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「ながれるうつるかわるめぐる11月の珈琲」

11月だ。

一年のおわりがそろりそろりと近づいてきた。

ハル、ナツ、アキ、フユ

時はながれ、うつろい、かわり、そして、季節がめぐる。

そのなかで生きる私たちの日常を切り取ってみると、たくさんの思いが詰まっていたことに気がつく。

思いも季節とおなじように、めぐり、かわり、うつろい、そして、ながれていく。

2021年もあと数ヶ月の今、11月の珈琲豆にこめた思い。

Guatemala 100g / Brazil 100g
名前のない珈琲 50g

Guatemala:鍵をさがす
本棚にならぶ背表紙は色あせていた
凹凸をなぞる人差し指が
一冊の写真詩集をとらえる
なにげなく開いた頁は
何度も何度も見たお気に入りの頁
そこには扉の鍵をさがす私がいた
鍵穴にぴったりとはまる酸味

Brazil:夢をおよぐ
手のなかにある珈琲から
しろくて透明な湯気がたつ
テーブルの上に置いた写真詩集に
みつけたデジャブ
ここにいるのは私だったのか
うつつから夢へとおよぎだす
広がるコクが境界線をなくしていく

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