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22年ぶりに再上映したゴーストワールドを観た話

10代後半の頃、とにかく私は映画や音楽などのカルチャーに対する知識欲にあふれていた。

名作映画、おしゃれ映画と言われる映画DVDを田舎のTSUTAYAで片っ端から借りまくった。
実家では、なぜか父親がWOWOWを契約していたので(本人は全然観ないのに)、番組表をくまなくチェックしては気になる番組(だいたい深夜枠)をせっせと録画することに勤しんでいた。その頃観た国内外の映画やライブ映像は、後の私の人生に大きく影響を与えたものばかりなので、まあ父親にグッジョブと言いたい。

そんなこんなであらゆるものを養分として、頭でっかちにぶくぶく育った私は、次第に同世代の仲間たちとは少しズレた嗜好に走っていき、だんだん話が合わなくなる。
サブカルクソ女のいっちょ上がりだ。
今の時代ならSNSで同じ趣味の人と簡単に交流できるけど、当時地方の片田舎に居た私には偏った趣味を持つ仲間を見つけることはとてもハードルが高かったのだ。

それらの知識は今現在、特に役には立っていない。でもふとした時に思い出すし、ごくごく稀にそういう話が出来る人に出会うと饒舌になったりして面白い。知識は裏切らない。

そんな私が、存在こそ知ってはいたが結局観ずに過ごしてしまったティーンズおしゃれ映画の金字塔と言われる(の?)ゴーストワールド
それが22年ぶりに映画館で再上映されるとのこと。なぜにこのタイミング!?て感じだけどこれも何かの縁。
渋谷の街へ、のそのそ出向いて行った。

観終わったあとは心地良い疲労感でぐったりだった。

全編に溢れる、若さ特有の自意識、自意識、自意識!

"媚びないワタシ"でいたいのに、他人の言動に左右されまくる、自分でもなんでこんなことしちゃうんだろ?って、わけわかんなくなる、自己嫌悪。

あの頃の私も完全にイーニド側だったから、どうしたって感情移入してしまう。
大人からしてみたら、「なんでそっち行っちゃうの~?!」って理解できない言動も、全部心当たりがあるんだよ、めちゃくちゃわかる笑。だからあらゆる黒歴史を思い出してうわぁぁ〜!!って恥ずかしくていたたまれない気持ちになった。
これは、大人になった今だからこその感想だなと。
当時リアルタイムで観てたら全然感じ方が違っただろうな。多分、イーニドかっけぇ!とかかな?笑

画一的な街、同世代の友達、周りの大人たちも、何もかもがハリボテの偽物に思える中で、はみ出しながら本物に触れたいと彷徨う若者たち。
あの頃の全てにおいてのままならなさが、たまらなく愛おしい。
SNSはもちろん、携帯もスマホも無い時代が更に閉塞感を醸し出す…
今のティーンたちが観たらどんな風に思うんだろうな?

イーニド側だったあの頃がある人にとっては、黒歴史掘り起こし装置として穴があったら入りたくなること間違いなしの一本だった。笑

今このタイミングで観られて良かったな。

「大丈夫、バカほど男女関係が得意なのよ」

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