ゆかりある日記 その33

病院へゆかりさん

ゆかりさんのくしゃみで起きる。一昨日から職場のハウスダストにやられてしまったらしいゆかりさんは苦しそうで、これはだめだと思いゆかりさんを起こす。
ゆかりさんは起こされるのが大嫌いなので、一瞬ためらうがくしゃみと鼻詰まりが辛そうなので無理やり起こす。ヤメローとモスキート音のようなささやかれても、毛布をはいで起こす。今日だけ僕はちびまる子ちゃんの世界にいる気分で、毛布をはぐと、カブトムシの幼虫のようにくるまったので、無理やり起き上がらせる。
ヤメテクレー、ヒドイヒドイといつもよりゆっくりとした口調も無視をして脇の下を抱えて立ち上がらせようとする。
力の抜けた猫のように立ち上がることはせず、ナンテヤツダナンテヤツダ、ヤメロヤメローと言うが僕はゆかりさんを病院へ連れて行く。

人間になる

文学フリマが終わってから疲れと色々で人間を忘れていた、と気づいた。肌はボロボロ、本棚もぐちゃぐちゃ、洋服は畳まれず置きっぱなし。ゆかりさんはなぜそんな僕を叱らなかった。優しい奴め、と思いつつ、無理やり起こして、病院へ行きなさい!!と強い口調で言ったので、しぶしぶ病院へ行っていた。
良い天気なので洗濯機を回す。回している間に床を拭く。そして洋服を畳んでいく。その間に洗濯機が終わりを告げるので干してから、また洋服を畳み終えて、本棚を整理する。本棚はまだ本が溢れているので、どうしようかと思って、本をあんまり読んでいないことに気づいた。読みかけの本や読みたい本を並べる。ここが一番自分好みの本屋になる。ようやく人間に戻った気がした。お風呂に入ったあとは化粧水をしよう。

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