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「教えてくれてありがとう。」


 病気が見つかってからかけてもらった嬉しい言葉たちを集めた、「嬉しかった言葉集」を始めます。メインの投稿の間に、ちょこちょこ挟む予定です。私が周りの人への感謝を忘れず、つらいときに見返したら元気を取り戻せるように。誰かの心にもそっと元気をおすそ分けできるように。そんな気持ちで始めてみます。

「教えてくれてありがとう。」

 病気のことを話したとき、何人もの人がこの言葉を伝えてくれました。言いづらいことを教えてくれてありがとう。身体についての大切なことを聞かせてくれてありがとう。そんな気持ちが伝わってきました。そっと抱きしめてくれた人や背中をさすってくれた人もいました。
 明るい話ではないので、口にする直前まで悩んで伝えていました。どうやって切り出そうか。まずはどこまで話そうか。病気の話を聞いて、大きなショックを受ける人もいるかもしれない。病気のことを伝えたいと思うくらい私にとって大切な人達なので、余計に慎重になっていました。
 そんななかで「教えてくれてありがとう。」と言ってもらえると、安心することができました。あぁ、伝えて良かった。そう思えました。コミュニケーションに関する教育を受けた人が周りに多くいたのが、この言葉をかけてもらえた理由のひとつだと考えています。ですが、知識があるからといって実践できるとは限りません。話を聞いてすぐに「教えてくれてありがとう。」と伝えられるのは簡単なことではないと、私は思っています。私が緊張して話していることを分かってくれた、つらい気持ちに寄り添ってもらえた感じがして。すごく嬉しかったです。
 ひとりだけではなく、何人もの人がかけてくれたこの言葉。病気について本当に話してよかったのかなと後から考えるときもありました。でも、もらった「ありがとう。」を思い出すと、話してよかったんだ、この人はきっと力になってくれる。そう思えました。この言葉のおかげで病気のことを伝えるのが怖くなくなり、頼れる先を増やすことができました。

 話を聴いてくれた人の温かい気持ちまで伝わってくる、そんな言葉です。

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