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音楽院ではどのように読譜練習している?〜リズム編〜

前回の記事で読譜(Lecture)についてお話ししました。今回もまた読譜の話ですがリズムについて話したいと思います。



初期(1、2年目)は身体でリズムを感じることが大切

リズムを読むときは必ず手で拍子を取ります。1年目の早い段階からなるべく音をリズム付きで読ませますが、リズムだけを読むときは基本的には「タ」で言わせています。
1年目や2年目の初期段階では歩いたりスキップしたり身体を使うと理解しやすいのでリトミック的な要素も取り入れたりします。子どもたちはエネルギーが有り余っていてとにかく動きたい!教室中を歩き回った時はみんな興奮気味でしたが、楽しかったようなので授業の流れを変えたい時にも使えます。




手や足も使ってより高度に

4年目か5年目くらいからRythme frappé(リズム フラッペ)と言って、足で拍子をとり手でリズムを叩いたりもします。
初めは1つのリズムラインを右手と左手に振り分けて、それができるようになってきたら右手と左手それぞれに違うリズムラインを同時に叩きます。これはピアノ専攻やアコーディオン専攻にはそれほど難しくないですが、その他の専攻の子どもたちはなかなか苦労します。リズム付きで読譜をしながら手でさらに違うリズムを叩くとなるともう大パニック!指導する時はきちんと子どもたちの専攻楽器を考慮して、同じ課題をするにしてもそれぞれにあった練習方法や進度を提案しないといけません。出来なくて悔しくて「ピアニストはずるい!平等じゃない!」なんて言う子も出てくるのでうまくなだめながらやっています。




最初の関門!

リズムの最初の関門はやはり8分の6拍子だと思います。早くて1年目の終わりか2年目に習うのですが、2年目と言うと8歳か9歳の子が多く、この年齢ではまだ学校で割り算を習っていないので理論的に理解するのはなかなか難しいです。理論的に説明しますが付点4分音符がよくわからない子もいるので、そういうときは難しい話は横に置いておいて子どもたちの成長を待ちながら、とりあえず1拍に3つ8分音符が入ることと、8分の6拍子独特の揺れる拍感を感じてもらえるよう波やゆりかごを例に出しながら練習します。
時々早熟な子もいて「まだ学校で割り算習ってないけどわかるよ!」と得意げに言ってきたりして可愛いなぁと思ったりしています。

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