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【展覧会レビュー】安藤忠雄 「時をつなぐ建築」


展覧会名:安藤忠雄 「時をつなぐ建築」
会場:アマナ ティーアイジーピー(AXIS 2F)
会期:2022/07/09-2022/08/13
時間:1200-1800
定休日:日・月・祝日
URL :
https://center.axisinc.co.jp/event/2022/449.html
https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/27058/

展覧会の概要


六本木のAXISビル2Fのギャラリー「amana TIGP(アマナティーアイジーピー)」で、安藤忠雄のドローイング及び写真の展示があったので行ってきました。

amanaTIGPは、キュービックではなくL字型平面になっていて、奥まった部分があるのでコンパクトながら落ち着いた居心地の良い空間です。

展示内容は、総数22点で、写真・模型・オリジナルドローイングを含んでいます。奥のテーブルには『TADAO ANDO RECENT Project 3』などの作品集や建築史家の三宅理一による安藤論『安藤忠雄 建築を生きる』などの書籍も用意されており閲覧可能です。

作品に映り込む『ANDO BOX VI』作品群とANDOサイン

見どころと感想


展示された作品はオリジナルドローイングを除くと、ほぼモノクロームの世界。ANDO建築は白・黒・グレーによる躯体や仕上げ材料や建具による彩度を抑えたフレームに、外界の自然を対峙させるコントラストが魅力だと思います。

今回唯一のカラー作品であるオリジナル・ドローイング

空間の内部では、コンクリートの壁と天井の間に設けられたスリットから漏れ落ちる光が強いコントラストで浮かび上がります。また、建物の外部では、その壁に切り取られた蒼い空や森の緑、そして周囲を流れる水流が、建築と自然との関係を強く問いかけてくるのです。

見どころの一つは、このようなANDO建築の持つ緊張感が15枚のキュービックなマトリックスとして表現されている展示です。Platinum Palladium Printという非常に手のかかるプリント技法によって、モノクロームのコントラストが繊細に表現されていました。

『ANDO BOX VI』からの15点

この写真群のオリジナルは安藤氏自ら撮影した写真を用いて2019に刊行されたポートフォリオ集『ANDO BOX VI』に収録されています。

大規模な展覧会もいいのですが、このくらいの小規模のギャラリーはゆっくり鑑賞しながら、作品と対話ができるのでとてもおすすめです。スタッフの方々も気さくな感じで、来場者への対応がとても丁寧だったのが印象的でした。

パリの商品取引所「ブルス・ドゥ・コメルス」のリノベーション作品模型

おすすめ書籍


  • 二川由夫, 安藤忠雄『TADAO ANDO RECENT Project 3』A.D.A. Editor Tokyo 2021

  • 三宅理一『安藤忠雄 建築を生きる』みすず書房 2019

  • 『ANDO BOX VI』amanasalto 2019

会場に置いてあった書籍と展示の元ネタ本です。『ANDO BOX』はシリーズ化されていますが、1000年の耐久性を持つプリントらしく、価格は応相談のようです。。。

※ ANDO BOX VI はamazon.jpでは販売していないようです。


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