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「スターにはなれませんでしたが」私はとりあえず生きている


大変お久しぶりでございます。

以前の記事は2022年の5月、その後世間では夏が来て秋が来て年が明けてバレンタインも過ぎました。いかがお過ごしでしょうか?
この記事を目にした皆さんの日常が守られていることを、遠くからですが心より祈っています。

前回の記事はこちらになります。
良ければお暇なときにでも、ご覧下さい。

さて、今回のタイトルにあります「スターにはなれませんでしたが」というのは先日発売になった佐藤満春さんの著書です。この本を知ったきっかけは、ご本人の宣伝ツイートがたまたまタイムラインに流れてきたことでした。

どきどきキャンプというお笑いコンビの、ジャック・バウアーのモノマネをする方(岸さん)じゃなくて、トイレに詳しい方の佐藤さん。

本を知るまでの私の中の佐藤さんの認識はこうでした。もちろんお掃除が得意な方だという印象もテレビ番組を通して持っていましたけれども。
なので、佐藤さんが現在放送作家をされている番組が多くあることも、その中に私が日頃拝見している番組が含まれていることも、ラジオで番組をお持ちなことも、恥ずかしながら存じ上げませんでした。

では何故購入に至ったのか。
それは私がスターでは無いから。そして、放送作家さんであるならば本として言語化するのもお上手だろうと思ったからです。
もちろんスターの方だって興味を持ったのなら読んでみたら良いと思います。けれどどちらかというと、なにかになろうとしたけれど諦めた経験のある人や、自分にはやりたいことがないと感じている人など、「ちょっとこの世やりづらいな〜」と思う人にこそ、私はお勧めしたい。自分がそうだから。そして読んで良かったと感じたから。

「スターにはなれませんでしたが」の大きさは、いわゆるエッセイ本と同じで分厚さも同じくらい。私にとっては美容家の方やダイエットの方法論の本でお馴染みです。

しかし本を開いて驚きました。なんというか、文字が多い。確かに私が持っているような本とは違って写真や図解などは必要ないでしょう。実際写真はいくらか載っていますが、そこにスペースを大きく割くというよりも佐藤さんの文章や対談をページの許す限り載せようという気概を勝手に感じました。(違っていたらごめんなさい、製作関係の方々)

だからと言って読むのが大変かというとそうではなくて。ずっと語り口調で書かれていることや、少しプレゼンっぽく先にトピックを知らせておいてそれぞれについて掘っていくスタイルから、読みやすい本でした。ただ、普段そのサイズで読む本はもう少し行間が広かったり写真があったりするので思ったよりは時間がかかりました。

この本の中でいくつか共感した部分があったのですが、特に「それな〜!」となったのは、子供の頃の偽将来の夢の話。
幼稚園、小学校としばしば将来の夢を書かされる機会があると思いますが、私は特別職業としての夢は思いつかなかったですし、仮に書いても意味ないなと思っていたので周りの子供たちが書いているのを参考にでっち上げていました。それを特別引け目に感じていたことはありませんし、こうして本を読んで思い出したくらいなのですが、佐藤さんも将来の夢をでっち上げていたと知って衝撃でした。そんな人、自分以外で聞いたことがなかったから!
もしかしたら、聞いてみたら案外いるのかも知れませんね。偽将来の夢職人。

こんなところからも分かるように、周りの人に迷惑をかけないように、変な目立ち方をしないように、そんな風に生きて居ました。子細は異なるのでしょうが概ね似た考え方。更には、自分のために頑張るのはどうやら出来そうにないらしい、というこれまた私が自分を「根性無しだ」と思ってしまう部分の共通点。

もちろん別の人間で、境遇も環境も経験も違いますし、あまり祀り上げられるのはご本人の負担になると思うのでしません。けれども私にとっては「カテゴリーが近い人生の先輩」というひとつの拠り所になりました。この本を今読むことが出来たことに感謝もしています。

派手でなくてもいい、自分が目立たなくてもいい。むしろそこにはあまりギラつけない。
どちらかというとそういう考え方は歓迎されない世界に没頭していた時期があったので、己は相応しくないのだという一種の劣等感がありました。
ただ、そうだから続けてはいけないとかいうことはなくて。やりたいのならやればいいし、身の丈にあったように生きて行けたらそれでいいじゃないかと。自分で思ったり、近しい人から聞くこともありましたが、全くの第三者の言葉として聞いてやっと心に浸透した気がします。

いろいろ諦めた先にあった「自分の熱」を信じて動いた結果が、今
表紙にある文は、今の佐藤さんを表すのにこれ以上ない言葉だと思います。

私も「自分の熱」を信じてみようかな、それで縁があれば儲けもんでしょ。そんな風に思った、素敵な本でした。

次に読む本をお探し中の方、なにかの壁にぶち当たったことがある方、そして佐藤さんが参加されている番組がお好きな方。おすすめです。

(アフィリエイトではございません。)

では、ここまでご覧いただきありがとうございました!
あたたかくして、ゆっくり休んでくださいね🐑

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