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この道には、私だけ。


 

長かった半年

 手術を受けてから約半年が経ちました。長かったです。手術前も大変でしたが、手術をしてからも仕事や気持ちの面などで大変だったから長く感じたのかもしれません。「まだ半年なの?」と驚いています。仕事を始めてからは1日の半分は仕事で、家に帰ったら最低限のことをして寝るだけの生活なので余計なことを考える時間がなくて。そのおかげか、家に引きこもっているときより元気になった気がします。
 体調は思ったより安定していて、傷も少しずつ目立たなくなってきました。頻繁に風邪を引くといったことはありせんが、気になることはいくつかあります。

体質が変わった?

 1番悩んでいるのが、痩せにくくなったこと。太りやすくなったとも言えますが、それよりも「痩せにくくなった」という表現がしっくりきます。主治医に相談していないので、甲状腺を取ったことが影響しているのかははっきり分かりません。診察のときになると「相談するほどでもないかな。」と思って毎回言うのを辞めてしまうのですが、やっぱり気になります。痩せにくくなったのは、大学生の頃に比べて活動量が少なくなったからかもしれません。がんを抱えていたときが痩せやすかったのかもしれません。色々な原因が考えられますが、甲状腺を取ったことが関係しているのではないかと思っています。主治医には相談していないので、あくまで私の推測です。
 たまに困るのが、疲れやすいこと。普段困ることが減ってきたので、つい忘れてしまうのです。先月丸1日出かけた日があったのですが、寝ても疲れを持ち越している感覚で昼過ぎからヘロヘロの日が数日間続きました。ペース配分を誤るとその後がしんどくなるのを思い出しました。やっぱり、無理は禁物のようです。

背中が遠い

 そして、できなくなったことがひとつ。SNSを見られなくなりました。厳密に言うと、会ったことがある人のものが見られません。この状態になって、2か月以上が経とうとしています。
 この話をした唯一の人に、「まだ周りと比べて出遅れている、置いて行かれている感じがする?」と聞かれました。多分、そうです。仕事を始めたので明らかな出遅れ感はなくなり、周りの人との差を以前ほど意識することはなくなりました。でもやっぱり私以外の人は楽しそうに、きらきら輝いているように見える。ひとりぼっちな気がする。ようやく歩き始めたけれど、差が一向に埋まらない感じがする。
 何を見ても「楽しそうでいいね。」と思ってしまうのが、そんな自分が嫌でSNSと距離を置くようになりました。程度の差はあれど相手のことを知っていて、生活が想像できてしまうからこそ生まれる感情なのかもしれません。
 それほど困っていないと感じているのですが、これを聞いた人には「だいぶ心配だけど。」と言われました。フルタイム勤務を始めたら見られるかと思っていましたが、一度できなくなると元に戻るのが難しくて。焦ることでもない。すごく困っている訳でもない。でも少しもやもやしています。今は、時が来るのを待つのみです。


 そもそも「みんなと同じ道を歩いている」と考えるのが違うのかもしれない。幅の広い道をたくさんの人と一緒に歩いていると思っていたけれど、そうではなくて。自分の前だけに延びる道が、他の人の道と並んだり交わったり離れたりする。こう考えたら、ふっと気が楽になりました。


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