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「ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会」の話

「ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会」 at 国立新美術館 

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絶対行く!と言いながらなかなか行けていなかったこの展示。暇を見つけてやっと行けた〜!

情報量が多すぎて、全部見るのにかな〜り時間が掛かった。
年代ごとに章が分かれていたんだけど、一つ一つの時代だけでも、展示として成り立つんじゃないかというくらい。よくこんなに資料集めたなぁ。そしてまとめたなぁ!
まさに戦後から現在までの日本の歴史をまるっと見ることができた。

戦後からの復興、64年の東京オリンピックの流れはまさに日本の歴史を物語っていた。
前回のオリンピックのユニフォームも展示されていてまさにベストなタイミング〜!って思ったら、当時は男に赤い服を着せるなんて!っていうクレームが入ったらしい。なんか、今も昔も変わらないね…と苦笑い。

60〜70年代のレトロな雰囲気も好き。服以外の資料展示もたくさんで、TD6(top designer 6)のショーチケットがめちゃカワイイ。山口はるみや石岡瑛子のPARCOの広告デザインも最高。

そして80年代から急に展示の情報量が多くなって全然前に進めなくなり笑、
90年代からは(特に後半)とにかく懐かしさの塊!
ストリートから生まれる流行がどんどん出てきた時代。

かの有名なALBAのブランケットコートが大阪の毛布職人によって作られていたっていうのは、初めて知った!ギャルブランドだと思ってたけど日本の技術にフォーカスしたブランドだったんだね。これは知れて良かった情報。

あと急に不意打ちで出てきた20471120!!!
ヒョーマくんよ!!
なーつーいーー!ってなってちょっと震えた。

思い返すとこの90年代〜2000年代の流行が私自身を作り出したんだよなぁ。
実際に何を着ていたかはさておき、その時代を生きて空気を感じていたっていう。流行ってそういうものだよね。
あと、ソマルタの横に歴代ヒートテックがずらっと並んで展示されてるのがかなりシュールで面白かったわ。

謎のコズミックワンダー推しが気になったり。

そして現在、未来へ。
過去を振り返りながらも、前を見て先に進んでいる現在進行形。なぜかここで胸がいっぱいになって泣きそうになった。謎の感動。
私たちは過去から今を生きていて、そして未来に続いているんだなぁ、と。

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珍しいな、と思ったのが、こういうファッション系の展示で伝説的に取り上げられがちなギャルソンやヨウジがあんまりフューチャーされてなかったのが意外だった。出てはいたけどサラッと流す感じで。
ファッション界に革命を起こした!とかいうのじゃなくて、もっとリアルクローズで偶発的に生まれた社会的流行に注目していた印象。
(例えばツッパリやコギャルなど)

ちゃっかりフォトスポットでセルフィーw(だれもいなかった)

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ファッションとは!
生活の一部であり、個性を表すもので、贅沢品でもあるし、命を守るものでもあるし、生き甲斐だし、そして時代を写す鏡。

自分はあんまり流行の王道!な道を辿っていなかったのでファッションに関してはまあまあ偏った思考を持っているのかなとも感じていたけど、それでもやっぱりちゃんと時代の中に包まれていたんだなと実感。
実際その時代の渦中にいるとそこまで気づかなかった流行もあって、なんか社会全体を俯瞰で見て冷静に分析された感覚。
ただ単に服好き!っていう人に向けてじゃない、もっと社会学?的な内容だと感じたな。

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とにかく見応えがあって面白かった!
図録もちゃんとGETしたのでまたゆっくり見返して考察しよーっと。
会期は9月6日までなので気になる方は時間をたっぷり取って、ぜひ。

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