線形代数と僕 大学編1 - 行列とmatrix
高校編からの続きです。
大学では物理専攻です。入学早々から線形代数の授業がありました。
レポートという名の行列の計算練習がたくさん出ました。こんなに四則演算したのは小学生以来だったと思います。
忘れられたレポート
一晩かけて40ページぐらいのレポート書きました。充実感を胸に大学に向かったのですが・・・なんとカバンに入っていない。大学までは片道1時間以上かかったので取りに戻れない。
帰宅すると・・・玄関にポツンとレポートが。
当時の再現してみました。
膝から崩れ落ちるという表現がありますが、ぴったりでした。
30年前のことですが、いまだに思い出します。
なぜ、カバンに入れなかったのが本当に謎です。
ちなみに、このレポートは出せなかったんですが、単位は無事に取れました。
単位は取れてもよく分からず
授業は受けたのですが、結局、線形代数が何なのかはつかめず。固有値とか固有ベクトルとか大事そうなワードも新たに出てくるのですがどう大事なのかよく分からず。
大学1,2年は数学の授業も多いのですが、その意味合いは今後の物理の下準備ということで「そのうち分かるから」みたいな言い方されるんですよね。それはそうなんでしょうけれど、ちょっともやもやしました。
いまだったら、ネットでいくらでも調べ物もできるし、パソコンで計算させたりグラフもアニメーションさせて描かせたり自由自在。理解がぜんぜん違うだろうなと思います。
行列は matrix
授業や教科書は日本語でしたが、僕は健気に用語については英語で調べるようにしていました(紙の辞書や辞典でですよ)。今後、英語で困らないようにということもありましたが、そもそもほとんどの用語は外国語からの翻訳なわけで、翻訳元を辿っていくと用語の概念をより深くつかめると思っていたからです(英語からの翻訳とは限らないですが英語以外に手を出す余力はなかった)。
行列が matrix(マトリックス)ということを知ったときは驚きました。matrix は、母体、基盤、新しいものが生み出されるもととなるなにかとありました。語源は mother から。
"行列"という「縦横に数字並べてみました」ということ以上になにか言っているとは思えない言葉に比べると matrix とはなんと豊かなのでしょう。
この時から"行列" という訳語はいまいちではないかと思い続けて20年以上、もっと気が利いた訳はないかと考え続けているのですが・・・思いつかない。"母型" というのが唯一の思いつきですが、数学の用語としてはちょっと色っぽすぎますよね。もう少し色を抜いてかといって無味乾燥じゃないのを思いつきたいのですが。
行列を表す記号として m や g がよく出てきますが、m は matrix の m でしょう。g は何かなとおもったのですが、たぶん generation から来ていると思っています。generate には子どもが生まれるという意味もあるし mother ともつながりますね。
数学や物理に出てくる記号はたいてい、a,b,c… x,y,z とアルファベット順に使うことが多いですが、そこから外れる使い方のものには何らかの意味があることが多いです。ちょっと由来を気にしてみると理解につながることもあるのでおすすめします。
マトリックスといえば
マトリックスというと映画を思い浮かべる人が多いと思います。1作めが公開されたのが1999年、僕が大学を卒業した年です。
当時、すごく話題になりました。僕も興味津々でした。"マトリックス避け"はインパクトありましたが、それよりもとにかくそのタイトルにですね。なぜにマトリックスなんだと。まさか大学生が行列の計算練習する話じゃないよね。(キアヌ・リーヴスはちょっと)
大学編2へ続く。
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