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音楽院ではどのように読譜練習している?

前回の記事でざっくりとフォーマシオン・ミュジカルについてお話ししましたので、今回は読譜(Lecture)について掘り下げてお話しします。



読譜の仕方

読譜をする時は音程は付けません。リズム付きだったり、Lecture fluideと言ってリズムを付けないでとにかく速く読むこともあります(個人的にはLecture fluideはあまり好きじゃないのですが、それについてはまた別の記事に書こうと思います)。また、平行に読んだり(Lecture horizontale)、和音を縦に読んだりします(Lecture verticale)。




音部記号

音部記号についてですが、専攻楽器に関係なく全ての生徒がト音記号、ヘ音記号、ハ音記号で読めるようになるのが目標なので、まずはト音記号とヘ音記号から始めて、4年目か5年目でアルト記号を、5年目でテノール記号を、7年目か8年目でソプラノ記号を習います。その他のハ音記号は9年目以降で習います(音楽院によって多少カリキュラムは異なります)。
フォーマシオン・ミュジカルでは音楽全般の知識をつけることが目的で、歌も歌うのでト音記号とヘ音記号は必須です(ピアノの伴奏パートも理解する必要がある)。そして5年目以降に弦楽四重奏の楽譜を、9年目以降にオーケストラの楽譜を使って勉強するので(読譜や楽曲分析)、こういったカリキュラムになっています。




みんなヘ音記号が苦手!?

私はピアノ専攻ということもありト音記号もヘ音記号もどちらも同じように読めますし、子どもの頃から読譜に関しては苦手意識はなかったのですが、苦労している子どもたちは多いです。楽器の専攻にもよりますが、全体的にヘ音記号に苦手意識がある子が多いですね。あからさまに「ヘ音記号嫌い!」と言う子もいるので、「ヘ音記号は意地悪じゃないよ〜、痛くしないよ〜」と声かけをして意識しすぎないようにしています。それでも苦手な子は苦手なのですが、ヘ音記号が苦手だ・出来ないと自分で成長を止めてしまわないで、「なんてことない、ただ読むだけ」と出来るだけ自然体で取り組んでくれたらと思っています。




使用教材について

ここまでで読譜について勉強する内容や流れについてお話ししましたので、最後に読譜に使う教材についてお話しします。
リズム付きでもLecture fluideでも「流れ」の中で読むことを大切にしているので、音域は少しずつ広げていきます。1年目、2年目は音域も狭く読むスピードも遅いので読譜のレベルに合う実在する大作曲家の曲というのがあまりありません。なので読譜用に作られた課題を使うことが多いですが、3年目くらいになると実在する曲を使えるようになってきます。シューベルトやシューマン、ブラームスの歌曲を採用している教材も多く、読譜ができるようになったら歌ってみることを想定して歌いやすい調に移調している場合も多いです。

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