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「第2回インターナショナルチャレンジカップ in 鎌倉 決勝戦を深堀り」/Insight #11 イベントレポート

第2回インターナショナルチャレンジカップ鎌倉で見事優勝を勝ち取った「JFC Futuro」の石井コーチをゲストとして招待。大会のレギュレーションに対応した戦術やトレーニング、当日勝敗を分けたポイント、さらにチームの理念などなど… チーム指導の深いところへ、一緒に切り込んでいきましょう!


<登壇者紹介>
ゲスト 石井延佳
サッカークラブ「JFC Futuro」コーチ

インタビュアー 續木智彦氏
西南学院大学サッカー部監督

司会進行 和田タスク
前FC町田ゼルビアスタジアムDJ

タスク:第11回インサイトは「第2回インターナショナルチャレンジカップ鎌倉決勝戦を深掘り」というタイトルでやっていきたいと思います。ナビゲートさせていただきます私タスクと續木先生、ゲストはJFC Futuro⽯井コーチです。よろしくお願いします。

タスク:インターナショナルチャレンジカップはジュニアの⼩学5年⽣の⼤会になり、このインサイトを運営しているCloud9が主催してやっています。第2回はJFC Futuroが優勝しましたのでコーチを招いてスーパージュニア年代の話を聞いて、本質に近いところが⾒えたらと思っています。
まずは、どんな⼤会だったかちょっとダイジェストをご覧いただけたらと思います。

JFC Futuro vs FC LEGARE 決勝戦 ダイジェスト

續木:こうやって見ると今の子供たちやっぱり全体的にうまいなと思いますよね。

タスク:優勝するFuturoがなんとここで先制点を⾷らうという…。
この後、わりと早めに同点に追いつきます。11歳ですかね?4年⽣ででてる⼦とかもいたんですか?

石井:キーパーの⼦が4年⽣。あとはみんな5年⽣です。

タスク:キーパーが4年生だったのがすごいな。

タスク:このインターナショナルチャレンジカップはペナルティエリアから1mぐらいのところにオフサイドラインというのが設けられていて、それから先がオフサイドのルールが適応されます。

選手の景色を変えた「配置換え」

タスク:⽯井コーチの決勝の率直な感想から聞きたいと思います。どんなゲームでしたか?

石井:前半はなかなか前進することができず流れも良くなくて、さらに先に取られてしまったのですが、失点直後にすぐに取り返すことができたのが大きかったです。
後半は配置も変えたりしたので、ボールが前に進む回数がやや増えたことから少し良くなった印象的ですね。

タスク:決勝のゲームプランとしてはどんなプランを持ってイメージで臨んでたんですか。

石井:予選でLEGAREさんと一度やってたので、相手の戦い方やキープレイヤーを整理するのと、オフサイドルールを活かしてやっていこうという話はしました。

タスク:攻撃としては、どういう攻撃をベースに考えたんですか?

石井:オフサイドラインがないので、できるだけ前の選⼿は⾼さを取らせて、逆に後ろ側の選⼿は相⼿選⼿を引き出して、相⼿の間延びを作るような形でプレーできたらいいねっていう話はしたんですけども、なかなか前半は縦に⼊らずという形でした。

タスク:配置を取って相⼿が分散できれば、それだけスペースと時間ができますもんね。

石井:オフサイドルールによって、相手が守るスペースっていうのは増えてくると思うんで。

タスク:狙いとしては1:1を作ることですよね。Futuroのチーム中で、わざと孤⽴させてもいけそうな選⼿をどこに配置したんですか?

石井:1.5列目の相手の最終セカンドラインと、相手の最終ラインを少し間延びさせて、7番を使いたいなっていうのはあったんですけど、なかなかそこに入らずというのはありました。

タスク:そんな中で、先制を許しましたね。あれはどうでしたか?

石井:準決勝も先制されての戦いで、先制される展開はこの大会に限らずあるので、またかっていう感じです。でも、今大会は10分だったので時間との戦いもあったので焦ってました。

タスク:そこからどう対応し修正を行ったのでしょうか?

石井:この試合に関していえば、後ろの選手がうまくつけられず引っかけてしまうシーンもあったので、シンプルに後ろの組み立てを安定させたい狙いで選手の配置を変えました。それで少し後ろで時間を作れたり、右から左にとかそういう展開が出てきましたね。

タスク:不思議なもんというかサッカーあるあるというか、配置変えるだけで選⼿たちの景⾊が変わったんでしょうね。

点を取られても取り返せる自信、そういったものがあるかもしれない

タスク:そんな中で3-1で勝ちました。勝利のポイントを石井コーチはどう考えてますか?

