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汚れた手で

YouTubeを見ていると勝手に「坂本龍一」関連動画を奨めて来るのでうっかりあれこれ見てしまう。
価値のあるものもあればゴミみたいなものもある。
かつて彼がDJを務めていた「サウンドストリート」の録音などは非常に素晴らしいですね。
うちにもテープがたくさんあるよ。まだ聞けるかな。

私はテレビを見ていなかった時期が合計15年ぐらいあるので、懐かしい映像もあればまったく知らない映像もたくさんあった。

興味深かったのはO田T夫(なんとなく伏字)の「オネアミスの翼」秘話。
彼によると坂本は、アニメーションが絵コンテに添って精密に時間を割り振られていることに可能性を感じていたらしい。
秒数が決まっているのなら、それに合わせて作れば自分の意図する完璧な音楽を付けることができるのではないか?って。
しかし実際に映像を作っていくと時間はずれるし、どんどん構成は変わっていくし、絵コンテどおりにはできあがらない。
アニメに明るい人なら知ってることなんだけど、坂本は知らなかったらしい。

さらに音の入や切りを決めるのは音響監督なので、彼には曲の使い方の主導権もない。
そんなこんなで不本意な仕事になってしまったようだ。
まあこれ自体は「へー」で済む話なんだけど、聞き捨てならないのは以下の部分。

「坂本さんは知名度は高いけど、アルバムが売れないんだよ。
アニメの力を借りて売りたいんだよ」

って周囲が言ったというんです。
はあ?何言っちゃってるのかしら。
「オネアミスの翼」は話題になったし坂本が音楽をやったからもちろん見たけど、私的にはとても微妙だった。
作曲者みずからが歌った軍歌を加味しても68点ぐらいだと思いました。
オリジナルアニメーションでもっとすごい作品たくさんあるしね。
坂本に貸すべき「力」なんて持ってないのでは。
でもまあ、実際に関わった人による貴重な一次情報には違いない。

こういう動画は良いのですが、大して興味もないくせにニュースを見て「いっちょかみ」してくるバカほどイラつくものはない。
誤字脱字はあたりまえ、情報も間違いだらけ。

汚い手で坂本に触るな。

つらい毎日の記録