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【9】12年ぶりに本物の生理が来た話(2)

ひどい生理痛と生理不順に悩み、仕事や日常生活を円滑に送るために12年間低用量ピルを服用し、自分の身体を誤魔化しつづけてきた。

自分の本当の身体の状態を感じたくて、自然な状態に戻したくて、2020年8月に服用を中止。

12年ぶりにきた前回の本物の生理は、やっぱり泣くほど辛かった。
ピルは生理痛も、生理不順も治してくれないということがわかった。ピルを飲んでいる間は、本当に便利で、完璧に身体をコントールできる。だけどこれは一時的に身体を誤魔化しているだけであって、治療じゃない。しかも保険もきかない。病院では、生理痛の治療はしてもらえないのだ。それならば、自分で体質を改善するしかない。

ピル服用中止後、33日の周期で生理が来て、しかもちょうど新月の前日だった。久しぶり過ぎる本物の生理がちゃんと1ヶ月でやってきたことに、辛いながらも喜びを感じ、これは順調なのだ!きっと来月も新月近くに生理が来るに違いないと何故か思い込んだ。

そしてなんの不安も迷いもなく、新月後に沖縄旅行の計画を立てた。(なんて無謀な、、、。)

しんどい排卵痛も乗り越え、新月に近づくにつれて身体はだるく重くなっていったのだが、、、

あれ?生理が来ない。

12年前はとんでもない生理不順だったというのに、ピルを辞めて最初の1回目がちゃんときただけで、完全に調子に乗った。

えー!沖縄旅行がー!
海がー!プールがー!

とかなんとか思いながらも旅行当日がやってきて、意外と元気な私。旅行中も生理は来なくて、普通に海もプールも楽しんだ。

いやでも、それはいいのだけれど、生理はどうした?まさか妊娠した?いやいや、その可能性は低い。どう考えても生理不順だ。12年病院に通ってピルを飲み続けたけれど、やはり生理痛も生理不順も治っていないのだ。

沖縄から帰ってきて、3日目の朝。
目立った予兆もなく、2回目の本物の生理がやってきた。予兆がないってすごいな。何故か今回は痛みなく静かにやってきた。満月の3日前だった。

今回は42日周期で、新月生理が満月生理に変わった。
新月生理はデトックス力が強くて、生理痛も重い場合が多いらしい。そして、満月生理は生理痛が軽いと言われている。

だから大丈夫かな?と気楽な気分で、パソコンを会社に置いたままだし、行かないとと思い、仕事へ向かった。

9時30分に始業開始して、1時間半くらいたつとやっぱりあの痛みが襲ってきた。
前回はトイレの個室で立ち上がれなくなったけれど、今回はオフィスのデスクに座ったままだったが、だんだん座った状態を保つことも出来なくなってきた。身体中に痛みが走り、汗が出てくる。全身が痺れ、手に力が入らない。

気付いてくれた男性が大丈夫ですか?と声をかけてくれて、早退することになった。「立てますか?タクシー呼びますか?」などと聞かれて、「自分でタクシーを拾って帰るので大丈夫です。ありがとうございます。」とこたえると、すかさず後ろの席にいた女性が、「私、下まで送ってきます!」と言ってくれた。普段あまり話したことのない方だ。私のパソコンなどをつめた重い荷物も全部持ってくれて、一緒にエレベーターで1階へ降りた。正直、本当にありがたかった。

ついつい、本当に辛い時も、「大丈夫です。」「自分でやります。」そう言うことが癖になっている。あの激痛の中、あの重いカバンを持って歩くのはかなりしんどい。

エレベーターの中で、2人きりになると「もしかして生理痛とか?」と聞かれた。「そうなんです。」と答えると、その方も昔、生理痛で悩んでいたことや、子宮の病気をした話などをさらっと聞かせてくれた。そして、そんな話をしながらタクシーを止めてくれた。辛い経験をした人は、その分、こんな風に人に優しく、スマートな気遣いができるようになるんだなとしみじみ思った。私もそんなことをさらっとできるようになろう。この優しさを循環させよう。

人に迷惑をかけてはいけないという思い込みがずっと自分の中にあった。会社を休んではいけない。早退してはいけない。それはいつの間にか、自分で自分に課したルールだった。自分で自分を苦しめていた。そのルールを守るために12年ピルを飲んだ。でも、もうピルは卒業。だから、人に迷惑をかけない私からも卒業。

私は人に迷惑もかけるし、会社も休むし、早退もする。それでいい。

そうやって自分に許可を出したからこそ、こうして人に助けてもらうことができ、世の中には愛が溢れていることを実感できた。本当に感謝でいっぱい。

さて、次回の生理はいったいいつくるのか。
またどこかで誰かに助けてもらうかもしれません。
ご迷惑をおかけいたします。



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