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だから、私は文章を書く

むかつく、むかつく、むかつく、むかつく!!!
絶対見返してやる……。絶対に後悔させてやる!!!

これは私が約1年半前に付き合っていた彼氏に振られて、しばらく抱いていた感情である。仕事をしていても、友達や妹が話を聞いてくれているときも、「むかつく」「あいつ、覚えとけよ、死ぬほど後悔させたるからな」と、負の感情でいっぱいだった。

元彼を見返すために、負の感情でいっぱいの私が始めたことはダイエットだ。食事を見直し、規則正しい生活を心がけ、運動をし、割と順調に痩せていった。ダイエットを始めて1年ほど経ち、目標体重を達成した。

しかし、なんか足りん。

確実に痩せているし、メイク、髪型、ファッションも同時進行で見直したので、元彼と付き合っていたときより私は確実に可愛くなっている。なのに、なぜか私は100%は満たされていなかった。なぜか。きっと元彼に「私が痩せた」という事実を知られていないからだ。

私がこんなに可愛くなったという事実を、あいつが知らないのはなんかむかつく。

ある意味、元彼に対する執着が強くて我ながら引いてしまうが、どうにかして奴に私が、付き合っていた当時より、めちゃくちゃ良い女になっていることを伝える術はないかと考えた。

そこで思いついたのが、とある書店のライティング講座だった。

講座の存在は3年前くらいから知っていて、その書店にも一度だけ行ったことがあった。その時もライティング講座を受けたいな、とぼんやり思ったが、金銭面の事情で諦めた。

もしかして、始めるなら今じゃないか?

どこかの転職サイトのCMにも似たようなセリフがあった気がするが、そう思った。文章を書くこと自体には、以前から興味があった。自分の書いた文章で誰かが元気になったり、共感してくれたり、そういうのって素敵だなと思っていた。でも、その講座を知ったときは、金銭面という事情はあったものの、私を受講まで突き動かす精神的な決定打に欠けていた。

振られて、腹が立って、約1年かけてダイエットして垢抜けた話、書きたい。あわよくば元彼がその記事を発見して、めちゃくちゃに後悔してくれたら、本望! 最高!

これが、私がライティング講座に申し込み、文章を書く術を学ぼうと思った経緯だ。不純だ。我ながら、動機が負の感情すぎて悲しくなってくる。

受講してみると、想像以上に楽しかった。1回目の課題は、ずっと書きたいと頭の中にあった、元彼きっかけでダイエットした話を書いて提出した。フィードバックをもらい、OKであればその書店のWEBページに掲載してもらえる。掲載を見送られたら、自分のnoteに載せようと思ったけど、載ってしまった。載ってしまったと書いたが、めちゃくちゃ嬉しかった。

嬉しくなって、どんどん書きたくなった。意外と私の周りにネタが転がっている。書きたいことがたくさん出てくる。この出来事、私の感情、どう文章にしたらみんなに読んでもらえるだろうか? 誰か笑ってくれるだろうか? 誰か共感してくれるだろうか?

WEBに掲載された記事を、「感想はいらないです。暇なときに読んでほしいな~」と、友達に送る。友達から「こんなこと思ってたんや」とか「めちゃくちゃ共感した。私のこと書かれてるんかと思った」とか、嬉しい感想がたくさん送られてきた。

本当に嬉しかった。ライターでもなんでもないけれど、なんでもない私が書いた文章を「良い」とか「好き」と言ってくれる人がいるのが、嬉しかった。

私、もっと書きたい!

もともと興味はあったものの、文章を書き始めようと思った決定打は「むかつく」「見返してやる」という負の感情に突き動かされたからだ。始まりはそうだったが、今ではもっとたくさん文章を書きたいし、この楽しくて素敵な作業を、仕事にしたいと考えている。

元彼はまだむかつくが、前より可愛くなるきっかけをくれたことと、文章を書くことを楽しい! と思えるきっかけとくれたことには感謝している。

一人でいても、家族や友達といても、働いていても、ネタがどんどん溜まっていく。そのネタを面白く、読んでくれる人が「読んでよかった!」と思える記事を書くにはまだまだだ。

だから、私はこれからも書き続ける。
自己満でも良いから、好きなことをして生きていきたいのだ。

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