石井:失点直後にすぐ取り返せたことは、すごく大きかったかなって思います。10分ハーフだったのですぐに取り返すことができなかったら、ズルズルいっていた可能性もありますし、すぐ取り返すことでLEGAREの勢いを抑えることができたっていうのがポイントだと思います。

タスク:競争闘争理論的というか選手たちがそこで先制されたことで、萎えなかったということですよね?脳ストレス的には慣れていたというか、経験値があった?

石井:やっぱり取られることに慣れてちゃいけないと思うんですけど、この大会に限らず、選手たちの中でもしかしたら点を取られても取り返せる自信そういったものがあるかもしれないです。

タスク:それ、⾮常に⼤きい気がしますね。先制された想定もしておくことに越したことはないじゃないですか。
トレーニングで再現するのは難しいんですけど、負けてる状態を経験させるっていうのも、決勝みたいなところでは活きてくるのかなって思ったりするんですよね。その経験値はないよりはあった方がいいじゃないですか。

石井:実際の決勝で0-1のビハインドとトレーニングでの0-1のビハインドって、やっぱり違う部分があると思う。大会でそういう経験ができるっていうことは今後に繋がるかなっていうのは思いますね。

續木:準決勝のFuturoは、2-2のPKで勝つんです。PK2周したんですよ。
PK決められたら負けの状況までいってそれで決めて、本当に劇的な勝利をしましたよね。
決勝の前半は、疲れ切ったみたいな雰囲気のはいりだったのでしょうね。後半は自分たちの戦いを取り戻して生き生きし始めたところがあって、準決勝・決勝のFuturoはすごかったなって、子供たちも指導者の方々も含めて。

すべての⼦供たちにサッカーを通じて、将来を⽣きる⼒を⾝につけることをビジョンとしてる

タスク:大会全体の感想っていうのはどういう風に持たれているのでしょうか?

石井:オフサイドラインがない通常の大会に比べて、長いボールを使うよりは後ろから組み立てるといったオフサイドラインがあることで得られる戦術的な部分は大きいですし、そういったチームが増えてくると思います。

また、この大会特有のルールは選手たちがそういった判断を伴うことで技術を高められますし、すごく身に付くと思います。

あとは、Cloud 9のVeoカメラが常に試合の映像を撮っていただいてるので試合を振り返ることができて良かったですし、すごくいい経験をさせていただきました。

タスク:ジュニア、ジュニアユース年代ってルール変わってたりするんですけど、ルールを持たせることで国だったりそのエリアが何を獲得させたいかが明確になる。例えばハーフウェイラインを超えた長いボールが禁止だったりすると、下から構築、プレス回避、長いボールOKなところはアタッカー育てたい、キーパー育てたいとかの目的があるみたいなんですよね。

なので今回オフサイドラインがあることでギリギリまで攻められる、人が配置できることで手前につけれるスペースがいっぱいあるんじゃないかと。それをチームが選べるようにオーガナイズされていて、そこが強化されるんじゃないかといったところを感じていただけたんじゃないでしょうか。

續木:子供たちはピッチでのサッカーは本当に楽しくレベル高くやられてるのはもちろんなんだけど、オフザピッチのところでも、僕たちがグラウンド作ろうとしてたら道具を運ぶのを伝ってくれたり、すごくいいチームだなって思っていました。日頃からどういうことを大切に指導されてるのでしょうか。

石井:すべての⼦供たちにサッカーを通じて、将来を⽣きる⼒を⾝につけることをビジョンとしてるんです。
全員がサッカー選⼿になれればいいと思うんですけど、難しいこともあって。
サッカー以外にもコミュニケーションをとるとか、感謝の気持ちを持てるとか、最後まで諦めないで取り組むことができるとか、そういった自立心や野⼼を持てる⼈材を育てていきたいというのがクラブとしてありまして、そこはスタッフで統⼀して指導させていただいてます。

續木:石井コーチにとってフットボールをどういうふうに捉えてるのかですか?

石井:僕もずっと幼い頃からやっているので、本当になくてはならない存在になってます。

續木:何でこんなに好きになっちゃったんですか?何が楽しいですか?

