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映画「オリーブの木がある限り」 映画「ガザ 素顔の日常」を見て

先日「オリーブの木がある限り」「ガザ 素顔の日常」のドキュメンタリー2本立てを見ました。

地元の公共施設での市民団体の自主上映でした。
イスラエルのパレスチナへの数々の侵略が、あまりにも酷いので、関心のある方が増えたのか、地元自治体後援での開催が意外でした。
パレスチナの視点に立ったドキュメンタリーでしたから、政治的と言えば政治的です。地元自治体も多少間口を広げたということでしょうか?

2本とも、パレスチナの日常を映像化しています。

まず「オリーブの木がある限り」

2007年にパレスチナ農業復興委員会とフランスのイヴ・デュシュマン監督の共同作業で作られました。
パレスチナの農民が生活のために協同組合を立ち上げ、オリーブの栽培からオリーブ油の生産販売まで行うようすが映し出されています。

ところがイスラエルは、検問所や分断の壁を作って、その活動をことごとく邪魔するんですね。
オリーブ油を出荷しようとすると、今日は外出禁止だからダメだとか、新鮮なオリーブ油を早く港から海外に輸出したいのに、悪意のある阻止行動ですね。
挙げ句の果てには、イスラエル人は入植のために、パレスチナの農民の生命の根幹とも言えるオリーブの木を引っこ抜く。この映像はショッキングでした。
それでもパレスチナの農民は、オリーブの木を植え続け、育てオリーブ油を生産しています。
それがイスラエルへの抵抗なのでした。

リンク先に予告編あります。⬇️


次に「ガザ 素顔の日常」
2019年 ガリー・キーン、アンドリュー・マコーネル監督作品

現在TV報道で見るのは、イスラエルによる無差別攻撃で破壊されたガザです。
しかしこの映画では、本当に戦時下なのかと思いたくなるような信じられないほどのガザの美しい風景が映し出されます。
国際法や政治学を学ぶために海外留学したいチェロを弾く若い女性。
大きな漁船の船長になって兄弟と漁に出たい少年。
美しい海辺でサーフィンする若者。
妻が3人、子供が40人いる漁師のじいちゃん。
タクシーの中で歌う若者。
いちごや花が名産で、ガザはリゾート地のような美しさです。

ところが後半に映し出される爆撃シーン、前半のガザの美しい風景は、戦時下の悲惨さを強調するためだったのでしょうか?

この映画は5年前の話で、画面に死者数と怪我人数が出ましたが、昨年10月からの死者数と怪我人数は全く違います。恐るべき増加です。

救急活動を続けている青年を含めて、この映画に出ていた人たち、無事なんだろうか?
上映当日の話によると、チェロの女性は何とか脱出したようです。
他の人たちが心配です。

リンク先に予告編あります。⬇️


TV報道だけでは、わからない現地のようすが見れて、とても意義がありました。やはり優れたドキュメンタリーが放つ臨場感は訴える力を持っています。

イスラエルによる現在も続く「入植」という名のパレスチナ人に対する土地略奪。こじれにこじれた関係の修復は可能なのか、考えさせられます。

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