見出し画像

実家+母=疫病神。

実家を抱えて途方に暮れている女子は何万人もいると思う。
私もその一人。

大豪邸の娘なら実家はそのまま財産だから何も困らない。
むしろ自分のものになる日が待ち遠しいかもしれない。
または日本の原風景が残る田園地帯の美しい古民家なら、希少な物件としてのニーズもあるだろう。

私のようにさえない田舎の安普請のボロ屋を抱えた女子は本当につらい。
冬は死ぬほど寒く、実家に帰れない。
ようやく春になったと思ったらすぐに梅雨。
大雨の予報が出ると毎日心配だ。
梅雨を無事にしのいでもすぐに台風シーズン。
ゴールデンウィークが終わると秋までずっと実家の心配は続く。

うちの場合は母親が馬鹿野郎で「家を長持ちさせる」ことをまったく考えておらず、10年以上前に仏間の床が腐って落ちた。
誇張ではなく、本当に落ちたのだ。
ボロボロの畳がぐしゃっとなって床にめり込んでいた。
基礎の大引が腐食したことは明白だった。
空き家では見たことあるけど、人が住んでいる家でこんなことになっている例を私は他に知らない。たった一つのサンプルが実家とは情けない限り。
娘にこんな思いをさせる母親はほんとうに親失格だと思う。
母はリビングから仏間に移動する通路を確保するため、ブカブカになった床の上に解体したタンスの板などを何重にも敷いて無理やり通っていた。
まずここがおかしいよね。。。

バカみたいな創意工夫してるヒマがあったらさっさと修理頼めよ。


とりあえず見積もり頼むぐらいできるでしょう。
てか、そっからどうするつもりなん。

腐った床の上に板ならべたら修理完了ってか。

家の知識が少しでもある人なら、できるだけ早く腐食した木や畳を取り除くだろう。
修理がしやすくなるし(どうせ修理は必須)、風を通せば腐食が止まる。
なんでさらに腐る方向に努力しちゃうかな。
母は業者が来ても床下が見られないほど上に端材を並べ立てて、見積もりを頼むたびに私は本当に恥ずかしい思いをした。
母がわけわからず変なことをするのは勝手だが、「この娘は何やってんだ」って私まで阿呆だと思われるのが心外だ。
私も当日の朝に自宅から実家に行くわけで、腐った床の上にバカが並べ立てた廃材をどかす仕事のために毎回毎回、時間を取られたくない。
どかしていた時期もあったが、次に行ったらまた前と同じ状態にしているのを見てやめた。
限られた時間を裂いて作業した労力、工夫、思いやりがまるっきりムダ。
振り返ればこの人のおかげでどれだけの時間が無駄になっただろう。
子供の時間を食いつぶす化け物だ。

ばかだから口で言ってもわからないんだ。
床を踏み抜いて大怪我でもすれば気が付くだろう。
母だって大人なんだし、自分の判断でやってんだから勝手にすればいい。
そもそもこの人の「毒」でずっと苦しめられてきた私が、なんでそこまでやらなきゃいけないの?
しかも感謝もしないで悪態ばかりついてるのに。

とか思っていたけど、結局この人は何も気づかず10年以上もたった。
家は自然治癒などしないので壊れていくばかり。
このままでは本当に住めなくなってしまうし、4つしかない部屋の1つが使えない状況だからモノがあふれて本当に緊急事態。
帰省した時も座る場所すらない。

自分のために、4年前ぐらいから腰を据えて片づけをはじめた。
まずはプレハブ倉庫Aから。

倉庫A
ガラクタを整理し、可能な限り効率的に収納。
・不要なコート20枚ほど処分
・ラタンカーペット3枚を他人に譲った
・未開封の衣装ケース5個を他人に譲った

次はプレハブ倉庫B。

倉庫B
中にあったタンス4個、巨大な食器棚、巨大なサイドボード、計6個を粗大ゴミに出し、リサイクルショップで見つけた倉庫用の棚を壁一面に設置。
物置としてしっかり機能するように整えた。
・中から出て来た不要な食器、約100枚ほどを処分。

次は物置になっている洋間。
巨大タンス3個、和ダンス1個、計4個を粗大ゴミに。
押し入れにつっこまれたガラクタを取り出し、床一面に積まれていた衣装ケースを天井まで積む。
床面を空けて作業時の休憩場所を作った。
タンスが並んでいた壁面にはカフェ板でラダー式の大型棚を作り、モノをしまった。
・不要な服を300枚ほど処分。
・母の実家の実家からもらってきた布団ケース1つ、白アリの巣になっていたのでまるごと廃棄処分

そして去年末、とうとう和室に着手。

床が腐った和室
建築関係で働いていたというキャサリンに来てもらい、腐食した床を解体してもらった。
業者なら数万円かかるところ、数千円でやってくれた( ;∀;)
・山のような解体材を即、業者さんに持って行ってもらった
・古い洗面台などもまとめて持って行ってもらい、庭がスッキリ
・しかも激安

すぐに修理してフローリング化するはずが手が付けられないほど痛んでいることが判明し、基礎も解体してまるっきり何もない状態に。
10年以上動かなかった事態が一挙に動いた瞬間だった。
しかし、柱が通っているため抜けない土台が残っている。
キャサリンが言うには、この土台はもちろん交換できる。

一挙にやったほうがいいが時間がかかる。
早く進めるため、物置でも庭でもいいから泊めてほしい。

というのだが、さすがにそれは無理。
私だって旦那が女友達と実家に行って、そこに女友達を泊めると言われたら不快だ。
そもそもこの家には私が泊まる場所がない(・_・;)
宿泊に関して対案を色々出したが意見が合わず、結局、キャサリンとはもう半年もまともにしゃべっていない。
私は変人だけど、向こうも向こうで偏屈なんだよね。
まあ普通の人なら身勝手な私にはつきあえないと思う。
キャサリンは無職なので、少ないけど日当は払って生活の足しにできるよう配慮していたつもりだった。
なのに、ネカフェなどに泊まってくれれば宿泊費も出すって言ってるのにいっこうにイエスと言わない。
自宅ならともかく、なんで実家のせいで知人と気まずくならなきゃいけないの。
ほんと腹立つわ。
いちばん腹が立つのは、これらの作業をやってる間、他人事みたいにテレビ見てるだけの母親ですけどね。
そんで、頼まないとお茶の一杯も出てこないんだからほんとに頭がおかしい。何だと思ってんだろ。
ほんと疫病神だよ。

そんなこんなで解体から1年たって鬱だったのだが、なんとか受けてくれる業者が見つかった。
そこそこベテランで、すぐにとりかかれて、材料を用意すれば日当だけで来てくれると言う。
ありがたい。

和室ができあがれば他の部屋につめこんでいる荷物を移動できるので、やっと普通の家になる。
廊下の床がべこべこしているので、ようやく修理ができる。
修理をするための修理って感じだ。

工事を前に、しばし満たされた思いの今日。


つらい毎日の記録