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本当の意味での「人は変われる」

こんにちは、"dawn"です。
私の投稿に興味を持ってくださり、ありがとうございます。今回は、私がこれまで読んだ本の中で最も価値観への影響を受けた本の中の一つ、『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』をご紹介します。

というのも、私はこの本のおかげで、自分の人格に対する捉え方が変わりました。自分が所属するコミュニティや人との関わりの中で、より幸福度を高めるヒントになったのです。特に「第三の自分」という考え方にはとても大きな発見がありました。

自分の人格に何かしらのコンプレックスや悩みを抱えている方、もっと活き活きと人生を送りたい人向けに、何かしら考えがアップデートされるキッカケになれば幸いです。では早速いってみましょう。


自分を知る

本書によると、私たちはパーソナリティ特性という概念で自己や他者を評価・理解していると述べています。平たく言うと、「自分は~な人間だ」「あの人って~だよね」といった風に、特定のタイプに人を当てはめて論じるということです。

ですが、個人のパーソナリティ特性は本来、複数の要素で構成されるものであり、なおかつ、それらはゼロイチで分類できるものではなく、連続的な尺度の中に位置するものです。つまり、その人の人格は複数の要素で構成され、それらは白か黒かで判別できずグラデーションがあるということです。

こうしたパーソナリティ特性を構成する主要因子について、心理学界隈で一定の権威性がある分類に「BIG5(ビッグファイブ) Test」があります。

BIG5(ビッグファイブ) Test

「BIG5(ビッグファイブ) Test」では、個人のパーソナリティ特性を以下5つの因子に分解します。これらは、半分は遺伝的な要素によるものであり、主観的な幸福度や健康に大きく影響するとされています。

①外向性
外部からの刺激に対する感度。平時の覚醒レベルが低い人は刺激(人との接触やそれによって得る事柄にモチベーションを感じる)を求め、逆に高い人は刺激を避ける(人との接触を控え心配事の回避にモチベーションを感じる)ということ。現在まで、社会的に外交的な方が良いとされてきた。

②協調性
社会的調和に対する関心レベルを反映する指標。他人とうまくやっていくことを重視し、他者の人間性についても楽観的な見方をしがち。第一印象の良さや長期的な関係構築に有利に働きやすい反面、貪欲に目標達成するという場面では、協調性が低い方がパフォーマンスを出しやすい。

③勤勉性(誠実性)
規則正しく秩序だった予測しやすい環境に馴染みやすく、真面目で忍耐強い傾向にある特性。反面、アドリブや即興を求められるような変化が激しく混沌とした環境が苦手。誠実さのレベルは若年成人で平均が上昇し、その後高齢者になると低下すると言われている。

④情動性(情緒安定性)
怒り、不安、抑うつなどのネガティブな感情への感度。心理的ストレスの受けやすさとも言える。人類の進化の過程で危険察知能力的な位置づけで残存した特性。他の特性を増幅させることがあり、勤勉性を高めたり協調性の低さを増長させたりする。なお、この特定が低い=ポジティブな感情を多く経験する訳ではなく、どちらかというと無感動・無関心に近づく。

⑤創造性(開放性)
新しい考え/人間関係/環境の受け入れやすさの度合い。独創性や好奇心があり、一貫性や用心深さが対比関係にある。遺伝的要素が一番強い。不安や抑うつ、敵意のようなネガティブな感情も、喜びや驚きのようなポジティブな感情も多く経験し、幸福に対して複雑な捉え方をしがち。

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ちなみに私は以下のような結果でした。

かなり内向的で、協調性はあって、ちょい真面目、
割と感情的で、多様性は受け入れる方…といったところでしょうか。

生まれの自分と育ちの自分

以上がパーソナリティ特性の基礎です。これはおおよそ50%が遺伝的なモノで決まっているとされています。デフォルトの脳の作りで決まっているということです。そして、この特性をベースにしつつ、幼少期の生育環境によって人格が形成されていきます。これが、「生まれの自分」と「育ちの自分」です。「生まれの自分」の特性が生育環境によって増幅されたり、修正を加えられたりするということです。

