見出し画像

コンビニさん

スーパーは見切り品も無く、夕ご飯に悩みコンビニに入る。得体の知れない軽快な音楽が気にならない程疲れている。お弁当?おにぎり?レンチンのおかず?ぼんやり眺めて通り過ぎては戻る。

昔知り合いに「あなたはコンビニみたい」と言われた。成程と思っていたし、言われた時は特段気にも留めていなかった。

何かの拍子にこの話をしたら、聞いた相手は酷く怒っていた。「そんな事を言われたの?どう言う神経をしているのかわからない!相手すごく失礼!」インデアン嘘つかない的な喋りで怒る。

その時初めて自分の自分に対する価値を見出せてない事に気付く。遅いよ。
何歳だよ。
実は別の所でも似たような事を言われた事がある。すごく便利だから、と。間違っても呪術が使えるとかそう言う便利な人間では無い。

多分、自身をSNSで相手が知りたくも無い情報を流し、偶にデートの参考程度の場所に出かけているとかのそう言うちょっとした何か。
仕事柄皆が普段用事が無い弁護士とかあれこれ知り合いが多いのでそう言う時の人。
はたまた映画を観に行くのが1人じゃ嫌とか、そう言うのにも便利。当たり障り無く出しゃばらず。

偶に深刻な悩み事を相談されたり、ただ愚痴を聞いてと連絡が入る。相手は散々話したい事を話して終わる。お金の相談は相手の給与明細見ながらアドバイス。

まさにコンビニさん。

でも特別大事な人じゃないから用事が無ければ脳の片隅にも居ないし、わざわざ「元気?どうしてる?」と聞く必要も無い。仮に気にしても流れるSNSで見れば充分だから。何時でも営業していて、困り事の時にだけお立ち寄りする。お気に入りの店でも無くただ便利。

だから初めの言葉も悪口というよりそのものだと納得していたので、失礼とか思いもしなかった。自己肯定感が低い訳でも無いと思いたい。その程度だと思って居るだけだから。

結局ご飯を食べる気持ちにもならず、
気になるものを買う。

画像1

コンビニスイーツそのもの。

人生の節目というのもあり、昨年末から今まで徘徊していたSNSを止めた。理由は仕切り直しで少し方向転換しただけ。
こうして3ヶ月過ぎたけど、特段何事も無いまま過ぎているし、誰からも連絡は特に無い。



困った事にほっとしている自分がいる。





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?