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「自分の心の声を聴いてね。」


「自分の心の声を聴いて、いち香さんが1番楽なようにしたらいいよ。」


 ある先生が、繰り返し伝えてくれた言葉です。この言葉を聞くと、肩の力が抜けて楽になる感じがしました。つい頑張りすぎてしまう私が無理せず生活するために必要だった言葉です。嫌だと思う、しんどいと感じることはしない。今はとにかく自分を1番大切にする。とても難しかったし、今でも難しいと思っています。自分の心の声を聴くことで、誰かに迷惑がかかるのではないか。そんな風に考えてしまうときもありました。
 でも、ふと気づいたのです。今、自分の心の声を無視するより、本当に調子を崩してから大きな迷惑をかける方がよくないのではないか。考えた結果、自分に素直に動いてみることにしました。つい他人のことを優先する私にとって、難しいことでした。強く意識しないと、自分に素直になれない。迷ったときは、「私はどうしたい?」と自分で問いかけるようにしていました。
 心がけていたのは、「しんどい」と感じることをできるだけ取り除いて、「落ち着く」を積極的に取り入れること。年末年始に実家で長めに休めるよう、アルバイトのシフトを調整してもらいました。病気のことを伝える人とタイミングは、私の心の準備ができるまで待ちました。信頼できる人に、そばにいてもらいました。
 自分のことを優先した結果、失敗してしまったこともありました。できれば経験したくなかったけれど、それも学びです。少し難しかったですが、自分の心の声を聴いてその通りに動くことで少しずつ元気になっていくのが分かりました。あるとき、「もう大丈夫。」と感じられたのです。自分の心の声をよく聴いて自分を労わったことで、元気になれました。
 同じ言葉をかけられても、相手や伝えられた状況によって素直に受け取れない場合もあったと思います。これまで先生と築いてきた関係性があったからこそ、素直に受け入れられました。私のことを理解して選んでくれた言葉だと感じられて、嬉しかったです。

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