ミールスについて少しまじめに考える1-2
前回、本やウェブサイトで定義されたミールスとは南インドの食事ということがわかりました。今回は、ミールスをどうやって食べるかに焦点を当てて考えていきたいと思います。
ミールスの食べ方
『南インド料理とミールス』柴田書店
前回に引き続き、『南インド料理とミールス』を読んでいきましょう。
『作ろう!南インドのミールス』ブックウォーカー
こちらも前回のとりあげた本です。
『作ろう!南インドのミールス』「ミールスのコツ」
こちらは上の本と同じですが、インド食堂チャラカラの方が寄稿したミールスの食べ方です。
『カレーライス進化論』イーストプレス
スパイス&カレー専門家水野仁輔さんの本にもミールスをとりあげた文章がありました。
カレーとミールスの楽しい食べ方〜エリックサウスの場合〜
日本でミールスが知られるきっかけをつくったともいえる南インド料理店エリックサウスも食べ方をウェブに掲載していました。
「インドカレーの食べ方にマナーはあるの?インド流の食べ方をチェック!」
こちらも前回に引き続き『NISHIKIYA KITCHEN』の記事です。
「なお、ご紹介するインド流の食べ方はあくまで一例であり(・・・)マナーにとらわれ過ぎず、ご自身の食べやすい方法を選んで構いません。」と前置きして以下のように食べ方が紹介されています。
結果
本やウェブに書かれたミールスの食べ方をおおまかに書き出してみました。
1 ミールスは食べ方も自由、現地では最後にバターミルクでしめる。
2 ライスに混ぜて食べる。おかずが組み合わさることで味が複雑になりおいしくなる。
3 日本で「全部混ぜて食べる」とよく言われるが、南インドでは見たことがない。それぞれの料理を味わってみてください。
4 ランダムに混ぜながらたべていくのが特徴的なスタイルだ。
5 適度に混ぜる。全混ぜタイムがある。
6 数種類のカレーを混ぜ、さらにヨーグルトと混ぜながらいただきましょう。
こうして食べ方を書き出してみると、共通していたミールスの定義とは異なり、さまざまな食べ方が紹介されていることに気付きます。
これら食べ方の特徴を料理を複数混ぜる/混ぜない、自由/規則性があることに注目して、以下3つに分類してみました。
①消費者が自由に食べるといった主張の自由派(ここにはランダムに混ぜる・数種類混ぜる・混ぜてもよいといった言説も含まれます。)
②料理を全部混ぜて食べる全混ぜ派
③それぞれの料理を味わう単独料理派
まとめ
1部では、ミールスの定義と食べ方をまとめました。前回、ミールスとは南インドの食事という点で、すべての本やウェブの言説は共通していました。今回、食べ方をみると複数の方法が紹介されていて、共通性ではなく食べ方の違いが際立つ結果となりました。
南インドの食事として定義されているものに、なぜさまざまな食べ方があるのでしょうか。この問いについては、3部の考察で私の考えを書いてみたいと思います。
次回から2部に移っていきます。2部ではインドで食べたミールスの定義と食べ方をまとめていきます。
読んでいただきありがとうございました。
参考文献
玉置標本 2021『作ろう!南インドの定食ミールス』ブックウォーカー
ナイル善己 2017『南インド料理とミールス』柴田書店
水野仁輔2017『カレーライス進化論』イーストプレス
"インドカレーの食べ方にマナーはあるの?インド流の食べ方をチェック!". NISHIKIYA KITCHEN. 入手先 <https://nishikiya-shop.com/column/170> (参照2023-2-20)
"カレーとミールスの楽しい食べ方 改訂版". 入手先 <http://blog.livedoor.jp/inadashunsuke/archives/33274532.html> (参照2023-2-20)
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