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年齢に縛られたくないと言って、結局年齢に縛られている私たち


街を歩けば、人人人。
コロナ禍に引っ越しをした私は、街の中心部にこんなに人がいることを知らず土日なんかはその人の多さに面喰ってしまう。

そんな私も外出頻度が春以降増えた。
いや、外出頻度はそこまで変わらなくとも友人と会う機会が増えた。
1年ぶり、もしくはそれ以上ぶりに会うことも多く、「最近何してた??」と話題は尽きない。


20代後半、”アラサー”になってから1年1年の周りの動きが早いように感じる。少し年上の友人が多いこともあり、結婚、出産、マイホーム購入など人生の岐路や一大決心をしたという話をよく聞くようになってきた。
1年、2年、少し早く生きる人たちは人生が変わっちゃうような決断をしてるなんてすごいなあ~~と気楽に聞いている気持ち半分、いざ自分がその立場だったら?と現実味も感じるようになってきている。

「『年齢を考えると』子どもは早いほうがいい、マイホーム購入は早いほうがいい、そう言われるよね~~」とこういう話になると私たち自身、この歳を意識してしまう。

共働きも多くなってきているし、歳を重ねても楽しく暮らしている人たちを見ることが増えてきたので、年齢に縛られることも減ってきたかなと思っていても。
結局、まだまだ周りの波に流されている。


こういう場合、年齢を意識するのは多くは女性のほうだ。
妊娠や出産が女性のライフイベントに寄っているのもあり、「子どもができる前に」「独身の間に」という自分以外のコントロールできない存在が少ない時間を意識してしまう。
そして子育ての手を離れるとき、自分はすでに20年ほど歳をとっており、今ほどできることが少なくなってしまっているかもしれない。
30歳までに子どもを考えるとなるとあと2,3年で自由な時間がない、そんなタイムリミットを自ら定めてしまっている。

バリバリのキャリアウーマンや子育てしながらも自分の好きことをしている夫婦、子どもがいなくても歳を重ねても楽しく暮らしている人たちを見ることが増えてきたので、年齢に縛られることも減ってきたかなと思っていても、無意識に自分の人生に線を引いていることにもやもやする。


そして、20代後半になって、10代のような肌トラブルはなくともすぐに乾燥したりしわやシミに少し敏感になってきたり、すぐにお腹が出てしまったり、ケアをしないと通常運転を維持できない。何もしないでもあの頃のうるうるぴちぴちには程遠い。徐々に「アンチエイジング」という言葉が自分事のように思うようになってきた。

それでも毎日接するおばあちゃんたちからすると「私の腕なんて汚いねえ…顔もしわしわ。あんたなんてぴちぴちじゃないの!いいわねえ」と言われる始末。何歳になったって、できれば若々しいことが羨ましく思うんだろうし、できればそうなりたいと思うんだろう。
メディアを見ても、「年齢の割にこんな若々しい方がいます!美しい方がいます!」と美しさや若さを大々的に取り上げることも多く、しわやシミがあることや年齢を重ねることが悪であるかように感じてしまうことがある。
さらには、SNSを中心に可愛い子たちを目にすることも増えたことや高校生の脱毛や整形の広告なども見かけるようになってきて、私が学生だったときに比べてどんどんルッキズムも助長されている。

年齢関係なく、どこかで私たちは社会がつくりあげた「理想とされる姿」を求められているように感じるのは共通認識なのかもしれない。



私自身は社会が作り上げた理想像から脱したいと思いながらも、やっぱり以前の記事でも触れたように世間の波と雰囲気にまだまだ流されている。
自分の軸が通っていると思っていても、どこかで固定概念に悩まされている。
「若いほうがいい」とか「可愛い」がもてはやされるとか、ライフイベントの適齢期とか、そんな風潮がつくられている価値観なんだろうなと思う。


歳を重ねるほど しわを刻むほど、自分の経験や知識そこから形成される考え方や雰囲気が味わい深くなる。そこにフォーカスし、自分を磨くことができれば社会が作り上げる理想像からは脱することができるのかもしれない。

可愛くありたいし、自分の理想とする身体のラインやお肌、人生の目標がある。それ自体はとても素敵なことだし、私自身もその目標に向かって毎日ケアをしている。自分のためであるからポジティブでいられる。それだったらいいと思う。

上記で挙げたようなあれこれ考えてしまうことは、きっと数年後にはなんてことない悩みかもしれない。だけども、周りは人生の転換期を迎えることが多く、”大人”になって時間が経って世間の雰囲気に流されそうになる私には「なんてことない」で片付けられない根深さがある。

ただある年齢をゴールとして、以降は落ちる。
それに抗うためではなくて、自分がベストだと思う時期にライフイベントを迎えられたり自分が素敵だと思う姿になれるようにコントロールできることこそ、今持っていたい自分軸なのかもしれない。

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