私たちが一般に考える「私って~な人」という自己認識はここに立脚していることが多いのではないでしょうか。私の場合、カギっ子の幼少期(~12歳位)に家で一人でいる時間が長かったことにより、内向性や情動性が増幅されたように思います。ざっくりまとめると以下のような感じです。

<生まれの自分>
好奇心はある程度あるが、それ以上に感情が過敏で臆病。
自分に対しても他者に対しても、人と違っていることを認めやすい。
<育ちの自分>
一人っ子&カギっ子の幼少期で低刺激に慣れきって交友の刺激に敏感。
「自分と他人は違う」がベースなので、譲れない部分以外は基本合わせる。

このBIG5(ビッグファイブ) Testは、自己理解を深める上で有用なのですが、本書『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』の真価はここからです。というのも、生まれや育ちに基づく人格があった上で、人は「第三の自分」になれるというのです。

第三の自分を見出す

ここまで説明した「生まれの自分」と「育ちの自分」によって自分の人格が形成されるとすると、極端な話、人格がある程度固まってしまえば自分を変えることはできないという運命論的な話になってきます。

これまでの人生で形成されてきた人格が、今いる環境と合致していれば幸せになれる。そうでないならば、不幸にならざるを得ない。これでは救いがないですよね。

ですが、本書では「生まれの自分」と「育ちの自分」に加えて、何かの目標(=パーソナルプロジェクト)のために特定のパーソナリティを演じることができると述べています。

何かのための自分

何かの目標(=パーソナルプロジェクト)とは、愛情やプロ意識などから生まれます。普段サバサバした性格の人が子どもの前では柔和な人柄になる、いつもおっとりした性格の人が仕事の時はハキハキとしているなど、何かの目的のために演じている人格のことです。本書によると、これは「何かのための自分」という、嘘偽りのない人格の一つと考えます。

ここで大切なのは、「何かのための自分」を演じるということは、「生まれの自分」や「育ちの自分」も含めた自分を100%変えてしまう訳ではないということです。

言い換えると、場面に応じて使い分けられたそれぞれの側面はすべて本当の自分であり、どれがメインでどれがサブというものでもない。たった一つの「本当の自分」なんてない、ということです。その分、「生まれの自分」や「育ちの自分」として振舞える環境やコミュニティも必要になってきます。本書では、回復する場所と表現されています。

自己肯定するのではなく自己受容する

だとすると、「生まれの自分」や「育ちの自分」が、何かの場面でネガティブなものに感じることがあったとしても、それを「自分は変われるから大丈夫!」と無理やり肯定する必要はない。「確かに、自分にはそういう一面はある。」と受容して、その上で「この局面だけはこういう自分になるんだ。」と振舞える可能性が生まれます。手放しで褒められないような一面も受け入れつつ、今この瞬間だけでも理想の自分になろうと努力することができるのです。

この考え方は私の中で大きな気づきとなりました。というのも、自己肯定という概念に対して、私は以前からどうにも背伸びというか無理があるように感じていたんです。現在の自分のネガティブな側面を否定して「理想の自分に変われる」という、前向きだけどどこか現実離れした頑なさを感じてしまっていました。執着が生まれるような気がしてならなかったのです。

ですが、パーソナルプロジェクトのための「第三の自分」という考え方は、自己肯定ではなく自己受容を前提としており、「生まれの自分」と「育ちの自分」を受け入れ、人格を変えるのではなく、新しい一面として「何かのための自分」を磨き上げていく立場を取ります。

本当の意味での「人は変われる」

今の自分を否定して全く異なる自分になるのではなく、一側面としての新しい自分を作り出す。自己受容しているからこそ、自分の全部を変える必要はない。まるっきり別人になる必要はない。「こうありたい」という自分を言語化して、そういった側面を作ろうとする感覚が、本書を通して理解できました。地に足ついた「人は変われる」という価値観をもつことができたのです。

この価値観への気づきをくれた『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』は、私にとって思い入れのある一冊です。この記事をキッカケに気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
また、別の投稿でお会いできたら嬉しいです。ではまた!

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