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「GIGAスクールのお手伝い」実際にやってみたよ

はじめに

GIGAスクール整備のお手伝いをさせていただくことになり、約1年が経ちました。

メインの業務があるので、あくまでも教育委員会をサポートする立場で関わらせていただいたのですが、個人的な想いもあり出来る限りのことをしようと決めたものの、なかなか思う通り進めることが出来ないままあっという間に時間が過ぎました。

僕が所属しているような小さな自治体では、専門性の高い職員がいないなんてことはよくあります。そんな中でのICT化は本当に困難なことが多くあります。
教育委員会部局にICT担当がいなかったため、当初設計段階からとても困っていました。僕は全く異なる部署だったのですが、コロナの関係で早急に整備する必要に迫られている現状から、急遽サポートする事になりました。
ただ、そもそもエンジニア経験もない素人がどこまで出来るか不安でしたが、たくさんの方に助けていただき、学校のICT整備を進めることが出来ました。
サポート役がサポートされるという不思議な関係で、どうにか次の整備が完了したところです。

現時点で整備出来たこと

・教室Wi-Fi整備(体育館含む)
・全生徒iPad配布(担任含む)
・クラウド整備(アップルスクールマネージャー・Microsoft365)

サポートで助かった制度
たくさんの関係者の方にヒアリングしたり、文部科学省のドキュメントをひたすら読み漁ったり、You Tubeを1.5倍速で夜な夜な見たり、Google、Microsoft の営業やパートナー会社から直接情報をいただいたりの日々。
そんな中、特に有り難かったのは総務省事業の地域情報化アドバイザー制度でした。
実際に数年前の時点で学校をサーバーレス化していたり、一周先のICT整備を進めている実績のあるアドバイザーの方にリアルな知りたい部分をアドバイスしていただき、本当に助かりました。

まだまだ整備がスタートしたばかりで、本格的な運用と環境のアップデートはこれからだと考えています。

なにせ初めてづくしでやってみないと分からない(検証時間をもっと捻出できればそうでないのかもですがw)ことだらけ。
正直、失敗の連続です。こちらも備忘録をZennで残しているので紹介しておきます。

現在進行中

今お手伝いしていることは

・GoogleWorkspace導入
・情報資産台帳整備
・先生業務DX

あたりです。

Microsoft365で全先生と生徒にライセンスのあるアカウントを導入整備したのですが、

・シングルサインオンによるサービス利用でGoogleアカウントがあれば便利
・全国的にGoogleが多いので、今後学校でのICT活用で有益なものが出てくる可能性が高い
・Googleはやっぱり便利(ざっくり)

以上から、同じドメインでGoogleWorkspaceについてもテナントを整備しようと進めています。

個人的に思うことは、GIGAスクール構想の本質はクラウド整備だと考えています。
実際は、多くのメディアでタブレット整備が取り上げられてきました。しかし、GIGAスクール構想の実現パッケージ(出典:文部科学省)ではクラウド・バイ・デフォルトが明記されており、You Tubeの説明会でもアプリではなく、ブラウザベースでの教材利用を想定していると説明されています。

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GIGAスクール構想の実現パッケージ(出典:文部科学省)

特にGoogleはITの段差を意識した設計となっています。
同じアカウントでたくさんのサービスを横断的に利用できるため、とにかく効率的に作業が出来、利用しやすいといった特徴があります。

クラウドの基本設計

メインのクラウドはMicrosoft。他の学校との共同授業や利用するサービスによってはGoogleも同じアカウント名で利用。生徒が利用するデバイスはiPadで、Microsoft Intuneを利用してデバイスを管理。ただしメールは県の共通システム。

現場が幅の広い運用が可能になればいいな。という構成です。

優良教材がApp Storeに多く存在し、Windowsより安定している(WindowsPCによりますが)といった考え方でiPadを導入。
クラウドはMicrosoft365、GoogleWorkspaceの両サービスを利用できるため、実際はデバイスを選びません。リプレース時にWindowsPCでもChromeBookでも変更できます。
ルールをしっかりと決めて運用することが大切ですが、家でアカウントを利用する場合などでは、あらゆるデバイスから複数のクラウドサービスが利用可能となります。

情報資産台帳

セキュリティポリシーも絡んだ話になるのですが、デバイスやネットワーク機器をきちんと管理していないと後々の運用管理が煩雑になったり、思わぬところで情報漏洩などの事故を発生させてしまいます。
管理担当が整理しやすいように、SharePointリストとPower Appsを利用して情報資産台帳を整備しました。

せっかく大規模なICT整備をするのだから、先生業務のDX化についても検討してみました。
とは言ってもなかなかサポートする立場で組織の体制等の根源の部分をどうこうは出来ないので、クラウド使ってこんなことできますよ!とか、先生がこんな事したいけど何か方法ありますか?に対してこんなん如何でしょうか?といったゆるーい感じです。
何度か学校にいったり、Teamsでやりとりしながらのサポートをしています。
ちなみに教育委員会が別途サポート員制度を利用して先生方のICT利用のサポートをする体制も強化される予定です。

サポートの参考記事
先生方にMicrosoft 365のクラウドサービスの活用方法等の参考情報を必要に応じてTeamsで共有するようにしています。
何度も複数の学校で個別説明する工数を減らすことができたり、僕がいなくても先生同士で情報共有出いないかと考えました。
また、基本的にはヘルプやドキュメント、トレーニングを個別で確認してもらうように話はしていますが、便利に使えるといった認識を持ってもらうことがDXに大切な意識改革に繋がればいいな。と考えました。

参考に上記リンクを貼っておきます。よかったら活用してください。

まとめ

最初は半端にサポートして、逆に迷惑かけてしまわないか心配でした。
「教育現場とズレた整備になってしまって使い物にならなかったら・・。」とか、スケジュール感が超タイトだったので「頓挫して投げ出したような形になってしまったらどうしよう。」など、正直不安でしたが、たくさんの方のおかげさまで、どうにか形になってきました。
全てが思った通り出来ていないにも関わらず、先生方から感謝の言葉を頂いたり、教育委員会からも身に余る有り難い言葉をいただきました。
関わらせてもらって本当によかったと思っています。

学校の先生方とTeamsでのやりとり、学校現場、またはPTAの会。発見は多くありました。
正直、あーしたらよかった、こーしたらよかった。があります。他の自治体の素晴らしい取り組み、その考え方を知ったりする中で、考え方をアップデートしたり、または揺らいだりと言った感じです。

今後、学校のICTを活用した運用が進んでいくわけですが、ICT機器には必ずリプレースという一大イベントがあります。
そこまでに今ある課題や今後どうあるべきかといった問を設計に組み込み、次回実装していけたらいいじゃないかな?と思います。


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