いまの私の最大値
リラックスしているときの自分が1番好きだ。
それはただダラけているのでも、腑抜けているのでもない。
今この瞬間に集中しているけれど、なにか不測の事態が起こったらすぐに反応できるような、ゆとりのある様子。
それは自信がないとできない。
人からよく思われようとか、気に入られたいとか、ミスをしたくないとか、余計な気持ちが入ってくると途端に緊張が走る。力みが入る。
社会人になりたての頃、人前に立つ仕事で「緊張する」とこぼしたら、新人の私たちを育成してくれる先生から「緊張するのはベクトルが自分に向いているからだ」と言われたことを、今もはっきり覚えている。
「それよりも、目の前にいるお客様のために何ができるかを考えて」とその人は言った。
新体操に熱中していた学生時代、新体操仲間の1人が試合の日に「いつもより良くしたいって思っちゃうんだよね」と隣でつぶやいた。当時の私はすかさず言った──「なんで?いつも以上なんてできるわけないじゃん、今の自分にできることやるしかないんだよ」
昔の自分の方がよくわかってるなあ。
そうそう、今の自分の範囲でしか出せないのだから、それを精一杯やればいい。
今思えば、「もっと肩の力抜いていいんだよ」と言ってくれた人の言葉の本質や優しさは、こういうことだったのかもしれない。
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