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文学フリマ東京ありがとうございました

文学フリマが終わった。実は蒲田の時代から出店していたので、流通センターにはコロナ禍の時を除いてほぼ出ていた。それが最後。なんだか不思議な気持ちになって、浜松町からモノレールの景色をじっと見ながら向かった。
フジテレビが見えて嬉しくなる。修学旅行生の気持ちで流通センターに到着する。もう来ることはないだろう。昔、文フリを手伝ってくれた人の恋人が住んでいる最寄が流通センターだと言っていたことを思い出す。その人とはもうずいぶん連絡を取っていない。元気だろうか。

今回流通センターでの文学フリマが最後だというのに、全く他のブースを見られなかった。友人が少なく、もう手伝ってくれる人がいない。僕の生活が変わってしまったように友人の生活も変わり、なかなか自由に動けなくなってしまった。今回だってもっと厚い本を作りたかったが、限界だった。限界を超えていた。
どうしても欲しいと思っていた自分のブースから近いところだけを5分くらいで見て買って戻って、ずっと自分のブースにきてくれる人を待っていた。

僕が文フリに出店しはじめたのは、本当に何もしていなくてどうしようもなく社会性もなく誰とも関わってこなかったので、どうにか社会とつながらなければいけない。何かしなければいけないと思って小説を書いて売ることから始まった。そしたら文フリガイドブック(正式名称忘れました)に載せてもらったり、小説を寄稿したりして、なんとなく人と繋がることができた。僕を人間にしてくれた。
それから小説を書ける環境ではなくなり、生活のことを書いて本にしていた。
今はゆかりさんとゆきさんとの生活を書いている。育児なのか生活なのかわからない日記のようなエッセイを書いている。

文学フリマが終わる。撤収や椅子の片付けや机の片付けも慣れて体が覚えているほどにスムーズに終えてしまって僕の文学フリマの終わり。
今まで流通センターで出会って話してくれた人たちありがとうございました。あの頃の僕とは違い、もう僕はおじさんです。今回、僕が小説を孤独に書いていた時唯一の光のように、僕の小説を褒めてくれた人が来てくれた。

帰宅してすぐにゆきさんとお風呂に入った。ゆきさんは僕とお風呂にはいりたかったらしく、帰った瞬間に踊っていた。異常な興奮状態で奇祭が行われていたので、すぐにお風呂に入る。ゆきさんを呼ぶと来ない。さっきまでの奇祭のような踊りで満足したのか、もうお風呂はいいのっと言っていたが説得してお風呂へ。
一緒にお風呂に入り、ゆきさんの頭をマッサージするように揉むと目を閉じて嬉しそうにしている。もうさっきまで文学フリマの喧騒の中にいたとは思えないくらい穏やかな時間が流れる。

ちょっと調子に乗りすぎて本を刷りすぎてしまったのでお風呂から出てすぐに通販の準備をした。

https://goyaku.thebase.in/

爆発くらい売れてほしい。
毎日ゆきさんと保育園へ行く時、神社に寄って「今日も1日よろしくお願いします」と2人で祈っているが、これからは本が売れてほしいと願ってしまう。

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