石井:プレーヤーのときは単純にゴールを守る、奪うっていうのが好きでやってましたけど、最近は指導している中で、⼦供たちの成⻑やOBの選⼿たちが「こうなりました」って帰ってきてくれるのがすごく嬉しくて。やりがいがあるなって指導者を続けさせていただいてます。

續木:Futuroの⼦供たちがサッカーをものすごく楽しんでいるんですよ。もうあんだけ試合してんのにずっと空いてる時間もボール蹴ってみんなでやってるし、終わってからも練習試合3試合くらい受けてて。
これって、教える側がそういうスタンスで関わらないとフットボールの面白さは絶対伝わらないし、⼦供たちも本気にさせられない。本当にいいチームだなって、純粋に思っちゃったんですよね。

たくさんのコメントありがとうございました

タスク:参加者さんからメッセージをたくさんいただいています。紹介させていただきますね。

スペイン式のオフサイドルールによる戦術的変更というのは、そもそも準備してきましたか?

タスク:キタムラさんから質問をいただいてます。

石井:5年生の学年でプレミアリーグっていうのが神奈川県であって、それも同じようにオフサイドルールなんで、多少なりともオフサイドルールへの理解っていうのは選手たちの中には、あったかなというふうに思います。

タスク:経験値があるだけで、初めてとは当然違いますもんね。

續木:試合の経験をどれだけ積んでるかって、すごく重要なのかなって思いますね。強豪校にいるより、試合にいっぱい出てる県⽴⾼校の出⾝の⼦たちの⽅が勝負どころでは実⼒を発揮したりとか、コンペティションかかった本気の試合っていうところは、どれだけ経験できるかっての⼤きい気がしますね。

ジュニアからジュニアユースへ繋げるとき、⼤切なことを教えてください。

タスク:ハヤトさんからいただきました。

石井:中学生にもなると自我が芽生えて、こちらがいくらこうやれって言ってもやらなかったりするので、自分たちで取り組むとか、自立してプレーさせるところは、こういう高学年のところからしっかりと体制持たせてやることで、ジュニアユースに上がっても主体的にできるかなって思っています。

タスク:ジュニアユースとしての結果的なところでは、どんなところを指してるんですか?

石井:県のトップリーグのところを目指していきたいなっていうふうには思ってます。

タスク:クラブとチームの目標があって、さらに個人の目標があるというところで選手は、自発性、主体性持って取り組むようになると。これはかなり本質的なとこに近い気はします、カテゴリー問わず。やっぱりそういうとこが⼤事になってくるんですね。

タスク:今日は石井コーチをお招きして鎌倉で行われましたインターナショナルチャレンジカップの決勝を深掘りしました。
サッカーの話だけじゃない、やっぱり人間力だなんていうところも出てきましたし、これはカテゴリー問わないんじゃないかというところも出てきましたし、いろんなところに気づきの種があったりするもんだなと思って今日も楽しませていただきました。石井コーチありがとうございました。


次回の案内と「The Blue Print」のお知らせ


3⽉1⽇20時〜「個⼈戦術はチーム戦術を凌駕するのか」
タスク:次回、ゲストは帝京⾼校サッカー部コーチの⽚⼭さんをお迎えして「個⼈戦術はチーム戦術を凌駕するのか」というタイトルで、3⽉1⽇⾦曜⽇やらせていただきます。續木先⽣⽈く、あのいい意味で、変態といいますか、もう本当に突き詰めてる⼈間なので、また深い話⾯⽩い話が聞けるんじゃないかなというところです。

3⽉15⽇20時〜インサイト特別編
タスク:3⽉はインサイト特別編ということで、フットボールを語り尽くす120分(倍の2時間)。こちらを3⽉15⽇の20時からやりたいと思います。
こちらはかたくなく、より座談会のような形で皆さん飲みながら⾷べながら、オンラインにはなるんですが肩肘を張らずに、あれやこれを喋っていきたいなという会議でございます。
この特別編は、河内一馬さんと、そしてGOATさんをお迎えして、よりフットボールというものを語り尽くしていきますのでぜひ皆さん参加いただけたらと思います。

⽯川県能登半島応援Tシャツ
タスク:我々がCloud9で⽀援をしている⽯川県能登半島ですけれども、応援Tシャツを作らせていただきました。購⼊⾦額を全額寄附⾦として、七尾市の越川スポーツキャンプさんを通じて、能登地域の皆さんために使⽤します。ぜひ皆さんも、ご協⼒いただけたら嬉しいです。

「The Blue Print」
タスク:私達は「The Blue Print」というオンラインコミュニティを持っています。この会以外のところでもオンラインコミュニティの中で皆さんディスカッションしたりしてますので、ぜひ「The Blue Print」に参加していただけたらなと思っています。先ほど⽯井コーチからもありましたVeoという撮影機材の使い⽅だとか、いろんなコーナーもあります。

最新のイベント情報(Peatix)
https://blueprint-insight.peatix.com/

The BluePrint コミュニティページ(Facebook グループ)
https://www.facebook.com/groups/theblueprint.cloud9/

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