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「2024年6月の珈琲 Colombia:雨の降る日曜日」

Colombia:雨の降る日曜日
まくらに沈めた耳に届くほそい雨の音
雲に覆われた空が白んでいく
雨粒のついた電線を揺らした鳥が
甲高いひと声を発し
白い世界に色を思い出させる
人の気配が消えた町が迎える日曜日の朝
しっとりとした余韻がつづく深いコク

海街から帰った翌朝は雨だった。

気だるさが抜けきれず、枕元に寄ってきた愛猫に指を伸ばしながらも、起きることができない。

羽毛のまくらに沈めた耳にはほそい雨の音が届いていた。

白い布越しの空は雲に覆われていたが、少しずつ白んでいっているようだ。

そのおかげで、部屋のなかは思ったより暗くはなく、むしろ、明るく、そして、白かった。

雨の降る日曜日。

しかも、夜明けの時間だからか、町には人の気配がない。

白さと静けさが重なると、世界は消えたように感じるのか。

始まりの朝なのに、バイバイという言葉が似合う。

そんなことをぽわんと思いながら、まどろんでいたら、雨粒のついた電線を揺らした鳥が甲高く鳴いた。

その声は、白い世界に色を思い出させ、雨の降る日曜日に吸い込まれていった。

人の気配が消えた町が迎えた雨の降る日曜日の朝。

世界が消えたようにも感じるその時間は、暗さよりもしっとりとした明るさで支配されていて、ちょっと不思議だった。

この感覚を表現したくて選んだ珈琲豆は、しっとりとした余韻がつづくように深く煎ったColombiaだった。

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生産国:コロンビア
品種:カツーラ
精選方法:ウォッシュド
風味:ビターチョコレートのような深いコク
煎り加減:深
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