育休日記「休まず育てる」その8

辛いことがあるとどうやって切り抜ければいいのだろうと悩んだら、とりあえず寝ている。なので僕はよく眠る。20代の時は今よりも寝ていた。子のゆきさんのミルクの時間で起きる今が人生で一番起きている時かもしれない。起きる時間が多いと考えてしまう。不安になってしまう。解決はしないがとりあえずは逃げる。
逃げても進んでいる。
最近自分の手の存在を知った子が、辛いことがあるとそれをしゃぶって切り抜けていることに気付いた。
お風呂上がりの着替えや、眠りたいけれど眠れない時に拳を口の中に入れてしゃぶっていた。まるで新撰組の香取慎吾の写真のように拳は手に収まっている。
まだ完璧に自分の手を口に入れられないので失敗すると泣く。辛いんだわーという泣き方。
夜になるとそのしゃぶる音と、なんか嫌なんだわ〜という意味であろうぁ〜ぁ〜と漏れる声が聞こえる。
うまくしゃぶれない時は二の腕をしゃぶっているし、ゲップさせる時にほっぺに添えた僕の手さえもしゃぶろうとしている。精神を安定させたいのだろうな、と子を見つめる。目が合っても辛さは共有できない。
いつまでもこの感情は共有できないのかもしれない。だから気づくしかない。子がまた手をしゃぶろうとしたが失敗して泣いている。
共有はできないが共感しながら抱っこをする。
僕も爪を噛む癖があるからとてもわかる。わかる。

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