しかしそれは採用自体が「元気」であるベクトルを向いているので、前段階で「文化」的なニュアンスがあるのではないかな。)

冷蔵庫の価値とは

新規事業など新サービスの発想方法にも逆転発想と呼ばれるものがある。
逆転発想とは、今ある商品を逆さまにしてみるという発想方法だ。

例えば「冷蔵庫」を反対にして発想が出たのが「暖かい冷蔵庫(冷温庫)」だろう。

「冷蔵庫」の価値を単に「モノを冷やす」と捉えているとその先の進化の幅は狭い。
しかし「冷蔵庫」の価値を「適正温度で食材を保存する倉庫」と捉えていることで、商品設計の幅は広がる。
この提供している価値を見出すためにも、逆さまにしてみることで価値観の捉え方に変化をもたらせるだろう。

最近、言語化がうまいなと感じた人ほど、物事を逆さまに捉えるプロセスを経ている人が多いと感じる。
何か思考するときに逆さまにしてみる癖をつけてモノの見方に広がりを持っていきたい。

参考資料


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